波の絵・波の話

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (95ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163388106

感想・レビュー・書評

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  • 稲越功一の「絵」と村上春樹の「文」。この「絵本」を読むのに最高のシチュエーションは、やはりよく晴れた夏の日だろう。時間は平日の午前10時頃か。浜辺で小型のトランジスタラジオから流れるFM放送を聴きながらビールを飲みつつ読むのが最高だろう。残念ながら、今は冬だし今日は冷たい雨が降っている。夏になったら再読しよう。

  • 「世界は村上春樹をどう読んだか」つながりで。この本の中の一編を翻訳している方がいて、むむむ、この話、読んだことないぞ、と思い、探して借り出してきたもの。1984年刊。羊をめぐる冒険のあと、世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランドのちょっと前の時期。分量的には、波をメインとした稲越功一写真に、キャプションとしては気持ち多めくらいの割合で、少年時代に受けた生のジャズ演奏の洗礼、地下鉄で妄想したフルコース、1980年のスーパーマーケット的人生、ハワイのビーチでの随想、などなどが軽妙に描かれていた。ビーチボーイズ「キャロライン・ノー」の訳詩、レイモンド・カーヴァーの短編、両腕が義手の男に、あんたの家の写真を買ってくれと押し売られたが、対話を重ねるうちに、それを買った上に、家と自分の写真を撮ってくれと依頼する話し、いい味わいだったなあ。そんなことしたって、誰もかえってきやしないよ、と言われても撮ってもらわずにいられない思い。

  • 写真はこの上なく情緒的で素晴らしい。
    文章については、楽曲の詞はイマイチ、エッセイは普通、最後のカーヴァーの作品は最高。
    村上春樹初期の作品。

  • 波の写真、街の夜景、いろんな写真のなかにLyricsと村上春樹の小咄を挟んだ本。

    ジャズの話。スーパーマーケット的日常、丸ノ内線レストランガイド。
    エッセイというより短編を読んでいるみたい。

    80年代がスーパーマーケット的ならば、
    わたしは今こうしてインターネット的な日常の中で、インターネット的に読書をしてコメントを残す。
    そして朝食をとって、やはりインターネット的な1日がスタートする。
    こんなところだろうか?

    「僕がフェニックスにつくころ」「MoonLIGHT DRIVE」ステキな詩だ☆

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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