ブロードアレイ・ミュージアム

著者 :
  • 文藝春秋
3.42
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本棚登録 : 239
感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163280400

作品紹介・あらすじ

唯一の堅気者、新人キュレーター・エディ、魅力的な赤毛の美女"ダンシング"メイベル、100キロの巨漢"ベビーベッド"ブッチ、ベビーフェイスの伊達男"キッド"バーンスタイン、滅多にしゃべらない寡黙な"セイント"モース、そして、物に触れるだけで未来の悲劇を読み取ってしまう不思議な少女フェイ。悲劇を阻止すべく、BAMの面々は事件解決に乗り出す。

感想・レビュー・書評

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  • こういうお話は好きですね~♪ それぞれにいろんなものを抱えながらも、夢があって、希望があって、やさしくて、強くて・・・そんなステキな人たちばかり登場して、いやいや、ナイナイ、デキすぎデキすぎ!!・・・と思いつつも、その世界に、ど~っぷり浸かって、ワクワク、ハラハラ、ドキドキと、彼らと一緒になって、楽しんじゃうんですよねぇ~~w

  • ブロードウェイの路地裏に佇むブロードアレイミュージアム。
    そこに集うのは美術品も人も皆曰く付きの一等品。
    不思議な能力を持つ少女と
    彼女のため起こりうる事件を阻むべく奔走する愛すべき仲間たち。

    一人一人魅力的だし
    痛快爽快で読んでいて楽しかった。
    最後にもうひと盛り上がりあれば言うことなし。

    【図書館・初読・10/25読了】

  • 1920年代ニューヨーク・ブロードウェイ
    「ブロードアレイ・ミュージアム」に配属になった新人キュレーターのエディはそこえ不思議な少女フェイと出会う。
    フェイが触った品物からもたらされる事件を巡る物語

    時代背景、歴史上の人物がわからなくても入り込めて、爽快に読めるのはさすが小路作品てかんじ。
    浅田次郎の「天切り松闇語り」を思い起こさせるような登場人物の颯爽としたかっこよさ!

  • 登場人物がみんな魅力的。最後はすこし駆け足で展開して、読みながら残りページ数が気になったりしたけど。フェイの触りたい病のエピソードや博物館の日常をもうちょっと長く読みたかった。
    小路さんの本はどれも、どんな悲しいことやつらいことがあっても最後にはみんな笑って進める温かさを感じるので、できすぎた部分を感じなくもないけど安心して読める。
    いつも子どもの描き方やまわりの大人の子どもへの接し方で、子どもというのは大切に大切に慈しむべき存在だなあと考えさせられる。

  • 禁酒法時代のニューヨークを舞台にしたミステリー風味のおとぎ話。お姫様が出てきちゃうあたり、まさにおとぎ話です。最後に思わぬ展開が待っていて全てが丸く収まり、めでたしめでたしでしたとさ。小路さんの本格的なファンタジーは全然良くないけど、これくらいのファンタジーが小路さんぽくていいんじゃないかと思います。

  • 娯楽小説として一級品だと思います。
    キャラクターは魅力的、描写も書きすぎず、不足せず、ちょうど想像力をかきたてられるぐらいの量。
    <さえずり屋>グッディとか、<セイント>モースとかのあだ名が古き良き時代のジャズメンたちのようでかっこいい。
    さらっと読めて、エログロがなく、あんまり人が死なない、昨今珍しい大衆小説なんじゃないでしょうか。

  • ☆☆☆☆4つ

    うーむ、久しぶりに何にも書くことが思い浮かばない読後であった。
    仕方がない、質問攻めにしとこうw(あ、ネタバレがあるかも。ま、いっか、づいぶん前の本だしw)
    「ブロードアレイ」ってなんだろう。
    しょうじくんはアメリカに住んだことがあるのだろうか。
    しょうじくんは北海道出身みたいだけど松山千春と顔見知りなのだろうか。
    飛行艇はどうして6機も必要だったのだろう。
    すまぬ。

  • 唯一の堅気者、新人キュレーター・エディ、魅力的な赤毛の美女“ダンシング”メイベル、100キロの巨漢“ベビーベッド”ブッチ、ベビーフェイスの伊達男“キッド”バーンスタイン、滅多にしゃべらない寡黙な“セイント”モース、そして、物に触れるだけで未来の悲劇を読み取ってしまう不思議な少女フェイ。悲劇を阻止すべく、BAMの面々は事件解決に乗り出す。

