マルガリータ

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著者 : 村木嵐
  • 文藝春秋 (2010年6月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163295107

マルガリータの感想・レビュー・書評

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  • 戦国時代にキリシタン大名がローマに送った少年使節の日本に戻ってからの、時代に翻弄される姿を描いてある。
    四人のうちただ一人、棄教した、ミゲルの一生を、主人公、珠の視点から描いてある。

    戦国から徳川の世になるまで、キリスト教がどのように権力者に捉えられたかにより、翻弄されるキリシタンたち。
    政治的な思惑。純粋な信仰心。

    愛する人を一生おいかける珠のけなげさがもの悲しい。

    少年使節だけでなく、マリナ伊奈姫について初めて知った。戦国時代、武家の女性の地位は意外と高く政治的な力を持っていたとは知っていたけが・・・・。戦国時代のキリシタンの女性といえば、細川ガラシャが有名だけれど、たくましく強く生きた、こうした女性もいたのだということに考えさせられた。

    有名な浅井三姉妹なども好きだけれど、マリナ伊奈姫のことももっと知りたいと思った。

    この本を読んでよかった。

  • 天正遣欧少年使節の一員として13歳の時にローマへと渡り、修道士となった千々石みげる。
    天主を信じながらも故あって棄教し、切支丹弾圧の嵐が吹き荒れる日本で壮絶な人生を送った男の姿を、みげると、みげるを見守り続けた珠のふたりの視点で描いた一冊だ。
    最近、切支丹弾圧やこの時代について描かれた小説をいくつか読んでいることもあってか強く気持ちが引き込まれ、みげるの生き様、それを理解できないままに彼の傍に居続けた珠の気持ちを思うと涙が出た。
    同じ著者の「遠い勝鬨」、遠藤周作の「沈黙」など、この時代の布教、弾圧についてはさまざまな視点があり、考え方があるのだと思う。
    南蛮人が邪であることも聖人であることもどちらも真実だったのだろうし、殉教についてだって怯え逃げ回り他者を裏切る者もいれば陶酔して身を投じた者もいたのかもしれない。日本の殉教が西洋の信心のためにあるという考え方も頷かされるし、けれどそれだけでは命を賭してこの時代に日本にやってきた宣教師たちの行動は説明できない。
    どれが正解かはわからないし、当時を生きていた人たちもわからなかったのだろうなと思う。
    この物語自体、多分にフィクションであるし、実際の歴史はどうであったかもわからないけれど、「殉教させないための信仰」というものは胸をうつ。

  • 村木嵐さんの歴史小説『マルガリータ』を読了。豊臣の時代から江戸時代にかけて基督教が禁教された時期の直前にスペンにまで学びに行った日本人4名。宣教師になり、日本人初の司祭を目指し切磋琢磨をしてついに帰国。だが待っていたのは想像以上に過酷な禁教の世での宣教師としての生活だった。その四人のなかで、ただ一人遺教したと言われミゲルという名を捨て清左衛門として行きながらも、心の中の主を信じつつ、仲間の3人を支え続けたと言われている主人公の半生を描いた素晴らしい小説だ。ここまで人の犠牲になって生きる事の出来た人は数少ないだろう。殉教を説いた外国人宣教師、殉教に疑問を持った日本人宣教師。同じ宗教に帰依しても大きく違う教えが存在しうる。宗教って不思議すぎる。

  • 2014.07.27

    大名たちが南蛮貿易のためにキリスト教徒になったり、都合が悪くなるとあっさり棄教するのはわかる。(全員というわけではないけど)

    でも一般庶民たちが命を捨てるほど、キリスト教を信じたのはどうしてだろう?

    もしあの頃、禁教令や鎖国などが無かったら、
    今の日本はどうなっていたんだろう?

