武士道エイティーン

著者 :
  • 文藝春秋
4.06
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本棚登録 : 1970
感想 : 393
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163283203

感想・レビュー・書評

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  • 成長した剣士が、最高の舞台で相まみえる。前作から待たれた、二つの戦いの決着が今着く!戦いを通じて、主人公たちの成長がうかがえる青春ストーリー。
    そして、主人公の一人である、早苗が、ふとしたきっかけで手にした本との出会いを通じて、自分の夢を見つけていくという展開が良い。人生、どんな境地に巡り合っても、やることの形は変わっても、軸となる志はぶれずに生きていける道は開ける。偶然の出会いと、気づきと学びがあれば、道が開ける。心のまま、自分の好き・興味のアンテナを張って、恐れずに進もうと思えた。

  • ついに最終巻まで来てしまった、武士道シリーズ。
    早く読み進めたい気持ちと、最終頁に辿り着きたくない気持ちの板挟みで
    おずおずと捲ったグリーンの表紙。

    おやおや?!目次がいつもとちがう!

    香織が語り手となる、三文字熟語も潔い太字の明朝体の章タイトルと
    早苗が語り手となる、女の子らしいおしゃべりをそのまま書いたような細字のタイトルが
    前回までのように仲良く交互に並んでいるはずが、
    何やら見慣れない(しかもあんまり達筆ではない)手書きのタイトルが其処此処に。。。

    この手書きタイトルの4篇が、
    香織や早苗を取り巻く人たちを細やかに、重層的に描いていて

    完全無欠の美少女風だった早苗の姉 緑子の、
    モデルという職業への真摯さと、岡巧を想う純情ぶりにほろりとし、
    桐谷家が抱えた罪と、その清算に兄が人生を費やしたことを知って
    迷うことなく「桐谷の剣道を伝えていく」と決意した桐谷先生の覚悟に打たれ、
    その桐谷先生と、香織言うところの「チンピラ先生」吉野との意外な繋がりに驚きつつも
    気になってしょうがなかった百道浜での「ヤンキー13人病院送り」の経緯に手に汗を握り、
    あんなに崇拝していた香織に突如反抗的な態度を取り始めた美緒の
    平正眼の構えの奥に隠された自己否定や香織への思いに愛おしさがこみ上げて

    彼らにもかけがえのない人生があり、
    そしてその挫折や経験から生まれた技術や叡智や思い遣りが
    香織と早苗を確かに支えてきてくれたのだと、気付かされます。

    早苗の剣道のしなやかな強さのベースでもあった日舞の足遣いが
    最終的には早苗を苦しめる中で行われるふたりの決戦、
    くずおれた早苗に竹刀を放り出して駆け寄り
    礼法通り退場させるために、女だてらにお姫様だっこする香織の勇姿に
    感極まって、年甲斐もなくわんわん泣きながら

    思い描いていたのとはちょっと違う未来に向かって羽ばたくふたりに
    爽やかな感動への感謝と、未来への期待を込めて閉じた、最終巻。

    • nobo0803さん
      まだエイティーンだけ読めてなくて・・
      図書館で予約待ちです。
      まろんさんのレビューをみてウルウルしてしまい
      早く読みたいな~と思ってます。
      まだエイティーンだけ読めてなくて・・
      図書館で予約待ちです。
      まろんさんのレビューをみてウルウルしてしまい
      早く読みたいな~と思ってます。
      2012/08/20
    • まろんさん
      おお!発売されて3年たっていてもまだ予約待ち状態とは、さすが武士道シリーズ♪

      もう、オールキャスト勢揃い!っていう感じで
      皆のいいところが...
      おお!発売されて3年たっていてもまだ予約待ち状態とは、さすが武士道シリーズ♪

      もう、オールキャスト勢揃い!っていう感じで
      皆のいいところがこれでもか!というほど出てきて
      しかも、香織のツンデレぶりが可愛くてしょうがないという、うれしくてたまらない最終巻でした♪

      noboさんのところに、早く本が届きますように(*^_^*)
      2012/08/21
    • まろんさん
      巧も緑子も、あんなに想い合ってるのにね(>_<)
      仕事終わりに、自分へのご褒美として巧からの留守電を聴く緑子が
      可愛くて、切なくて、泣けまし...
      巧も緑子も、あんなに想い合ってるのにね(>_<)
      仕事終わりに、自分へのご褒美として巧からの留守電を聴く緑子が
      可愛くて、切なくて、泣けました。

      うんうん、桐谷先生と吉野先生、これぞまさに「頼れる男!」でしたね♪
      あ、それと、迷いの中にあった桐谷先生に
      ズバッと痛いことを言いながらも支える、
      たつじいの若き日の姿にも感動しました。
      ほんとに、武士道シリーズのみんなの、素敵なところが
      遺憾なく発揮された最終巻でしたね(*^_^*)
      2012/08/24
  • 4.6
    今回は、磯山、甲本視点以外も登場してきます。
    緑子視点はちょっと泣けました、ちょっとですけど。
    田原視点も面白かった、香織と不仲になった理由は想像とはちょっと違ってて意外だったけど、田原らしいなという気もしました。
    とにかくこの作者、数名の女性視点を上手く書き分けているのがすごい笑、それぞれのキャラが違和感なく入り込んできます。
    ここで、違和感感じちゃうと面白くなくなるんだろうけど、
    そんな事もなく。
    借りて読んだ本ですが、あらためて買ってまた読みたいと思わせる内容でした。