  • かわいらしい作品だ。
    大人のための寓話と言っていいかも。
    禁酒法時代のニューヨークを舞台にしつらえたのも、雰囲気を作り出すのに一役買っているみたい。
    アメリカの人は、この時代をこんな風には描けないだろうなぁ。だって「ギャッツビー」だもの。
    そんな御託はともかく、レディ・フェイに会ってみたいぞ、と。

  • いや~。やはりこの方の著書は読み終わるとどこかほんわかあったかい気持ちになります。
    一人の少女とその周りの大人たちと神秘な秘宝・・・・
    って気になりますよね~。最初はなんだろう?って思ってましたが、読み終わると素敵な気分になれました。

  • 小路さんの作品は読み終わると幸せな気持ちになれる。

  • 出だしは入り込めなくて、中々進まなかったけど、昔話からどんどん物語りの世界に引きこまれた!
    もうひと盛りあがりがあればよかったなぁ。と思うけど心あたたまる素敵なストーリーです。

  • 2013/04/23
    復路

  • 小路さんにしては軽い、イエ、軽快に読めました。

  • 〈内容〉唯一の堅気者、新人キュレーター・エディ、魅力的な赤毛の美女“ダンシング”メイベル、100キロの巨漢“ベビーベッド”ブッチ、ベビーフェイスの伊達男“キッド”バーンスタイン、滅多にしゃべらない寡黙な“セイント”モース、そして、物に触れるだけで未来の悲劇を読み取ってしまう不思議な少女フェイ。悲劇を阻止すべく、BAMの面々は事件解決に乗り出す。

  • 「それです。ベーブ・ルースのあの虹の軌跡のような豪快でかつ美しいホームランには誰もが求めてやまない痛快さと爽快さと楽しさがあったんですよ」
    「あんたのその細かいところまで気がつくっていうところは美徳だと思うわよ。本気で」

  • 小路劇団が赤毛ものに初挑戦、舞台はブロードウェイだ!ってところでしょうか。
    って、ところだな。

  • 一人の少女の周りには癖のある大人たちが…。
    大切に守られている少女の正体は…。
    なんとなく途中で話は見えてきましたが、面白くないと言えば嘘になります

  • 2011/08/22

  • カタカナ名前の登場人物の物語はなんとなく久しぶりだったので楽しく読みました。・・・以上。

  • えーん
    フェイー>_<
    みんながいとしくて、泣いてしまいました。
    何よりもオチが泣けた。
    わかってても泣くんだよなぁ

  • 2011.6.2.

    ほんわかあったかい物語。
    最初の語り口調が慣れなくて読みにくかったけど、回想に入ってからはさらっと読める。

    登場人物がみんな個性的で人情味に溢れててやさしい。

    最後はなんかしんみりした気分になった。

  • これが小路さんの作風だとはわかっているのですが・・・どうにも東京バンドワゴンの雰囲気が私の中で尾を引いてしまっているようで(苦笑)あまり目新しい感じはしませんでした。文字通り、心温まる人情ドラマだとは思います。しかしながら、若干先が読めてしまう部分もあり。。好きなんだけど・・・。ベーブ・ルースなどの歴史上実在する人物や事柄などが出てくるとわくわく致しました。

  • 表紙の紙人形(?)がかわいい。
    どこまでが本当の話なのか気になる。下町の人々がほのぼのしているけど、実は国家規模、世界規模の重要な人物で…というのは、「東京バンドワゴン」シリーズでもそうだったけど、作者はこのパターンが好きなのか。作者は“古き良き時代”を書くのがうまいなあ、と思いました。

  • おもしろかったです。短編で読みやすいけど、ちょっとあか抜けない。

  • ある路地裏にひっそりとたたずむ博物館「ブロードアレイミュージアム」
    そこにある目的を持って配属されたエディ。彼はそこでフェイと名乗る少女に出会う。彼女はこれから人の死が訪れる引き金となる品物に触れることでその死を「見て」しまう能力が。しかもその死について具体的に話してしまうことでその死は不可避なものとなってしまう。
    はっきりと伝えることはできないフェイと事情を知る優しい(いわくつきの)住人たち。みんなが一丸となってなみいる事件に挑む・・・

    一つの事件ごとの短編集です。なんとなくですが同じ作者の「東京バンドワゴン」シリーズと似たような作り。同じ屋根の下のみんなが力を合わせて・・みたいな。読後感のさっぱりさも同じような。いい意味でね。

    ただエディの「隠された目的」とかその他いろんな伏線とか最後にあっさりとバタバタ解明しすぎかな?もうちょっといろいろあってもよかったような。いや面白いんですけどね。

