山際淳司スポーツ・ノンフィクション傑作集成

著者 :
  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (796ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163507200

作品紹介・あらすじ

江夏の21球。たった一人のオリンピック・スローカーブを、もう一球・逃げろ、ボクサー・そして今夜もエースが笑う・野球の「故郷」を旅する・ルーキー・ニューヨークは笑わない・ビッグレース・正方形の荒野・雪煙の彼方に何があるか…など、夭逝した著者の代表的スポーツ・ノンフィクション、エッセイ八十篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 「江夏の21球」収録。「スローカーブをもう一度」に収録されている「江夏ー」のバージョンと全然違う!!こっちのほうが生々しい! 多分、こっちが初出?
    「スローカーブ」の方はルール説明がされていてよりわかりやすくなっているけれど、臨場感と緊迫感はこの版に軍配が上がる。金帯献上!!

  • 今は「スポーツライター」と名乗られるライターさんも増え、優れたスポーツライティングもたくさんありますが、私にとってスポーツノンフィクションの面白さ満載の本といえばこれです。

    名作「江夏の21球」「そして今夜もエースが笑う」など、もうどこから読んでも楽しめます。文句なく☆5つの作品です。個人的に気に入っているのは登山をテーマにした短編です。「8848メートルのラッシュアワー」「雪煙の向こうに何があるか」「ザイルのトップは譲れない」など、控えめでありながら劇的なタイトル。「霧が晴れたら後ろにいるはずの○○がいなかった」といった、淡々としながら一般人には衝撃的な描写に戦慄します。野球やボクシングといったスポーツの激しさとはまったく異質の命のやりとりを描いた短編が、冷ややかな緊張感をはらんで好きです。

    あと、山際さんの好みが出ているのが日本人のマラソンランナーに対する短編です。山際さんはどうも日本人ランナーの「△△kmから集団を抜け出しトップに」という戦法がお好きでないようで、アフリカ出身ランナーの最初から「ばひーん」と飛ばしていく戦法のどこがよくないのか、ということを書いておられるのが思わずくすくす笑ってしまいました。現在、駅伝で「留学生ランナーには1区を走らせない」などの論議がありますが、山際さんならどうおっしゃるだろう、と考えてしまいました。

  • スポーツライターの巨匠(?)山際淳司が自ら選んだという、いわばベスト盤。◆登場するほとんどが自分は見たことも聞いたこともないスポーツ選手ばかりである。が、それでも読みながら感情移入してしまう。素直にスポーツっていいなぁと思える一冊。◆ただし淡泊な文体ながら、高カロリーな山際氏の文章をこれだけの数まとめて一気に読もうとすると、デザート一気食い的胸焼けを起こす可能性あり。

  • 江夏の21球をはじめとした著者のスポーツノンフィクションの傑作集。スポーツノンフィクションのはしりだけに、興味のある人はぜひ

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著者プロフィール

作家。1948年神奈川県生まれ。中央大学法学部卒業後、ライターとして活動。80年「Sports Graphic Number」(文藝春秋)創刊号に掲載された短編ノンフィクション「江夏の21球」で注目を集める。81年同作が収録された『スローカーブを、もう一球』(角川書店)で第8回日本ノンフィクション賞を受賞。NHKのスポーツキャスターとしても活躍。95年5月29日没。著書多数。傑作選に『江夏の21球』『衣笠祥男 最後のシーズン』(いずれも角川新書)。

「2020年 『たった一人のオリンピック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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