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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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戦争はいつか、終わるんでしょうか
― 267ページ -
慢性的に聞かされる外地の情報なんて、なんの意味があっただろう。
― 257ページ -
「強いられてする人もいれば、自ら望んだ人もいて、それが不本意だったことすら、長い時間を経なければわからない。・・・」
― 318ページ
みんなの感想・レビュー・書評
意外なほど物語に入り込めて面白かった。奥様の浮気疑惑はちょっと型通りな気がしたけれどそれが結末への伏線になっていたのではずせなかったのかな。ただタキさんの晩年はもう少し幸せでもよかったと思うのですけど。
女中という生き方をした女性のstory。
自分よりも、仕えた女性主人の事を大切に思い、彼女の幸せを本当に願い生きていた。
そんな風に生きていた彼女は自分の幸せはどう考えていたのだろうか、と思ったりした。同年代の女主人と一緒に生きることに嫉妬心などは持つこともない、そんな時代だったのかもしれないと読みながらその当時に思いを巡らせてみた。
戦前のまだ華やかだった東京辺りの風情が楽しめた。
二人で食べたいものを言いあうシーンは良かったな~って思う。
昭和初期の日本を背景にした
お手伝いさんの回顧録
戦争描写もありますが
淡々とした感じで
こういう感覚の人もいたのかなあと新鮮
お手伝いさんと綺麗な奥様を中心に
当時の日本の様子が伺える
なごやかな小説かなあと思っていたのですが
最後まて読むと
あれ…?
○○小説だったのかしらんという感じ
小さい頃に読んだ懐かしい作品だ、という感じで手にとったのだが、読んでみると何か内容が違うなぁ……と感じた。
これはリメイク版なのだろうか。
戦争中のとある洋館の話という設定は同じなのかもしれないが、昔読んだのはあくまで「家中心」の話で、人が書かれた印象はないのだが、この作品では「洋館に務める家政婦」の視点の話になっている。
小さい頃に読んでいた懐かしい作品が、違う作品へと変えられたことが何となく悲しい。
ほっこりとした優しい話ではあるが、思い出を壊されたような気分になってしまった。
大戦前の昭和の時代、小学校を出て女中として都会の家に奉公に出たタキちゃんと、奉公先の奥様・時子さんとのストーリー。
東京の郊外の中流(中の上くらいなのかな?)の家でも、普通に住み込みの女中さんがいた時代。奥様だって、女中さんのお姉さんくらいに若い。そんな家族と暮らしたタキちゃんが、老年期になり自分の家事のノウハウを薦められて本にしたら、そこそこヒットした。そこで、今度は自分史をノートにつづり始める。
第二次大戦前から、戦中を通して仕えた時子さんとその家族との出来事。バートンの絵本「ちいさいおうち」になぞらえ、つづる赤い屋根のお家の史実。ラストは、生涯結婚しなかったタキちゃんの可愛がっていた甥の子どもが、タキちゃん亡きあと時子さんのお坊ちゃんを訪ねて終わる。
古き良き昭和の日本の、中流家庭のちょっとスキャンダラスな思い出、ふんわりとした読後感でした。
戦前の日本の生活を家政婦の目を通して楽しく新鮮な切り口で描いていて、豊かな気持ちにさせてくれる一冊になりました。
ようやく読みました。教科書で読む歴史と、実際その時に地に足を着けて生活している人の感覚とのギャップ、という視点が新鮮でおもしろかったです。
最終章がガラッと雰囲気が変わってびっくり。
最初は可愛いだけの話しかと思ったら、違った。人の心の機微、現代との違いもあるけれど不変なものもある。皆が幸せになって欲しいと願いながら読み進んだ。女性編集長とのやり取りが最初というのはツカミとしては失敗で、無くても良いかなと思われる。心が温まる切ない、良い作品だと思う。戦中に市井の人々の暮らしは真実よね、ちゃんと取材した内容でなかったら困るけど…
ずっと気になっていたので手にとってみた。
中島京子の作品は「イトウの恋」だけ読んだことあがあるんだけど、文章がすごく丁寧。
タイトルから想像していた内容とは違い、後半は太平洋戦争の頃の話が繰り広げられているんだけど、なんだかすごくリアルな気がした。
真実を知らないでいることって恐ろしい。
女中のタキさんの回想録の形で、昭和初期のご家庭のことや、
社会や戦争(事変や兵隊さんや戦闘)が語られる。
一般の人の目で見たそのときの社会の雰囲気が描かれていてよかったです。
小中先生のいう頭のいい女中の在り方。睦子さんの暗誦した男女相愛の第二の路、第三の路というくだり。
回想録だけれど、一番大事なところはやはり書けない。「わたしは未だに迷い、迷う。」
ノスタルジック、そしてメルヘンチック!
