昨日のように遠い日―少女少年小説選

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制作 : 柴田 元幸 
  • 文藝春秋 (2009年3月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163275208

昨日のように遠い日―少女少年小説選の感想・レビュー・書評

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  • とっても柴田元幸。少年少女のための小説ではなく大人になっちゃった人たちのための少年少女小説。アルトゥーロ・ヴィヴァンテ「ホルボーン亭」。最後の僕と父の台詞に胸を打たれしばし固まる。ダニイル・ハルムスはナンじゃコリャ的な作品の中では「トルボチュキン教授」が可愛い。大好きなスティーヴン・ミルハウザー「猫と鼠」はアレですね、切なくて痛々しくてちょっと辛かった。レベッカ・ブラウンかと思ったら違ったマリリン・マクラフリン「修道者」は好きだな、主人公の女の子の今後の人生に幸ありますように。次がレベッカ・ブラウン「パン」怖い…。パンの描写が魅惑的過ぎる。おまけのマンガ「眠りの国のリトル・ニモ」ひっくり返したりしてくすくす笑いました。絵も素敵だな。

  • 『おかしな本棚』の中に紹介されており、クラフト・エヴィング商會のお二人の手によるとても可愛い装丁で印象に残っていました。

    内容もとっても好みです!
    "青春"ではなく、その一歩手前の"少女少年"小説。
    さまざまな著者の作品を柴田元幸さんが1冊に集められています。

    中でも好みだったのは以下の3作品。

    ○「灯台」 アルトゥーロ・ヴィヴァンテ
    少年が灯台守と再会したときの心の動きが切ないくらいに伝わります。
    少年が成長した瞬間を見てしまった…そんな気分で読み終えました。

    ○「ある男の子に尋ねました」 ダニイル・ハルムス
    たった8行の物語のシュールさに、にやり。
    ほかにもこの著者の作品が4つ収められていますが、もっともっと読んでみたいです。

    ○「猫と鼠」 スティーヴン・ミルハウザー
    「トムとジェリー」を冷静な目で文字の形におこしたら、きっとこうなるのでしょう…。
    賢いネズミとまぬけなネコが展開するドタバタと書き手の冷静さのギャップがものすごくシュール。

  • レベッカ・ブラウンの“少女”、ユアグローの“少年”、デ・ラ・メアの名作「謎」の子どもたち、20年代ソ連のアヴァンギャルド作家の愉快で恐ろしい世界、サラエボ出身の新鋭に、本邦初登場のアイルランドの女性作家…。世界と、あらゆる時から届けられた逸品が勢ぞろい。永遠に失われる前の大切な話、選りすぐりの15篇

  • -少女少年小説選-――柴田元幸編 文藝春秋2009.3

    内容 大洋 バリー・ユアグロー著 柴田元幸訳. ホルボーン亭 アルトゥーロ・ヴィヴァンテ著 西田英恵訳. 灯台 アルトゥーロ・ヴィヴァンテ著 西田英恵訳. トルボチュキン教授 ダニイル・ハルムス著 増本浩子訳 ヴァレリー・グレチュコ訳. アマデイ・ファラドン ダニイル・ハルムス著 増本浩子訳 ヴァレリー・グレチュコ訳. うそつき ダニイル・ハルムス著 増本浩子訳 ヴァレリー・グレチュコ訳. おとぎ話 ダニイル・ハルムス著 増本浩子訳 ヴァレリー・グレチュコ訳. ある男の子に尋ねました ダニイル・ハルムス著 増本浩子訳 ヴァレリー・グレチュコ訳. 猫と鼠 スティーヴン・ミルハウザー著 柴田元幸訳. 修道者 マリリン・マクラフリン著 小澤英実訳. パン レベッカ・ブラウン著 柴田元幸訳. 島 アレクサンダル・ヘモン著 柴田元幸訳. 謎 ウォルター・デ・ラ・メア著 柴田元幸訳.
    抄録 レベッカ・ブラウンの「少女」、ユアグローの「少年」、デ・ラ・メアの名作「謎」の子どもたち…。世界と、あらゆる時から届けられた逸品、全13篇を収録。伝説の漫画「眠りの国のリトル・ニモ」などの特別付録2篇つき。

    ●感想とメモ
    ミルハウザーを読みたくて、ついでにたくさん読んでみようと。
    少女少年小説、なんだねえ。いいなあ。
    しかしこれを幼いころに読んでたら、おもしろいとは感じなかったろうなあ。そういったものが、海外では少女少年小説として扱われているのが、日本との土壌の違いなのか。


