彼女について

  • 文藝春秋
3.55
  • (99)
  • (181)
  • (244)
  • (42)
  • (11)
本棚登録 : 1284
感想 : 261
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163275802

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • このお話で、不思議と心が暖まり、優しい気持ちになったという人は、数少ない共感者かもしれないです。お互いが、お互いの。

    私はとても、ほっとした気持ちになりました。生きてる間にこのお話に出会えてよかった。

    どこか現実味のない少女のような主人公が、恐ろしくて悲しい過去を、子供の頃に一緒にいた男の子と振り返っていくお話。その中で次々と明らかになる、ショッキングな出来事。でも、その出来事よりも、登場人物の内面に起こっていることが、手にとるようにわかる感じがしました。

    私はどこかいつも、自分がふわふわと浮いていて、みんなと同じ人生を歩めないように感じていることがあります。
    それが苦痛だった20代だけど、30代になって、それを受け入れはじめている自分もいます。

    目に見えない大切なものを。人の気持ちを。自分の受け取る力を育てることの大切さを。

    普段気にして生きていること、それでいいんだよ。って言ってもらえたような本でした。

    星5つ!
    (37歳にて読了)

  • 推しがばななさん読んだと聞いてすぐさま読んだ。ラッパーがこんな本読んじゃうんだもんな。最高の世界線だな。

  • 「抱きしめられたこと、かわいがられたこと、おいしいものを食べさせてもらったこと、あたたかいふとんにくるまって寝たこと」そういうものがあれば、その先に困難があってもいくらでも立ち直れる。ここがなぜか泣きたくなるくらい胸が締め付けられる。
    "そういうもの"がある私は、ああ、私、愛されてるんだということを実感して、幸せなのと同時になんだか怖い気分になる。
    はかない からか、いつか過去のことになって、本当にそれが思い出の中だけの出来事になってしまったらと思うと怖い。だから自分のそばにいるひとたちを死ぬ気で大切にするんだ。

  • 「ひとかげ」を読み始めたときの印象がよみがえった。なんだか突飛。でも読み進めていくうちに印象がどんどん細やかになる。
    主人公の視線をものすごく自分の目と近い位置で感じられるというか、取るに足りない、もしかしたら誰の目にも映らないような些細な動きが丁寧に的確に描かれていて、唸るような文がたくさんあった。終わり方もいいな。
    そこまでを人生とカウントしていいんだったら希望を感じられる。

  • ひさしぶりに ばななさんの新作を読みました

    あとがきにもありましたが つらいファンタジーでした

    ばななさんの描く物語は ますますつらいものがたりになっていっているなぁ


    今回のものがたりは いままでなかった どんでんがあって 驚いた

    でも それも ばななさんの世界の一部で ほっとした

    ところどころ 人生のだいじなことが かかれて いた



    いつも ばななさんが描く ものがたりの 主人公になりたいと おもう

  • .

  • 私はよしもとばななの言葉がわかっているのだろうか。この人の放つ温かく光あふれる言葉の何分のいちも受け取れていないのではないか。なぜならこの人のお話の多くは大きな傷を負ったり大切な人を亡くした人の方へ寄り添っているから。
    でも、それなりに過ごしている私ですら心の奥深くに光がさすのだから、よしもとばななの温かさははかりしれない。私はこの本をこれから何度も読み返すだろう。人生に行きづまったり、暗いところから出られないとき、いつも私にひかりをくれると思う。そして、自分へもたらされた沢山の幸福に感謝して、生きていく。歩いていく。
    近年のばななさんはひかりからあかりへと、やわらかくなっていると思う。自分の読書にしか伝わらない魔法のような言葉で、伝えてくれている。願わくは、いつまでもその言葉が解るわたしでいたい。そういう生き方をしたい。

  • 予想外のラストに仰天。
    切ない真実に涙。

  • 素晴らしかった!
    ずっと根底にある切なさも、最後に紐解かれる感じも好きでしたが、切ないながらに読み終わると晴れ晴れしい気持ちに。

    吉本ばなな流ミステリー、みたいな感じ。

  • 物語の中の出来事は悲しい事なのに、読むとあったかい気持ちになれる。

著者プロフィール

1964年07月24日東京都生まれ。A型。日本大学芸術学部文藝学科卒業。1987年11月小説「キッチン」で第6回海燕新人文学賞受賞。1988年01月『キッチン』で第16回泉鏡花文学賞受賞。1988年08月『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞受賞。1989年03月『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞受賞。1993年06月イタリアのスカンノ賞受賞。1995年11月『アムリタ』で第5回紫式部賞受賞。1996年03月イタリアのフェンディッシメ文学賞「Under 35」受賞。1999年11月イタリアのマスケラダルジェント賞文学部門受賞。2000年09月『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞受賞。『キッチン』をはじめ、諸作品は海外30数カ国で翻訳、出版されている。

「2013年 『女子の遺伝子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

よしもとばななの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有川 浩
有川 浩
よしもと ばなな
山本 文緒
有川 浩
川上 弘美
小川 糸
東野 圭吾
三浦 しをん
よしもと ばなな
よしもと ばなな
村上 春樹
湊 かなえ
桜庭 一樹
よしもと ばなな
村上 春樹
よしもと ばなな
川上 未映子
西 加奈子
伊坂 幸太郎
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×