彼女について

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163275802

感想・レビュー・書評

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  • 物語の中の出来事は悲しい事なのに、読むとあったかい気持ちになれる。

  • 『ママのしでかしたことのせいでもっとすごいことを成し遂げなくっちゃいけないのかと思っていたし、それができないのなら、ずっと頭を低くして毎日を送らなくちゃいけないのかと思っていた。でもそんな大それたことではなく、ただ久しぶりに会ったいとこと旅をしたりちょっといいホテルで朝ご飯を食べたり、それをこの体で消化したり今日一日の始まりを静かにこの目で見たり、それでいいんだな、これが人生のほとんど全部の要素なんだ、そう思った。』

    すーっと染み込んだ一節。
    登場人物の人柄ができすぎて現実離れしている気もするし、ラストはうそーって感じ。でもこれだけで星4つです◎

  • 図書館派の私の数少ない蔵書の再読を思い立ち、1冊目。

    もう、そこかしこの表現があまりに素晴らしくて、
    ストーリーもうすうす思い出しながら読むんだけど、
    最後にはやっぱり涙をぼろぼろ流していた。
    大好きな小説です。

    -------------------------------------------------------------------

    【初読 2008年】
    ★★★★★

    突飛な、かなしい設定のようでいて、
    描かれているのは大きな「愛」で。
    ああなんて暖かいんだろう!と思うあいだに
    ラストまでたどりついて放心。
    小説、読書の醍醐味をほんとうに満喫しました。
    素晴らしかった。

  • 不思議なふんわりした空気に包まれるお話だった。「小説」というよりも、「お話」といったほうが、なんとなくしっくりくる。
    主人公の女の子と、いとこの男の子(子供ではないのだけど・・・)の話し方は、子供のような純粋さと、いろいろなことを知った上のあきらめのようなものの漂う大人っぽさが、ないまぜになっていて、違和感を感じつつも、だからといって不快ではない感じ。
    どこまでも、のめりこみそうでなめりこめず、だけど、そう思っていることがすでにのめりこんでいるんだろうな、と感じるふんわりした作品。

  • 友達が薦めてくれたので読んでみた。初よしもとばなな。

    ふわふわ ふわふわ
    なんだか感想を言葉にするのが難しい。
    一つ一つの言葉が水になって乾いた土にしみこんでくるような、そんな印象を受けた。
    また再読したい

  • なんだろうなぁ・・・
    「ふわふわ」した感じで、この本のいいたいところが
    うまくまとめられませんが、
    親の愛情に飢えた子の哀しい叫びが、
    私には聞こえた気がしました。

    物質的な豊かさではなく、
    家族のぬくもりや心に残る思い出、
    「それでいいよ」と認められることが、
    生きていく糧になる。
    幼少期に両親に慈しまれ、大切にされることが、
    その後の人生に大きく影響を与えていく、
    ということを気づかされたように思います。

    全部読み終わった後で
    165ページの隈さんの言葉を振り返ると、
    また違った意味があったことに気づきました。

    「人は、なんでもできるの。忘れないで。
    今、あなたがここにいることだってとんでもない、
    ありえないはずのことなのよ。」

  • 最後に全ての謎が解けて、だけど少し寂しいっていった感じの雰囲気でしたねww

  • 今、生まれて初めて『分かりそう』『なのに全く分からない』『だけど分からないことがちっとも苦痛じゃない』というトリプルパンチ受けた状態。『ん?分からないよ?』と言いながらニコニコニコニコしてしまう感じ。
    分かりそうだけどわかんない。
    けど全然嫌じゃないし、そのうち分かるかもしれない。けど別に分からなかったらわからなかったで今は構わないし、またいつか分かるときがくるかもしれない、来世辺りで!みたいな、壮大な時間の中にいる感じ。

  • たまによしもとばななの本を読みたくなる。精神的に落ちてる時なんかに。

    よしもとばななの作品には、根源的な癒しの要素がある。

    ラストは泣いた。
    泣くことによって、ちょっとこころの荷物が軽くなったかもしれない。

    イチオシの小説だと思う。

  • なんで分からないけど読み終わると涙がでてる。自分が生きる意味について考える。
    引用 - 抱きしめられたこと、かわいがられたこと。それからいろいろな天気の日のいろいろな良い思い出を持っていること。おいしいものを食べさせてもらったこと、思いついたことを話して喜ばれたこと、疑うこともなくだれかの子供でいたこと、あたたかいふとんにくるまって寝たこと、自分はいてもいいんだと心底思いながらこの世に存在したこと。少しでもそれを持っていれば、新しい出来事に出会うたびにそれらが喚起されてよいものも上書きされて塗り重ねられるから、困難があっても人は生きていけるのだと思う。土台なのだから、あくまでもそれは上になにかを育てていくためのものなのよね、きっと。

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著者プロフィール

1964年07月24日東京都生まれ。A型。日本大学芸術学部文藝学科卒業。1987年11月小説「キッチン」で第6回海燕新人文学賞受賞。1988年01月『キッチン』で第16回泉鏡花文学賞受賞。1988年08月『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞受賞。1989年03月『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞受賞。1993年06月イタリアのスカンノ賞受賞。1995年11月『アムリタ』で第5回紫式部賞受賞。1996年03月イタリアのフェンディッシメ文学賞「Under 35」受賞。1999年11月イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門受賞。2000年09月『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞受賞。『キッチン』をはじめ、諸作品は海外30数カ国で翻訳、出版されている。

「2013年 『女子の遺伝子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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