竜馬がゆく〈1 立志篇〉

著者 :
  • 文藝春秋
4.31
  • (78)
  • (58)
  • (24)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 476
感想 : 32
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (386ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163621609

作品紹介・あらすじ

維新史上の奇蹟といわれる、坂本竜馬の劇的な生涯を中心に、同時代をひたむきに生きた若者達の群像を描く長篇歴史小説全5巻。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • いわずと知れた司馬遼太郎の代表作。個人的には1番の代表作と思える。中学生の時に読みハマった。(笑)以来、中高時代に何度も読み返した。
    本第1篇では、少々大袈裟な言い方と思えるいわゆる「司馬史観」よりも、恋に喧嘩に旅に剣術にと(盗賊も相棒になる)、むしろ青春時代劇の趣が強い。司馬さんも「龍馬」とは違う物語を指向して「竜馬」としたとのこと。
    良くも悪くも「坂本龍馬」を再評価し、大飛躍させた書となった。その意味で、現代最大のヒーローの1人に導いた手腕は高く評価できる。ただ、個人的にはかなり美化され過ぎてしまった他の坂本龍馬物語を見るにつけ、少々残念な複雑な気持ちにもなる。
    本書ではお田鶴さまや寝待ノ藤兵衛、江戸での修行の日々の物語がとても楽しい。

  • これで、歴オタは龍馬のことが好きになっちゃうのか。無理ないね。

  • 随分前に4巻で離脱。本も売ってしまいました。しかし、今は幕末の知識が格段にアップし、司馬作品も読み慣れてきたので再びチャレンジ開始!
    結末はわかっているけど、早く活躍していく竜馬に会いたいです。

  • 竜馬の、生き方、ポテンシャル
    そして、作者の表現が、読んでいて、鼓舞される。
    自分もこんな人物になりたいと思える。

  • この本で人生が変わった人が何人いるのだろう。文学の価値のひとつを影響力とすれば、これ程の作品は少ないだろう。史実と違うという人も多いがもはや大きな問題ではない。

  • 司馬遼太郎といえば坂本龍馬、坂本龍馬といえば司馬遼太郎。
    インターネットはおろか電話もない時代 。当時の英傑というのはとにかく日本中を動いて人と会っている。したがって登場人物がめちゃくちゃ多い。そして幕末の宿命として各々の立場がわかりづらい。この点はおーい竜馬の方がうまく描けていた気がする。
    しかし何より司馬遼太郎の取材力に驚かされる作品である。

  • 「龍馬伝」(大河ドラマ)、「お~い竜馬」(漫画)ですっかり竜馬の魅力にハマってしまい、いよいよ「竜馬がゆく」(小説)に突入しました。
    竜馬自身の魅力もさることながら前二作(龍馬伝、お~い龍馬)と異なるストーリーも盛り込まれ、かつテンポのよい展開と相まってどんどん物語に引き込まれます。普段、200ページそこそこのビジネス書ばかり読んでいる私には400ページそこそこのボリュームとなるとかなり参るのですが、あっという間に読みきってしまいました。
    竜馬がゆく先々でいろんな女性から好意を寄せられ、恋愛に発展するのですが、その展開にドキドキさせられます。恋愛小説はまったく読んだことがありませんが、司馬さんはこの部分でもかなりの書き手なのではないでしょうか。
    竜馬を知りたい人、司馬遼太郎の本を読んで見たい人は是非、こちらの作品を読んでください。おすすめです。

  • やはり 竜馬は 魅力のある人間だ。
    何を考えているのかわからない
    しかし、ニコニコ笑っている 竜馬。
    人を惹き付ける 愛嬌 がある。

    乙女姉さんとのやりとりが微笑ましい。
    父親の 慈愛が おおきく 竜馬をつつむ。

    一 片時も不忘忠孝、修行第一のこと
    一 諸道具に心移り、銀銭つかわざること。
    一 色情にうつり、国家の大事を忘れ心得ちがいあるまじきこと。
    右 三条胸の中に染め、修行を積みめでたく 帰国専一にそうろうこと。