小さい赤い屋根の可愛い洋館に女中として奉公したタキさんを通して描かれる昭和初期のお話。
戦時中にもかかわらずそこに描かれる世界はまるでおとぎ話のよう。小さいおうちでは外部と隔たれられ楽しい日々が続いている。
ブリキのおもちゃや洋食レストランの記述はまさに昭和。
なんだか資生堂パーラーでカレーが食べたくなったな。タキさんを思いながら・・・。
あー、なんでもっと早く読まなかったんだろう。文句なしに☆5つ。
戦前に家政婦として勤めあげたタキさんの思い出話。
赤いかわいいおうちでおきた出来事は最初は面白くなかったけど、話が進むにつれて面白くなっていきます(^o^)v
戦争の事をこういう視点で書くのは新鮮だし、情景の描写などはとても素敵。
でも、ストーリーや登場人物にはあまり入り込めず。
傑作デス!
タキちゃんの孫から見た“教科書で習った歴史”と、
タキちゃんの“実際の思い出”との食い違いが、
なんだか胸に迫りました。
最終章の素晴らしさといったら‼
ぐいぐい読んでしまったー。
おいしいものがたくさん出てくるところもマル。
昭和初期に田舎から東京へ女中奉公(今でいう家政婦)に出た女性の手記の形をとった小説。 日記ではなく、晩年における回想文ということに意味がある。 途中までは、昭和初期の家庭のほのぼのとした様子や戦争が始まってからも続く一見普通な生活や混乱などを家政婦の目を通して見たものを読ませるものだと思って、今まで昭和初期や戦時中の生活を舞台にした作品というのは読んだことがなかったので新鮮で普通に面白く読... 続きを読む »
久しぶりに面白いなぁ~と思える小説でした♪
祖母から耳にタコが出来るほど聞かされた
戦前の東京の山の手での暮らしぶりの描写が面白く
ぐいぐい引き込まれ一気に読めました。
勿論、その時代に私は生きてはいないのだけど
読んでいてなんだか懐かしいような不思議な気持ちになりましたw
物質的に豊かだった戦前から
物も思想も統制された戦中へと時代はうつり
だけど人々の暮らしは悲惨なばかりではなく
人間のたくましさとか
可愛らしさとか。。。いろいろ感じられる作品でした。
そして現代。
ちょっとロマンチックで
ミステリアルで
大好きな1冊です。。。(@v@)うひぃ
昭和初期の女中さんの話、というと苦労と恨みと涙の物語を想像しがちだけど、
それを爽やかに裏切ってくれる。
平穏でささやかな毎日の積み重ねのなかにも少しずつ変化があって、
やがて自分達ではどうにもならないうねりのなかに飲み込まれていく。
最後のどんでん返し(ちょっとニュアンスが違うけど)もよかった。
戦時中の奉公先の思い出話を女中が丁寧に紡いでいく物語。…と思い、終盤まで、きっとこの家庭にも戦争の悲劇が降りかかるのだろうと思いつつも、戦時中ながらも穏やかな日常の挿話を楽しんでいたら、ふいに広がってきた秘めた恋愛話にどきどきしたり、やはりやがて日常を奪った戦争の無残さに苦しんだり、そういう思いを抱いて読みました。ら、最終章の視点転換によって覆される物語の違う側面があらわになります。その、深い深い秘めた心のうち。そうして物語の様相はがらりと変化します。すべてが。
その鮮やかな手際に、ひたすら感嘆しました。
素敵な物語でした。
小学校を出てから東京で女中をしていたタキさんの戦前から戦後までを書き綴ったノート。
戦争を目前に控えてもなお市中の人に当事者感がない様子から、徐々に軍国主義がしみわたってくる時代の流れ。幸せそうでいて、奇妙なバランスの雇い主一家。疎開先での苦労。
タキさんの賢さ、温かさ、ユーモアがたっぷりの文章。
途中何度も本を置き、自分の母や祖母の若いころの話(女中さんや乳母さんが家にいたそうです)を重ね合わせて思いにふけった。こういう読み方することはあまりないかな。
理由もなく敬遠していたけれど、読んでよかった1冊。
受賞してからずいぶん経ってしまっているけれども、
気にしていた作品。
いろいろなテーマ、描写、が複層的になっていて、
うまいなぁと思わされます。
激しいわけではないけれども、
戦争の息苦しさが
人の想いの 交差が、
じっくり味わえる。
あの時代を もう一度
どう編集して 表現するのか、
この作家さんの ひそやかなあつい想いが
込められている ように思える 良作でした。
題名と表紙と中身のギャップにびっくり。
最初はほのぼの進んでいくのかな・・・と思いきや、かなり心情を複雑に描いていて読み応えがある。
大変な時代と人間関係に引き込まれた。
赤い三角屋根の家で美しい奥様と過ごした女中奉公の日々。ノートに隠されたひそやかな恋愛事件。60年以上の時を超えて、語られなかった想いがよみがえる-。懐かしくて苦い記憶の物語。『別冊文芸春秋』連載を単行本化。

宮部みゆきの「蒲生邸事件」を彷彿とさせる昭和初期、良家のお手伝いで入ったタキさんの戦前、戦中を通しての回顧話という設定なのだが、いたるところに伏線が張り巡らされていて、実はミステリ仕立てになっている。...





