夢ほりびと

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 90
感想 : 20
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163288307

作品紹介・あらすじ

ここは、誰かにいじめられて逃げこんできた人ばかり。世間から見放され、朽ち果てた屋敷に集まった心よわいアウトローたちの再生の物語。

感想・レビュー・書評

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  • リストラされた中年サラリーマン。家族に言い出せず鎌倉山中の廃屋にたどり着く。そこには様々な理由で住み着いた人たちとの共同生活が待っていた。

  • リストラされたことを家族に言い出せず、アテもなく家を出て辿り着いた廃屋寸前の洋館。
    そこには訳ありの男女が住み着いていた。

    世間から隔離された朽ち果てた屋敷で、同じように世間から見放された仲間たちと過ごす。
    ある意味居心地のよい世界に魅力を感じてしまう私もやはり病んでいるのかな。

    実力派の俳優達で映像化したらすごく味がある作品になりそう。

    【図書館・初読・6/16読了】

  • 訳あって廃墟の家に集まり生活する人達、穴を掘ると言う作業、逃げからの夢中になり掘る人、お宝が埋まってると聞き掘る人、掘らなきゃいけないと言う痴呆が入った人、土からエネルギーを貰ってると言う人
    私の逃げは寝るかツムツムするかだな

  • 日陰に生きる人にスポットを当てる....なるほど、それでなんとなくほっとするのか。破天荒な設定に第一章はついてけず..二章ですっと入ってきてあとはじわじわ効いてきた。割には最後はそうきましたかそうですかよかったね~って萎んじゃった。話は終わったんでよかったけど。

  • 廃墟で穴を掘り続ける人々。
    様々な理由をもつ人々。

  • 湘南の海を見下ろす鎌倉山にある
    廃墟のような屋敷で集団生活をする理由ありな人々。
    社会に嫌気がさして
    隠居部屋のような屋敷に逃げ込んできた人ばかりだった。

    主人公の佐伯もその一人。
    会社からリストラにあい、優しい妻にもかわいい一人息子にも
    その現実を告げることが出来ず、一人で悶々と悩んである日、
    ふらりと家を出て、屋敷にたどりついたのだった。

    彼らがする毎日のことといえば、
    お屋敷の屋上にある望遠鏡で自分の見たい景色を見ることと、
    なぜか庭に大きな穴をほることだった。
    お宝が埋められているという話を信じている人もいるが、
    自分の夢がかなうかもという思いだけで穴を掘る人もいた。

    佐伯も自分の捨てた家族の様子を望遠鏡で見ていた。
    現実世界へ戻る勇気のない自分に腹をtたてながら、
    せっせせっせと穴を掘り続けていた。
    そしてある日、
    生活のためにパートに出て妻にちょっかいを出す男の存在に気が付き、
    嫉妬と後悔に悩まされ、ついに一歩を踏みこんでみることに・・・。

    世間から逃げて来た人々には
    それなりの心の傷があるのだが、
    それは穴を掘ることで埋められるのだろうか。
    なんだか、
    満たされる思いを穴を掘る行動でごま化しているような気がする。

    佐伯にいたっては、
    一家の大黒柱がリストラされたからと、逃げ出すなど
    弱気になるのもいいかげんにしてほしいと思う。
    作者は挫折した人々の心の内を切実に書いていて
    それなりに気持ちも伝わってくる作品に仕上げていたが、
    それでもやはり、こんな人々には、
    「しっかりして!」と背中を押したくなってしまった!

  • 登場人物に魅力を感じない

  • リストラされて妻子のいる家から家出した主人公の中年男が行き着いたのは廃墟。そこには先住者たちがいて主人公もそこに住み付き、うじうじぐだぐだしたあげく、何とか復活する話。先住民たちもわけありで、彼らなりに活路を見出す。

  • 先の展開は分かりやすい。それがいいのか悪いのかは分からないけれど。全体的に平坦な物語。途中で取り立てがくる場面はヒヤッとするものなのかもしれないが、あまりヒヤッとさもなかった。でも最後は完全なるハッピーエンドにならずに終わったのがよかった。これでハッピーエンドになっていたら、現実味がなさすぎて全然おもしろくない。

  • 池永陽『夢ほりびと』読了。何かに傷付いた人、何かから逃げてきた人が集い、思い思いに穴を掘る。ただひたすら土を掘ることが、まるで弱い心を浄化するように。最後、もうちょっと読みたい、物足りない感も。

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著者プロフィール

1998 年「走るジイサン」で第11 回小説すばる新人賞受賞。2002 年「コンビニ・ララバイ」で注目を集める。06 年「雲を斬る」で第12 回中山義秀文学賞受賞。その他著書多数。

「2021年 『おっさんたちの黄昏商店街 それぞれの恋路』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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