完本 昭和史のおんな

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (536ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163651200

作品紹介・あらすじ

文芸春秋読者賞受賞。未収録原稿を加えたノンフィクションの金字塔。

感想・レビュー・書評

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  • ・桝本セツの反逆的恋愛
    ・偽装結婚の愛と真実
    ・チフス饅頭
    が印象に残った、一章ごとにいろんな感情がこみ上げる

  • 大正〜戦前の女性は自由恋愛を楽しみ、イキイキと暮らしていた。だが、良いことばかりではない。経済的に苦しい女や、男や家族に恵まれない女も少なくない。

    特に家族から離れ、生きるのが難しいこの時代。やむなく、堕胎や自決を選ぶ女もいる。そんな女の姿を克明に書いている。

    パイナップルが堕胎によいという噂があったそうだ。堕胎罪があったからか、藁にもすがるような思いで当時の女はパイナップルを食べていたのだろうか。パイナップルを見る度に、この本のことを思い出しそうだ。

  • 澤地久枝さんが描く昭和初期の女性たちの物語。
    情死、心中、亡命、姦通罪など、今では聞かれなくなった言葉の数々。
    けれど、過酷な状況でも必死に生きる女性たちの姿には引き込まれる。圧倒される。

  • 以前、続昭和史の女は読んでいた。今回は、それ以外を重点的に読んだ。「雪の日のテロル残映」の渡辺和子、「性の求道者・小倉ミチヨ」、「杉山智恵子の心の国境」に時代を感じる。緻密な調査と澤地の視点に裏付けされ作品。

  • ド頭からディープな昭和女がどしどし出てきて、中盤はさすがに食傷ぎみ。夫が戦地へ赴く前に後顧の憂いを残さないように自殺とか、陶酔しきってて怖いよな。そんな時代。しかしこんなディープネタをよく取材したもんだ。さすがは澤地久枝女史。

  • 「井上中尉夫人」など強烈かつ時代を考えさせられる女性と男の物語。

  • 戦後まもない昭和初期の女性が絡んだ事件性の強い実史という印象でした。

  • 昭和初期~戦後にかけてのおんなたちの波乱万丈だったり凄まじい人生のルポ


    根性の入り方が違う

    女性初のアナウンサーと呼ばれた女性や、世界的オペラ歌手、名前もほとんど知られない(党員であったり作家の近くにいたりしますが)人々の起こした事件など

    読み応え抜群でした

  • 取上げられた女性たち一人ひとりに敬意を表したい。

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著者プロフィール

澤地久枝(さわち・ひさえ):1930年、東京生まれ。その後、家族と共に満洲に渡る。ノンフィクション作家。1949年中央公論社に入社。在社中に早稲田大学第二文学部を卒業。著書に『妻たちの二・二六事件』『火はわが胸中にあり』『14歳〈フォーティーン〉』『昭和とわたし』など多数。『滄海よ眠れ』『記録ミッドウェー海戦』でミッドウェー海戦を克明に跡づけるとともに、日米の戦死者を掘り起こした功績により菊池寛賞受賞。2008年朝日賞受賞。

「2023年 『記録 ミッドウェー海戦』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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