三国志 第九巻

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163295503

作品紹介・あらすじ

「出師の表」を書き、魏を討伐するための軍を発した孔明。しかし魏軍の反撃と馬謖の拙策で軍は惨敗、孔明は敗因をつくった馬謖に処断を下す-。

感想・レビュー・書評

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  • 「出師の表」を書き、魏を討伐するための軍を発した孔明。
    しかし魏軍の反撃と馬謖の拙策で軍は惨敗、孔明は敗因をつくった馬謖に処断を下す―。
    <amazon商品詳細より>

    三国志の英雄たちがすでに孫権以外は死んでしまった時期の三国の覇権争い。
    魏は曹操の孫の曹叡の時代。
    蜀は劉備が死んで諸葛孔明の時代。
    呉には孫権がいるが、なかなかうまくいっていない時代。
    どこの国も人材で悩んでいる時代でもある。

    本書は北伐中心の展開である。

    出師した蜀の諸葛亮に、魏の司馬懿が立ちはだかる。
    これまで登場人物に対する著者の厳しい評価が下っていたが、ついに諸葛孔明に向けられた。
    「諸葛亮の旗鼓の才は、袁紹程度」
    「諸葛亮は己の失敗を馬謖になすりつけた~」。
    演義でかなり神格化された諸葛亮の真の姿が見えてくるようである。
    そこにいるのは「人間:諸葛亮」である。

  • 諸葛亮は意外に軍事は下手を漕いでいるのが驚き

  • 諸葛亮のダメダメぶり
    司馬懿の政治に偏った戦略
    孫権の老害
    演義ではない三国志

  • 時代は曹丕から曹叡へ、22歳の皇帝が名君の可能性を秘め、45歳を迎えた孫権との比較で魏の近臣は希望に包まれた!!曹叡が諫言を受容する姿も美しい。曹植が曹丕後の時代にも健在だったとは繊細なイメージが壊れたように感じた。一方、蜀の諸葛孔明が政治家としては優れていたが、軍師としての能力のなさを再三繰り返す。ここでも撤退路の趙雲の見事さ、そして撤退への褒美の下賜を断る姿も美しい。馬謖は格が違うとのこと。「泣いて馬謖を斬る」美談も孔明の責任転換の書き方になると、事実に近いかもしれないが、寂しさを覚える。

  • 11巻で終わりと思ってたのに。。。
    単行本もまだ全て発行されてなかったようだ(T_T)
    12巻はいつ出るのだろう。

    だんだんと読むだけになってきた。
    三国志は長すぎて飽きてくる。偶に面白い部分もあるけど(^_^;)

  • 8巻を読んでから大分間が空いたので、どの辺りから話が始まるのか暫く思い出せず…。
    今までにない視点で曹操や劉備という主要人物が亡くなった後の物語が失速せずに読めるのが凄いです。

  • 全盛期の英雄や官吏たちが次々と亡くなりゆく。その中で光るのは曹叡だが、彼にはっきりと焦点を当てたものは少なかったのでは? 更には遼東国も動き出す。そのあたりの国同士の駆け引きの描写が巧い!

  • サブタイトルはないが,広告では「孔明,馬謖を斬る」とあった~諸葛亮孔明は出師の表を著して魏討伐に向かい,街亭で大敗を喫するが,先陣に馬謖に任せた孔明に責任はある。更に,孔明は文の人間で実戦の経験が皆無であったことが,大きな過失であった。拙い戦略を展開するなかで,魏では曹丕は死に,その子の曹叡が即位するが,意外なことに名君であった。孔明と同様の理論家であった魏の司馬懿は負ける訳にはいかず,雨によって救われ,勝って凱旋が叶う。呉の孫権は遼東王を麾下に入れ,東方からも魏を攻める戦略を建てるが,公孫淵は呉の下の王であるよりも,魏の下の公を選ぶ~相変わらず愛想のない装丁で,三国志のどこらへんなのか,本を見ても判らない。この本のいけない所は,過去の三国志本を悉く否定してかかる部分で,自分の説こそ精確だと穏やかに主張している点と,登場してくる人物の出自・過去の発言・官職経歴を逐一詳説している点で,物語としての繋がりが悪くて,眠くなっちゃう。ああ,困るね。呉と遼東半島の関係だけは面白く読めた。多分,想像力が勝っている・ノリノリの部分だ

  • 皆さんも書かれている通り、今までの三国志とは作者の人物の評価が全く異なる。とても等身大の人間として描かれていて今までスーパーヒーローであった孔明、仲達が普通の人のように悩み、決断していたことがよくわかるように描かれている。

  • 個人的に思ったことは司馬懿にとっての張郃の存在って諸葛亮における魏延の存在と同じなのではないだろうかということ。
    あと諸葛亮の旗鼓の才を袁紹程度と切って捨てたりするあたりがなかなか興味深い。

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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