みにくいあひる

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163268705

感想・レビュー・書評

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  • キレイな不倫の話。っていう印象。
    淡々と読めました。

  • 10/08/28 東京の、みにくいあひるどもの話。
         京都の、あわれなあひるの話書け。

  • 哀しくて愛しくもある、ちょっと不幸な都会に住む女性たちのお話。短編集で読み易い。

  • 嫌悪感を感じるほど嫌いではないけれど、好きでもないんだよね。いろんなものを、もう少し大切に大切にしたい。

  • 谷村志穂さんは「週刊ブックレビュー」で2度見ました。
    「黒髪」のときは特集ゲストでした。
    谷村さんの作品を読むのは「黒髪」に続き2作品目になります。

    故郷を離れて東京で暮らす6人の女性の物語です。
    6人の女性は基本的にはセレブに憧れ、故郷から逃げ出したいと思っています。
    不倫の話が多いです。
    高1の娘が都会に憧れていますので、あれこれ考えさせられました。

    「ネイル」では35歳の主人公はコーヒー1杯1000円のホテルのラウンジで、マニキュアを塗ったり、携帯電話で通話しようとします。
    これに対して、対照的な「よけいなことを言わない」利口な友人が描かれています。

    「みにくいあひる」の主人公は独身時代はラジオ局勤務で、セレブな生活をし、男性遍歴も重ねました。
    堅実な夫と結婚して子供も生まれましたが、「結婚によって仲間を失った」という意識があります。
    昔の仲間と電話で話すときには「頭の中の消しゴム」を使って不都合なことを消去します。
    夫は酒屋さんですが、酒屋さんがチェーン店になる話が持ち上がったときに、大きな失望を味わいます。
    コンビニのような店になることに暗澹たる気持ちになり、昔の友人に話せるものが全てなくなったという絶望感にとらわれます。
    この心理の描き方は面白いと思いました。

    この短編集は1冊に6編入っています。
    1編が30分くらいで読むことができますので、時間の区切りをつけながら読むのに良いです。
    谷村さんはこういう短編集を他にも出しているようなので、読んでみたいです。

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著者プロフィール

1962年北海道生まれ。北海道大学農学部卒。’90年『結婚しないかもしれない症候群』で鮮烈なデビュー後、’91年に処女小説『アクアリウムの鯨』を刊行する。自然、旅、性などの題材をモチーフに数々の長編・短編小説を執筆。紀行、エッセイ、訳書なども手掛ける。2003年『海猫』で第十回島清恋愛文学賞を受賞。

「2021年 『半逆光』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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