  • ブロードウェイの小路(アレイ)にある、少し変わったミュージアム、B・A・M。
    正体不明のオーナー〈E・G〉に雇われ、そこで働くことになった新人キュレーターのエディは、そこで不思議な少女・フェイと出会う。
    彼女が「触りたい!」と願った美術品は、ことごとく事件を運んでくるのだ。
    そこに集う、これまたおかしなキュレーターの先輩たちと共に、その事件解明に力を尽くすようになるエディだったが・・・というストーリー。

    ブロードウェイにふらりと現れた若き小説家が、〈さえずり屋〉グッディから昔語りを聞く、というスタンスで書かれた5編からなる物語です。
    それぞれ、

    ルイ・アームストロングから譲り受けたコルネットを吹いて飛び降り自殺したトランペット奏者の謎と、ギャングの大立者・ララディとの駆け引き。そしてバーンスタインの恋の行方は・・・「サッチモのコルネット」

    BAMが雇っている美術品ハンター〈フェローシャス〉フッカーはもと大強盗。彼が今回入手したのはルネ・ラリックのドア飾り。そこに描かれた天使のモチーフは、成長後、そうなるであろうフェイの姿そっくりで・・・「ラリックのガラス細工」

    ブッチの宝物のボールは、彼の幼馴染からもらったもの。その幼馴染に野球賭博を強要できず苦しむ、もう一人の幼馴染のために立ち上がるBAMのメンバーたち・・・「ベーブ・ルースのボール」

    新進気鋭のフランス風百貨店のオーナーは、どうやらメイベルと関わりがありそうで・・。シャネルのパフューマー、エルネスト・ボーの有能な助手デレク・コンラッドが作りだした幻の香水が引き起こすのは、一族のうらみを抱えた一人の男による大量殺人・・・?・・・「シャネルの0番」

    エディのもとに届けられた一通の手紙と赤ん坊。フロウと名付けられたその赤ん坊がもたらしたのは、ダイアモンドの薔薇飾りのヘッドとフェイの未来への道だった・・・「リンドバーグの帽子」

    という内容なのですが、個性的な登場人物と小さな謎がいくつもからまりあうストーリーとがうまくかみ合って、面白い一冊に仕上がっていると思います。
    割とフェイの真の姿は始めの方でわかってしまいましたが、でもその正体を、実際は一枚一枚ベールを脱いで行くように、とても上手に明かしてゆくので、そこでがっかりさせられたりすることはなかったです。
    かつてのブロードウェイのそこかしこでなされたのであろう、小粋な会話も読んでて楽しかったし、久々に小路さんの話で「これはいい!」と思うような本が読めました~。

  • 1920年代のブロードウェイ、そこにあるちょっと変わった博物館を
    舞台に、人情にあついキュレーターたちの日々を描いた物語。

    相変わらず、小路さんの本は優しい。
    そして、ちょっとした謎。

    少しずつ明かされる仲間たちの過去。
    エディの真の目的とフェイの正体がクライマックスとなり
    読後はすっきりとしたかんじ。
    多少うまく行き過ぎな感はあるが。

  • 1920年代のブロードウェイが舞台の物語なんデスけど、そのあたりにまったく知識や興味がなくとも普通に面白く読めると思いマス。
    外国の名前が覚えきれないワ ってかたも、エディ フェイ モース メイベル ブッチ 等、殆どのキャラが5文字以内のお名前なのでなんとかだいじょぶだと思うデスよ?(笑。

    内容のほうは、全体を通して読むとフェイの正体(?)にまつわるミステリ と言えなくもないデス。
    でもまぁ そこは早いうちに先が読める展開でもありまシタ。ぷ。
    ミステリ的謎解明のカタルシスより、小路幸也さんの作品に共通する切なさを内包したあたたかさで読後は満足できると思いマス。

    軽妙な会話とチョビっとへっぽこな地の文で構成されてて読みやすさも◎デス。
    心がささくれてるときにお薦めの1冊。

  • 図書館

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著者プロフィール

1961年、北海道生まれ。広告制作会社勤務などを経て、2002年に『空を見上げる古い歌を口ずさむ pulp-town fiction』で、第29回メフィスト賞を受賞して翌年デビュー。温かい筆致と優しい目線で描かれた作品は、ミステリから青春小説、家族小説など多岐にわたる。2013年、代表作である「東京バンドワゴン」シリーズがテレビドラマ化される。おもな著書に、「マイ・ディア・ポリスマン」「花咲小路」「駐在日記」「御挨拶」「国道食堂」「蘆野原偲郷」「すべての神様の十月」シリーズ、『明日は結婚式』(祥伝社)、『素晴らしき国 Great Place』(角川春樹事務所)、『東京カウガール』『ロング・ロング・ホリディ』(以上、PHP文芸文庫)などがある。

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