羊の目

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 141
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163267401

感想・レビュー・書評

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  • 侠客に育てられた男の生涯を、闇社会を背景に描いた作品。
    この手の本は初めて読んだが、読後のどろどろしさは全くなく、むしろすっきりとした清々しさを感じた。
    これは、胆の据わった、現代では少なくなった?大和男児の美しさに感じ入ることができたためでもある。
    昭和初期の混沌とした時期の日本は、皆が真剣に生きていて、その意味で力強く、清かったのだろう。
    こういう作品を読むことで、日本人の男の生きざまを感じ、自身を見つめ直すことができたことは貴重だった。

  • 始めは読みにくかったけど、読んで行くにつれて物語に引き込まれていった。
    神崎の生き方、かっこいい。

  • この小説もおもしろい。ベストです。簡単に言うとヤクザ者の話なんですが。自分が信じる人のために命も投げるし、人も殺す。一見残忍な人なんですが、根は優しいという・・・伊集院さんの小説に出てくる男はみんなかっこいいな。

  • 最近日本の小説をあまり読ま(め)なくなったのは、こういう美しい日本語、正しい日本語で書かれた日本文学としての芸術作品がもうほとんどでてこないから。物語としてのエンターテイメント性やリアリティを突き詰めていくのならばぶっちゃけ小説というメディアである必要のないものが数多あり、小説でなければならないものをこそ小説で読みたい自分のような人間にはどんどん選択肢がなくなってくる。
    この作品は文句なしで美しく、文章自体が輝いている。単純に品性の問題だが作品の崇高さで言えばここ数年で読了した中では一番だろう。
    10年後に読んでも50年後に読んでも変わらない感想/感動が出てくるに違いない。
    個人的に2010~2011年読了本のベスト①

  • 読んだ日 2008.3(借:大村市民図書館)(27/115)

  • いつもササッと読んでしまう派(速読ではない)ですが、
    3週間くらいかけて通勤時で読破した。全390ページ。
    1ページずつ丁寧に読みたい!ラストまで読んでしまうのがもったいない、
    と思う本に出会ったのは久しぶり。

    神崎武美という、メチャクチャ強い浅草の侠客の生涯を語る物語。
    またいつか読みたい。

著者プロフィール

1950年山口県生まれ。’81年短編小説「皐月」でデビュー。’91年『乳房』で吉川英治文学新人賞、’92年『受け月』で直木賞、’94年『機関車先生』で柴田錬三郎賞、2002年『ごろごろ』で吉川英治文学賞、’14年『ノボさん 小説 正岡子規と夏目漱石』で司馬遼太郎賞をそれぞれ受賞する。’16年紫綬褒章を受章。著書に『三年坂』『白秋』『海峡』『春雷』『岬へ』『駅までの道をおしえて』『ぼくのボールが君に届けば』『いねむり先生』、『琥珀の夢 小説 鳥井信治郎』『いとまの雪 新説忠臣蔵・ひとりの家老の生涯』、エッセイ集『大人のカタチを語ろう』「大人の流儀」シリーズなどがある。

「2023年 『ミチクサ先生(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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