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この作品からのみんなの引用
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やつの心を領したものは、生くることそのものに対する懐疑であった。生きよと命ぜられたところで、生くる意味がわからねば仕方あるまい。やつの横顔には、その懐疑がありありと顕れていた。親の情を知る者ならば、あるいは惚れたおなごでもおるのならば、生くる意味は見出せよう。何か道楽のひとつもあるか、金だの色だの誉だのという欲のかけらでもあれば、それだけでも生くることに懐疑などしようものか。
― 368ページ -
早い話、世の中が大まかであった。大まかというのは、大らかの異名じゃ。文明開化は人間を小さくしてしまったの。はてさて、このように次から次へと文明の機械が世に現れれば、百年の後にはいったいだれほどの人間が小さくなってしまうのか、少なくともそれは進歩ではあるまい。
― 70ページ -
世の中には、おのれの目で見えぬただひとりの人間がいる。どれほど勘がよかろうと視力がすぐれていようと、これだけはけっして見えぬ。ほかならぬおのれ自身じゃな。(中略)わしはついぞそのときまで知らなかった。
隊内のはぐれ者であり、偏屈で臍曲がりで人を斬るほかには何の取柄もないはずのこのわしを、正義と信じ絶対としていた者が多くあったのだ。
― 121ページ
みんなの感想・レビュー・書評
気になって仕方なかった本!
物語と同様、7日間かけて毎晩読みました。
浅田次郎さんの、斎藤一が私は好きです!
今までの新撰組ものの中でも出色のできです。
ドキドキワクワクと梶原の技値になって読みました。
斎藤一って、こんなに雄弁だとは思わないけれど、と~ってもカッコよく描かれています・・。しっかし、やっぱオダギリ・ジョーのイメージが強いなwww。実写板では、斎藤一は江口洋介がやるらしい・・。どんなんかな・・。
何かをきっかけに散るのではなく、生きることを選んだ斎藤一・・・。さて、真実は☆
読むと剣道が強くなる本です。
と、変なことを書いて終わり。
新撰組、斎藤ファンは読まれてはいかがでしょうか?
新撰組の崩壊、鳥羽伏見から会津での戦…そして西南戦争へ。斎藤一は梶原中尉へ訥々と語り続ける。鬼となった男が伝えようとしたものとは。西南戦争の真実をこのようにとらえるとは…。そして市村鉄之助との最後の邂逅と別れ。涙出さずにいられません。「生きよ」という言葉に殺された鬼は人となり生かされる。深く重い。でも重苦しくはない。それぞれの生き様や死に様に安易な言葉をかけることもできずただ感じ入ります。
ほとんどが「語り」の形で書かれていて、本当に話を聞いているような臨場感がある。面白い。強いて言えば、それまでにも気持ちが盛り上がり過ぎていて、クライマックスでの盛り上がりがちょっと物足りない。かも。
2012/1/16
コイバナ…?と書くと怒られそうだけど(一さんに)。「月の光が似合う人」だの、「さみしそうな横顔」だのって…。お天道様より月が好きって、局長とあの方のことですか?…はじめさぁん!
クメが出てきた辺りから嫌な予感はしてたけど、やっぱりそうきたかって感じ。この後太平洋戦争を経て梶がどうなっていくのかが気になって仕方ない。というかそこまで書いてあるのかと思ってわくわくしながら読んでたのであっけなく終ってしょんぼりした。
あまり得意でない幕末、維新へ話がきたちめ、進みも遅かったけど、なんとか読みおわりました。ほかの浅田新撰組より読むの時間きったし、あまり泣けなかったのはやっぱ明治時代にひかれるものごないから?
上巻最後のから吉村貫一郎がでてくるのはけっこうサプライズでした
上刊のほうがおもしろかったかな。
予約をしたのも忘れたころに手元にきました。
上刊のメインが坂本竜馬
下刊のメインは西郷どん
味方が敵になり、また逆もあり。
正規の側のはずが、賊軍になり
千葉で、敵方に救われるシーン
西南戦争の解釈
武士だけが争いをしていたころ、農民を兵士にしてからの戦禍の違いを思うシーン
そんな箇所が印象に残りました。
最後は、無理に終わらせたように思えてしまった。
何度でも読もう。壬生義士伝を何度でも読み返したように。
浅田次郎が死ぬ前に、これを書いてくれてよかった。嬉しい。
斉藤一のお話。「るろうに剣心」も斉藤一の話だったよね?長生きすると色んな話が作れるなぁ~、と感心。
浅田次郎の新撰組もの。明治天皇崩御後、大喪の礼があけた8日間の近衛師団の休暇期間中に全国武道大会で2位となった梶原中尉に毎夜語られる新選組三番隊長斎藤一の昔語り。天切り松闇語りにも共通するエピソードを連ねる方法で語り明かされる幕末、御一新を駆け抜けしかも死ねなかった真の武士の生き様。
初めて作品を読んだころより数倍涙もろくなっているのに、この頃浅田次郎で泣けない。今回も。
こんなにも人生を翻弄され、敵だ味方だの立場が変わる時代に自分の身を置き生きていくことの壮絶さ。
一刀斎こと新選組三番隊長・斎藤一の語りと人生観の渋さが味わい深い作品でした。 浅田氏の新選組作品はこれが初めてでしたが、すんなり読めました。 大正の代の若き軍人・梶原稔に晩年の斎藤一が毎夜昔語りを聞かせるという形式の物語。 一刀斎が梶原に語るのは、主に鳥羽・伏見の戦いからの滅び行く新選組の姿と、維新後の西南戦争の様子、そして少年隊士・市村鉄之助との哀しい絆の物語です。 そもそも私は... 続きを読む »
新撰組は負け続け、江戸から甲州、また江戸へもどり会津へ。 関西弁の久米部正親、そして京で吉村貫一郎に拾われた兄弟の弟、市村鉄之助を一刀斎は、救えないばかものと断じる。しかしそれは単なる侮蔑ではない。 さらに、梶原中尉の乃木大将殉死についての問いに「殉死ならくどくど遺書など残すな、後始末をすべき妻を道連れにしたのは何事だ」と言う。これはなるほどと思う。 偽名を使えば助かるところ... 続きを読む »
ツンデレ斎藤さん。いや、嘘。デレはない。鬼神のごとき斎藤さん。行動も口から出る言葉も酷いものばかりなのに、斎藤さんの目を通して語られる隊士の姿はみな魅力的で、なんだかんだいってもそれは斎藤さんの眼差しがあたたかいからに他ならないんじゃないかと。市村鉄之助へのあの言葉は反則です泣いてしまいます。

新選組3部作の最後;斎藤一が主人公;





