ソ連が満洲に侵攻した夏

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著者 : 半藤一利
  • 文藝春秋 (1999年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163555102

ソ連が満洲に侵攻した夏の感想・レビュー・書評

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  • フォトリーディングののち、高速を交えて熟読。
    「エルムの鐘」と同じテーマのため、読後感が非常に重い。資料的には星五つ。でも感動したり、生きる気力を与えてくれないので星四つ。

    満州国内での終戦前後のごたごたをまとめたノンフィクション。関東軍についてや開拓民について知りたかったので購入。

    いくつか特に興味をそそられた点を挙げてみる。
    関東軍は日ソ不可侵条約を頼みに、終戦間際には部隊の主力を殆ど南方へ移転させていた。しかしながら「根こそぎ動員」によって、現地の男子を徴収し、人数的には補充完了していた。
    骨抜きになっていることをソ連軍に知られては戦略上まずいので、敵を騙す目的で開拓民にさえ骨抜きの事実がばれないようにしていた。その結果開拓民はソ連軍の侵攻に際して、関東軍が来るまで粘ろうと、無意味な努力をし、悲劇が拡大した。
    関東軍首脳部はソ軍侵攻に対して徹底した退却をし、開拓民保護をしなかった。しかし命令が行き届かなかった部隊は徹底抗戦をし、一部でソ軍を悩ませもした。
    開拓民は現地に骨をうずめるつもりでやって来た人々なので、大陸浪人の様な有象無象も居たには居たが、本気で満州国発展に寄与していた人々。よく言われがちな「帝国主義の簒奪者」であるという指摘はあたわない。

    重い内容であったが、忘れてはならない歴史を取り扱った良書。星四つ。

  • ソ連が参戦するまでの日本・ソ連・米国の動き、その中で日本がいかに仮想敵国であったはずのソ連に対して和平仲介をお願いするという幻想を抱いていたか、ソ連が北海道の北部を占領しようとして、米国のトルーマンが拒否した話、千島・満州での日本の悲惨な状況がなぜ起こったか、そして 8/15以降、和平調印までの戦闘継続と中止までの法的な意味と動きなど、目を開かれるおもしろい内容です。そして、日本の失敗の原因、戦争の本当の意味(国のエゴでしかない)について考えさせられます

  • ソ連の満州侵攻の舞台裏と悲劇。
    建前の論理が破綻すると、実態も含めてすべてが崩壊する。

  • ソ連の国際法上の根拠を無視した日本への参戦もさることながら、参謀本部は南方作戦と本土決戦のため関東軍を捨て、関東軍はそれならばと居留民と開拓団を見捨てたことは、言葉では言い尽くせないほどの愚劣な、無責任な、人間にあるまじき所業である。王道楽土を夢見て満州に渡った開拓団の人々は、自然の厳しさの前に国の甘言に騙されたことに気づき、夢破れた。 そして終戦間際にはソ連の侵攻により略奪、蹂躙、強姦され、そして集団自決という結果をも招来した。ほんとうに無念であったであろう。 日本人として、この事実は知るべきだ。

  • 11/02/06 怒りなしには読めない一書である。

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