他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス

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著者 : 若泉敬
  • 文藝春秋 (1994年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (630ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163486505

他策ナカリシヲ信ゼムト欲スの感想・レビュー・書評

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  • 『本土の人間は知らないが、沖縄の人はみんな知っていること―沖縄・米軍基地観光ガイド 』で推薦されていた本である。630ページとだいぶ厚いが回想録というよりは、記録であるので、沖縄返還における政治的なやり取りがわかる。政治家を志す学生や国際政治を研究しようとする学生は一度は読んで見るといいであろう。核の密約についてはぼかして書いてあるので、これを求める人にとっては物足りないであろう。また、繊維条約の取引の違反のその後は省略されているなど、かなり特定されないようにも配慮している。

  • 「宣誓
    永い遅疑逡巡の末、
    心重い筆を執り遅遅として綴った一編の物語を、
    いまここに公にせんとする。
    歴史の一齣への私の証言をなさんがためである。
    この決意を固めるに当たって、
    供述に先立ち、
    畏怖と自責の念に苛まれつつ私は、
    自ら進んで天下の法廷の証人台に立ち、
    勇を鼓し心を定めて宣誓をしておきたい。

    私自身の行った言動について
    私は、
    良心に従って
    真実を述べる。
    私は、
    私自身の言動と
    そこで知り得た事実について
    何事も隠さず
    付け加えず
    偽りを述べない。

    右、宣誓し、茲に署名捺印する。

    一九九三年(平成五年)五月十五日」

    という宣誓文から始まる日米沖縄返還交渉の裏側を描いた著作。

    沖縄問題の沿革、公式外交ルートでの交渉、同時に進む「知っているのは四人だけ」という極秘チャネルでの返還交渉…二段組み600ページに及ぶ大作ながら長いと感じなかった。

    タイトルにもあるように「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」というのに嘘はない。「核抜き、本土並み、72年返還」という目的を達成するために支払わなければならなかった「核問題に関する秘密合意議事録」と「繊維問題の解決」に対する著者の苦悩と葛藤が伝わる。

    また、この著作では政治問題(沖縄返還)と経済問題(繊維問題)が(事実上)リンクしており、後の日米問題の基本パターンが見られる。

    佐藤首相は結局、繊維問題でのニクソンとの約束を反故にし、「報復(ニクソン・ショック)」を受けることになる。私は日本人だけど、この「報復」は理解できる。佐藤首相も繊維問題では国内に困難を抱えていたのはわかるが、ニクソンだって沖縄返還で国内に困難を抱えていたのは同じだったと思う。
    それを結局、とるものとって見返りなし、では「報復」を受けても仕方がないように思える。

  • 沖縄返還交渉の詳細な記述あり

  • 大泉信泉氏−早稲田大総長/私財援助

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他策ナカリシヲ信ゼムト欲スの作品紹介

両国外務当局者をすべてはずし、ホワイトハウス大統領執務室に隣接する小部屋で、極秘裏に交わされた沖縄返還・日米首脳交渉「秘密合意議事録」とは何か。戦後史の空白部分の核心を衝く稀有の証言。

他策ナカリシヲ信ゼムト欲スの単行本

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