  • 濃ゆい脇役たちのサブストーリーを集めた短編集なんだけど間を埋めるように本編も進んでいきます

    なんかありがちなほわんほわんほわんほわわ〜んみたいなメロディが頭の中に流れて頭の横に雲みたいなんが出てきて各キャラの思い出話が始まるみたいな

    それにしてもツギハギ感がまったくなかったんでうまいなぁって思いました

    本編の方はそれぞれに迷いながら道を見つけて進んでいるそんな感じの青春物語でした

  • 登場人物たちのそれぞれの物語が見えてくる。磯山さんと甲本さんの試合に泣けてくる。次巻も楽しみ。

  • 16、17と続き、18のもくじであれ?と思う。
    香織と早苗の章ごとに目次の字体などが違うのはおなじみだけれど、
    その合間合間に手書きの章が挟まれていて。
    それが二人の脇を固める、外せない登場人物が主人公の、いわば武士道スピンオフ。
    緑子さん、ズルイわー。
    美人で誇り高くて、ちょっと意地悪で。
    でも内面での葛藤にすごく同調してしまって、ボロボロ泣かされてしまった。
    その他3篇の挿話もとても興味深かったし「あの人とあの人がそこでつながるのか!」と嬉しいサプライズも。
    何より誉田哲也さんの筆力には驚かされてばかりだ。
    どんな人が主人公だろうと、ちっとも違和感を感じさせない一人称の語り口。揺らがない武士道の世界。

    武士道の名に相応しい遠く続く、明るく輝く未来を見はるかす爽やかで背筋の伸びるようなエンディングだった。
    読んで良かった。
    ブクログ仲間さん、この本を教えてくれてありがとうございまーす!

    • まろんさん
      わ~いわ~い!永遠ニ馨ルさんも、武士道シリーズ制覇ですね♪
      そうそう、手書きタイトルの「武士道スピンオフ」部分がとても素敵で
      香織と早苗を囲...
      わ~いわ~い!永遠ニ馨ルさんも、武士道シリーズ制覇ですね♪
      そうそう、手書きタイトルの「武士道スピンオフ」部分がとても素敵で
      香織と早苗を囲む人たちの新たな魅力を発見してきゅん♪としつつ
      新たな目標を凛々しく見つめて歩き出すふたりに、もう、感動の嵐でした!
      誉田哲也さんには、この武士道シリーズのみならず、
      人の死なない、爽快な作品をもっともっと書いていただけたらうれしいなぁ♪
      2012/09/10
    • 永遠ニ馨ルさん
      はい!
      まろんさんのおかげで武士道シリーズに出会えたんですよ♪
      ありがとうございます!
      香織と早苗が先を見つめていく眼差しの熱さとその爽やか...
      はい!
      まろんさんのおかげで武士道シリーズに出会えたんですよ♪
      ありがとうございます!
      香織と早苗が先を見つめていく眼差しの熱さとその爽やかさが、とても心地よいエンディングでしたよね!
      他の誉田さん作品をちらりと検索してみたのですが、確かになんだか血生臭いというか武士道シリーズとは趣がまったく異なるようですね~。
      こういう爽快な作品をもっともっと書いていただけるよう、一緒に祈っていきましょう♪
      2012/09/10
    • まろんさん
      わあ!
      「まろんさんのおかげで」なんて言ってもらって
      うれしさの余り、嫌がるねこを胸に抱いてくるくる乱舞してしまいました(*'-')フフ♪
      ...
      わあ!
      「まろんさんのおかげで」なんて言ってもらって
      うれしさの余り、嫌がるねこを胸に抱いてくるくる乱舞してしまいました(*'-')フフ♪

      そうそう、誉田哲也さん、他の作品はなんだかとってもハードボイルドっぽいのです(>_<)
      でも、永遠ニ馨ルさんも一緒に祈ってくださるなら、勇気百倍です!
      2012/09/11
  • 2009.08
    武士道シリーズ3作目

  • 甲本早苗さんは、性格が優しく、成人したら、飲みに行きたいと思いました。
    福岡南の吉野先生は、磯山と甲本の対戦を実現させてくれて、よかった。
    女子剣士の性格が、色々でて面白かった‼️

  • 最終回は香織や早苗は勿論、田原や黒岩、そして緑子さん、吉野先生らの青春までもが生き生きと描かれていた。誰もいきなりには大人にならないんだと、葛藤や失敗に傷付きながらも成長していくさまに涙した。

  • シリーズ三段。
    正直、だんだんPOWERダウンしている感はするなぁ。
    本作では、サブキャラのイイ話をオムニバスに挟んでいるのだが共通テーマが見い出せない感じ。
    香織、早苗のクライマックスも呆気ない印象。

    でも、三作通しては大変面白い青春小説でした。
    武士道に惹かれます。

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著者プロフィール

誉田哲也
1969年東京都生まれ。2002年『妖の華』で第2回ムー伝奇ノベル大賞優秀賞受賞、03年『アクセス』で第4回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞。主なシリーズとして、『ジウⅠ・Ⅱ・Ⅲ』に始まり『国境事変』『ハング』『歌舞伎町セブン』『歌舞伎町ダムド』『ノワール 硝子の太陽』と続く〈ジウ〉サーガ、『ストロベリーナイト』から『ルージュ 硝子の太陽』まで続く〈姫川玲子〉シリーズ、『武士道シックスティーン』などの〈武士道〉シリーズ、『ドルチェ』など〈魚住久江〉シリーズ等があり、映像化作品も多い。

「2023年 『ジウX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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