    江戸に千葉道場に修行にきたときに、黒船がやってきた。
    黒船を 捕まえようとするのが 竜馬らしい。

    さな子の切ない想いが とどかない竜馬。
    それでも、冴に こころうごかされる 竜馬。
    うぶな心が まぶしいのである。
    初陣で 戦う気分の 表現が おもしろい。

    黒船がくることで、新たな出会い。
    桂小五郎 という二つ上の 青年。
    そこで、なんらかの 影響を受ける。

    技の神田お玉ヶ池 桶町の千葉道場 塾頭 坂本竜馬
    力の麹町 神道無念流 斎藤弥九郎道場 塾頭 桂小五郎
    位の京橋 アサリ河岸 桃井春蔵道場 塾頭 武市半平太

    坂本竜馬が めきめきと 剣の腕を上げていくが
    その過程に関する ステップが うまく説明されていない。
    技術的な成長を描ききれない 司馬遼太郎。
    重太郎との30番勝負、
    桂小五郎との勝負にたいする描写
    があまりにも、外側からしか描かれない。

    それにしても、土佐藩の戒律の厳しさ。
    田鶴さんの 心を寄せる想いを 徐々に理解する竜馬。

    なぜか 群雄割拠 の時代の様相が
    あるこのごろ、どこで、自分を活かすべきか。
    そのことを、考えさせられる。

    そんなことが、竜馬がゆく 
    を読みたい気分にさせているのだろう。

    閉塞状況は 自分が作り出すものであり、
    そのことが、自分の 視野を 狭くする。

    しかし、牛のように ゆったりと
    あわてず、ガシガシ とまえにすすもう。

    竜馬は 自分が何ものであるのか
    自分でもわからないが
    出会う人の縁で 少しづつ押し上げられていく。

    竜馬は 高知に戻り
    『学問』をしはじめる。

    読み方が めちゃめちゃなのに
    意味は 理解できる という竜馬。
    それは 漢文だけでなく 蘭語まで 通用する。

    武市半平太の 天皇好き 外国嫌いとちがって、
    蘭語も学ぼうとする。
    そこで、民主主義について おどろくのだった。
    郷士の出であるからゆえに、
    よけい 差別のない社会のあり方に感銘を受ける。

    田鶴さんを通じて 尊王 という立場を取るが
    その後のことはわからない。
    志が 星雲から カタチをなしてきた 時期である。

    桂小五郎は 長州藩の重要な役目を仰せつかるところまできている。
    竜馬 焦っても仕方がない。

  • なかなか読む気がしなかったため家に眠っていた本、読んでみると止まらないくらい面白い。竜馬はモノをありのままに見るリアリズムな人なんだなと、私は武士の前に人間で、坂本竜馬であるという発言からそう感じた。リアリズムなものの見方ができるからこそ、薩長同盟っていう荒技ができたんだなと思った。この作品の第一巻の面白さは多様な女性。お田鶴様、さな子、さえと主に3人女性が出てくるけど、みんな個性があって面白い。個人的にはお田鶴様のちょっと意地悪な発言がツボ。

  • 坂本竜馬の幼少期はあまり冴えなかった。
    19歳ぐらいで江戸へ剣術修行。黒船来航に遭遇。
    25歳ぐらいで北辰一刀流の免許皆伝。土佐の地元に帰り、尊王攘夷活動を始める。

    幕末関係の歴史小説を読むと必ず坂本竜馬が現れる。
    そして、なんだか良く分からないが凄い人物として登場する。
    そんな唯一無二の坂本竜馬を深く知りたいと思った。

    坂本竜馬の人となりが丁寧に描かれていた。
    天下をひっくり返すような何かとんでもないことをしようと、漠然と思うが、その具体策は未だ思いつかない。それに焦燥感を覚えるのではなく、腰を落ち着かせて今出来る事をやる。興味を持った事はとことんやる。さすれば、自ずと道は開かれるであろう。

全32件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

司馬遼太郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
宮部みゆき
伊坂 幸太郎
司馬遼太郎
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×