    「パン」
    これが恐ろしい。寮生活を送る同年代の少女たち。はじめ、憧れの少女に対する思いをひたすらに綴る話なのかと思ったら、最後のどんでん返し…この美少女、実は陰険な女王様だったのか。憧れていた私、そこで目が覚めるのだろうけれど、この後、寮生活では生きづらかろうなあ…
    同じようなことを何度も何度も言葉を変えて語られるのに途中で飽きてしまったけれど、パンがとてもおいしそう。

    「灯台」
    去年の「ぼく」は灯台守にとっていい少年だったけれど、今年、灯台を再訪した「ぼく」は、もう灯台守にとっては別人で、認識すらしてもらえなかった…
    これが少年期というものか、と、むごく実感するほど。

    「猫と鼠」
    トムとジェリーのアニメ風表現を、すべて文字で書くとこうなるのか!
    ものすごく、虚無と思索的な感じだった

  • 色々な海外作家の1つの作品を切り取ったようなかなり短い短編ばかりを集めたもので、タイトルに“少年少女”とあっても中身は純文学的で少年少女向けという意味ではなさそう。本当に一編が短いにもかかわらず、妙に気持ちをざわざわさせる印象深いものが多い。トム&ジェリーを純文学で表現するとこうなるのか!と驚きの「猫と鼠」が中では異色。「大洋」「灯台」が好み。

  • ミルハウザー『猫と鼠』理屈抜き、感覚的な表現がうたかたの日々っぽいなあと。日本でいう新感覚派なのか?柴田訳で他にも出ているみたい。

  • ちょっとブラックな作品も混じっているのが、「少年少女」なところ。サラエボに住んでいた少年が家族と一緒に島に行く「島」という作品が、淡々としているけれど良かった。

  • 思わず一気にに読んでしまうような、独特の雰囲気のお話の詰まった素敵な本でした。
    図書館で偶然見かけて読んだのですが、手元に置いていつでも読めるようにしておきたい本です。しとしとと雨の匂いのする日に読みたいなぁと思いました。

  • 少年少女を題材とするアンソロジー。
    暗喩や示唆に満ちているが、全てを汲み取ることは難しい。
    私はあまり良く分からなかった。
    好きな短編、思うところのあった短編を下に。

    ・アルトゥーロ・ヴィヴァンテ「ホルボーン亭」 Arturo Vivante"The Holborn"
    記憶、と言うものは人間の主観に強く影響されるもので。素晴らしいものであったと記憶しているものも他人にとってはなんら特別なものでないかもしれないということ。

    ・アルトゥーロ・ヴィヴァンテ「灯台」 Arturo Vivante"The Lighthouse"
    無邪気に嬌声を上げる少年ではなくなってしまったことを一年ぶりに出会った他者を通して痛感する。

    ・ダニイル・ハルムス「ある男の子に尋ねました」 Даниил Хармс"Одного
    肝油を飲むとお小遣いがもらえるんだそれを貯金箱にためて、いっぱいになるとお母さんはそれで肝油を買ってくれるんだ!というくすりと笑える。騙されてるな少年、というストーリー。

    ・スティーヴン・ミルハウザー「猫と鼠」 Steven Millhauser"Cat 'n' Mouse"
    「トムとジェリー」のような猫と鼠の攻防。決して勝てないと知っている鼠に立ち向かう猫と、決して負けはしないと分かっている猫もいなくなっては悲しいと考える鼠。アニメーションのような描写。

    ・マリリン・マクラフリン「修道者」 Marilyn McLaughlin"The West-acolyte"
    「西の魔女が死んだ」を髣髴とさせる。拒食症の少女が成長を受け容れる物語。

    ・レベッカ・ブラウン「パン」 Rebecca Brown"Bread"
    学校の中でカリスマの少女は、おおっぴらに権力を誇示することはないが彼女にひとたび嫌われてしまえば集団無視の憂き目にも会う。

  • 柴田先生だぜーい。
    この作家はまた。オーケイ君のネタはもう良くわかった!食傷だよ流石に!

    戦時中のイタリア人がイギリスでレストランに行く話が好き。自分にとってはかなり印象的だったことでも他人にはそうでもないってのはよくあること。子供と大人なら余計に。
    とか思ってたら最後のお父さんの「可哀想に」に噴いた。憐れんだ!つまりそういうことだった訳で…。

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昨日のように遠い日―少女少年小説選の作品紹介

レベッカ・ブラウンの"少女"、ユアグローの"少年"、デ・ラ・メアの名作「謎」の子どもたち、20年代ソ連のアヴァンギャルド作家の愉快で恐ろしい世界、サラエボ出身の新鋭に、本邦初登場のアイルランドの女性作家…。世界と、あらゆる時から届けられた逸品が勢ぞろい。永遠に失われる前の大切な話、選りすぐりの15篇。特別付録・伝説の漫画「眠りの国のリトル・ニモ」、「ガソリン・アレー」カラー・リーフレット。

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