スメラギの国

著者 :
  • 文藝春秋
3.34
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本棚登録 : 181
感想 : 64
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  • Amazon.co.jp ・本 (475ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163267807

感想・レビュー・書評

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  • じわじわと追い詰められるのが、辛かった。もう、悪い結末でもいいから、早く終わらせてあげて!と何度も思いました。

  • 蛹から生まれる『ヒュン』という白い美しい猫のような生き物と進化した猫たちと闘う営業マンの物語。『猿の惑星』の猫版みたいなところもある。ぼくは桜庭一樹の『伏』も連想した。内容のわりには、読後感も爽やかな作品に仕上がったいる。

  • この本を読んで朱川さんに惹かれた。かなり濃いホラーだけど、そこに上手く動物を絡めているところがすごいと思った。
    今でもスメラギのような猫はどこかでひっそりと暮らしているのかもしれない。

  • この作者さん初めて読んだー。
    面白かったですが、猫不信になりそうです。

    それよりも読む前の本の厚さと文字の小ささにこれ読み切れるだろうかとちょっと不安になりました。でも読み始めたら案外余裕だった。
    内容上猫とのエピソードが多いのでジンゴローとチョコにはうるるとしちゃったよ。
    猫好きな人には読ませられない本ですね。

  • なんだかもう全てがやるせない…。
    ほんのちょっと歯車が狂ってしまったせいで
    “どうしてこんなことに…”と頭を抱えたくなるような悲惨な状況に。
    あの時ああしていれば、とかこうだったら…とどんなに思っても
    状況は雪だるま式に悪化する一方で。

    ラストでハッピーエンド風な読後感だけど、なんとも哀しいお話。
    ジンゴロー姐さん・・・

  • 2010 11/10

  • 猫の神風アタックは嫌だ。

  •  悲惨としかいいようがなかった。なぜルイがあのような行動をとったのか記述も足りないが理解できなかった。いや、理解できるはずもない。お国のためと狂信的な思いが走らせた行動なのだから。これは過去、お国のため天皇陛下のためと、将来のある若者の命を粗末に扱った大日本帝国軍の指揮官らの愚行を猫を使って再現したのだと思う。唯一違うのはルイの行動をスメラギは自身の手を汚すことで改めたが・・・・。いやそこまでの批判ではないかもしれない。
     日常を舞台にし、人間同士の戦争を思い起こさせる記載はほとんどないため、ここまで連想する人は必ずしも多くはないと思うが、少なくともこの本を読んだ人が過去の特攻の事実を思い出した時、以前よりももっと明確な意思をもって否定するのではないだろうか。
     更に筆者は戦争だけでなく、交通事故の被害者家族に対する世の中の不条理についても、もう1つのストーリーを展開することで訴えかけてきた。加害者を救うだけの法律、軽すぎる過失の扱いなど、直接被害にあわずとも日々のニュースを聞き感じていた憤りを家庭崩壊にまで至ったひとりの男の行動に重ねて表現してくれた。
     正直、この本の内容を思い出した時に最初に感じたのは冒頭の気持ちだったが、ラストに感動はあった。猫が人間の言葉をしゃべるのがこのような伏線になるとは思わなかった。一方で恐怖そのものにもなる言葉が、ラストでは涙をさそった。
     とまあ非常によかったのだが、猫好きには許せない展開もあり、評価は4とした。

  • まんまと表紙に騙されました。

    前半こそジンゴロー、ヨアヒム、アイス、チョコなど可愛い猫の描写が見られますが、
    空き地での一件以来、目を覆うような凄惨な描写ばかり。
    特に事故で飼い猫を失った人にはキツい描写が続きます。絶対読まないで下さい。


    伏線の張り方も甘いし、最後に無理矢理和解させようとして“良い話”に仕立てようとした展開もイマイチ。
    スメラギがああでは、死んだ猫たちも浮かばれない……。
    死によってしか、愛情や命のかけがえのなさを表現できないのでしょうか……?

    たしかに作者のメッセージは伝わりますが、伝え方が適切だとは思えませんでした。
    二度と読まないと思います。

  • アカチャンッテ、イイナァ。
    アカチャンッテ、カワイイナァ。

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著者プロフィール

朱川湊人
昭和38年1月7日生まれ。出版社勤務をへて著述業。平成14年「フクロウ男」でオール読物推理小説新人賞。15年「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞。17年大阪の少年を主人公にした短編集「花まんま」で直木賞を受賞。大阪出身。慶大卒。作品はほかに「都市伝説セピア」「さよならの空」「いっぺんさん」など多数。

「2021年 『時間色のリリィ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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