    いろいろなことを考えさせられだけれど、
    小説としては、ミゲルやジュリアンに感情移入することができなかった。
    ミゲルの妻の珠の視点で書かれているので仕方ないかもしれないけれど、彼ら自身がキリスト教をどのように信じているのかというようなことが
    あまり良くわからなかった。
    それ以上に最愛の夫から大事なことを何も話してもらえない珠がかわいそうだった。

  • 天正少年使節のメンバーのうちひとり棄教した千々石ミゲルとその妻球の物語。

  • ミゲルの妻・珠を主人公にした(?)小説。

    そのため、妻の心情がメインになっている気がします。なんだかうっすら恋愛小説のような印象を受けました。

    ★良かったところ
    だいたいの歴史の流れをたどってくれるので、使節帰国後の日本の様子が想像できます。
    使節たちがミサの言葉を使っていました。日常で使う(使っていた)のかはわかりませんが。
    使節の4人の仲が良いです。ほほえましいです。

    ★物足りなかったところ
    ミゲルの棄教を描くのであれば、信仰についての描写がもっと欲しかったです(でも作者の意図とは違うのかも)。
    ミゲルの心情についてあまり描かれていないせいか、何をもって棄教としているのかが読み取れませんでした。
    他にも、信者でないと思っていた妻が棄教したと書いてあったり、読んでて「あれ??」と思う点がありました。
    誤植もあって残念。

    …と、最初に読んだ印象はこんな感じです。私の読み取り不足もあるかと思います。

    あとで考えてみた結果、
    他の3人の人生は、ミゲルの支えの上に成り立っていたものだ、ということが描かれていたのだと思いました。
    ああ、そういうこともあるかもなあと思いました。

    時代小説としては面白いです。

  • 天正遣欧少年使節を題材とした小説。日本史好きには心地よい。やっぱ史実をもとにしたフィクションは読んでて楽しいですね。

    何かを成し遂げるまで、が題材ではなく、少年の時分に大きなことを成し遂げてしまった4人の人生が描かれているため、物語終盤にむけての盛り上がりは欠ける点は致し方なし。

  • 千々石ミゲルが底なしに良い人に思えた。しかしその中でもところどころに人間味があったのが妙にリアルだと感じた。ミゲルというと、一人だけキリスト教を捨てたということであまり良いイメージは無かったが、この物語では形は捨てても心の中ではキリシタンだったという設定なので悪いイメージは全くなく、ただ本当にいい人。
    自分は物語中盤まで知らず知らずのうちにミゲルに感情移入していたので、ミゲル以外の少年使節が再び行ってしまう場面は込み上げるものがあった。
    そしてなにより、四人の友情が素晴らしい。一人で四人、四人で一人という言葉が今も頭に残っている。
    最後の方のミゲルが私はキリシタンだというシーンからラストにかけてはボロボロと泣いてしまった。
    この本を読んで良かったと思う

  • 安土桃山時代、天正少年使節でありながら、
    帰国後キリスト教を捨てた千々石ミゲルが主人公。(実在)

    あの時代の九州で
    キリスト教が爆発的に広がったのはなぜ?
    激しい禁教の波に、棄教より死を選ぶのはなぜ?

    本によると、当時の切支丹はものすごい人数だったらしい。
    当時の日本、日本人の特性がぴったり符合したのか。
    でもそれは何の力・・・?

    興味がわいた。面白かった。

    松本清張賞受賞作。

  • 話の内容は私にはとても重かったです。でも友情だけに焦点を置くと、とても良い話でした。何より女子である私は、やはり、この話の語り手ともなっている「珠」の目線で見てしまい、とっても気に病んでしまいました。あと1つとても読みづらかったです。

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マルガリータの作品紹介

戦国末、ローマに派遣された天正遣欧少年使節。八年後に帰国した彼らを待っていたのは「禁教」だった。四人の内、ある者は道半ばで倒れ、国外に追放され、拷問の中で殉教する。だが、千々石ミゲルだけは信仰を捨てた。切支丹の憎悪を一身に受けながら、彼は何のために生きようとしたのか?ミゲルの苦悩の生涯を、妻「珠」の目から描く傑作。

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