- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163298504
作品紹介・あらすじ
悪鬼の所業と言わば言え。土方の遺影を託された少年隊士と斎藤。二人の縁は慟哭の結末へ。浅田版新選組の真骨頂。
感想・レビュー・書評
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上巻の勢いだと5つ星間違いないと思ってたんだけど、下巻でちょっとだけ失速・・・。何でだろう、やっぱり「新選組」が好きなのかな。上巻の京都時代のエピソードが本当に面白くてどうしようもなかったのに、新選組がバラバラになってしまった甲府以降の話にはいまひとつ気分が乗り切らなかったな。
ラストについても「あぁ、そう来るかぁ」と思ったけど、ちょっと消化不良な感じ。
それにしても発想の斬新さ、一刀斎こと斎藤一のかっこよさ、新選組の切なさ、やっぱり浅田次郎の新選組は面白い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
斎藤一は、自分で言うほど糞ではない気がしました。歴史や時代が人間をこのようにしてしまったのではないでしょうか?個人的には、言ってることにとても共感できました。
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一刀斎とはよく言ったものだ、僕は伊藤一刀斎景久をすぐに思い浮かべたのだが、やはり全く違うものだった。もともと浅田次郎先生が伊藤一刀斎を題材にして書くなんて思っていなかったので、これは何?と手にとってみた
一刀斎夢録(上) 浅田次郎
一刀斎夢録(下) 浅田次郎
斎刀一…逆に読むとこうも読める。一文字置き換えると斎藤一。漫画などでもお馴染みの新選組三番隊長の斎藤一のことである。
浅田先生の時代小説に「輪違屋糸里」と映画化された「壬生義士伝」がある。そんな関係から伊藤一刀斎は考えなかったがまさか逆さに読むとね2011年に創刊されて僕はボロボロになるまで読み上げた折り目を入れたページは10ページ以上で多くのことを学んだ。本来、僕の中で書こうと思っていた作品に近いもの…というよりもエンディングが近いんですよね。かなりがっかりしたのですが、これはこれでかなり勉強になった。
夢録とあるが、どちらかといえば酒語りの中での回想録に感じる。斎藤一が藤田五郎として西南の役の際に抜刀隊に入り、九州に渡った。ここでの浅田先生の斎藤の心情として山口次郎でもなく藤田五郎でもなく、新選組三番隊隊長の斎藤一に戻ったのだとあるが、僕もそんなふうに前々から捉えていた。
市村鉄之助は死に場所を求めていたんだと思う。新選組の旧隊士たちは心の片隅にいつでも死に場所を探していたんじゃないかと思う。
「千年の武士の世は、生き残ったものの方には重すぎる」
女性がこの作品に共感を得るかと言ったら微妙であるが、エンディングは斎藤の話から離れ、梶原と榊という天才剣士二人の天覧試合になるのだが、何とも言いようがない終わりがまたいい。男に生まれてきて…と実感させられるような作品である。
浅田先生の新選組の個人をテーマにした作品は群を抜いているような気がします。 -
苦手と言いつつ、全部読みました(笑)
細かいところまで色々と書かれていて、とても興味深い内容でした。
例えば、隊員は一日米を6合食べていたとか…(笑) -
今までの新撰組ものの中でも出色のできです。
ドキドキワクワクと梶原の技値になって読みました。 -
新撰組の崩壊、鳥羽伏見から会津での戦…そして西南戦争へ。斎藤一は梶原中尉へ訥々と語り続ける。鬼となった男が伝えようとしたものとは。西南戦争の真実をこのようにとらえるとは…。そして市村鉄之助との最後の邂逅と別れ。涙出さずにいられません。「生きよ」という言葉に殺された鬼は人となり生かされる。深く重い。でも重苦しくはない。それぞれの生き様や死に様に安易な言葉をかけることもできずただ感じ入ります。
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コイバナ…?と書くと怒られそうだけど(一さんに)。「月の光が似合う人」だの、「さみしそうな横顔」だのって…。お天道様より月が好きって、局長とあの方のことですか?…はじめさぁん!
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壬生義士伝、輪違屋糸里に続く新撰組作品3作目。新撰組三番隊長斎藤一。彼がどのように江戸末期~明治、大正を生きてきたか。回想形式で綴られる。上記作品ファンに嬉しい描写多々あり。読み終えた後の何とも言えない余韻。凄い。
壬生義士伝と輪違屋糸里をもう一度読み返したくなりました。読み返して、もう一度号泣したい。 -
浅田さん、今度は戦国剣豪物かよとタイトルを勘違いして読み始めた。逆読みで斎藤一、視点を変えた良質の新撰組解説書です。もちろん登場人物等、創作が多いですけど(笑)
勝てば官軍、権力側の歴史歪曲は承知していながら風潮と教育で刷り込みされる。壬生義士伝とは違った角度で維新前後が描かれている。最初上下巻は長いなと思ったけど、引き込まれた。さすが浅田次郎、ギャンブルの元手目当てだけで小説は書いてない(笑)