- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163591803
作品紹介・あらすじ
沖縄、台湾、二つの島で揺れる思い。「沖縄人」として生きたある家族の物語。
感想・レビュー・書評
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沖縄、日本、台湾。
現代の日本に暮らしていると、国の存在は当然のような感覚に陥るのだけど、決してそんなことはない。
国ってなにかなぁと思う。
文化ってなにかなぁと思う。
○○人であるとは、どういうことだろう。
どんな時代であっても、人は移動し、交流を続ける。
定まらないアイデンティティが、却って希望をもたらすこともあるのかもしれないと、思った。
いや、国や国籍なんていうのは、アイデンティティの本質じゃないという方が正確か。
悲しい過去を今も引きずる東アジアだけども
この、しなやかでダイナミックな渦の中に、自分が身を置いていることについては、誇りというか幸運というか、そんな感覚も持っている。
どこにだって行ける。どこにでも行ける自分でありたいと、思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
雑誌連載で目にして気になっていた本。激動の1900年代、沖縄の一家族の生き方を丁寧にルポしている。沖縄と台湾と日本、それぞれの近さと遠さ(位置・精神)が面白い。
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若くして亡くなった、母親のルーツをたどる旅。沖縄から東京ロシアに数年滞在して、後に台湾に渡った祖父の足跡をたどりながら沖縄の近代をも紹介している。東京で生まれた筆者が沖縄のことを書くには、参考文献との格闘であったと思うが祖父母そのひとたちに、かかわる人々の生き方も交えて歴史的背景をわかりやすくしている。