会うまでの時間 自選歌集

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 188
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163675503

感想・レビュー・書評

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  • 再選だけど良かった!帰省に持って帰ってよもっと思ったら私は一回も開かず、お母さんが全部読んでた。

    単なる純粋な?恋愛の歌だと思ってたもの(愛することが追いつめる〜)が、前後にある歌の文脈から不倫のものだったんだ、と気づいて衝撃。

    好きだったもの
    たった一つのことが言えずに昼下がり野球ゲームに興じる二人(会うまでの時間)

    我だけを想う男のつまらなさ知りつつ君にそれを望めり(会うまでの時間)

    樹は揺れるあなたが誰を愛そうとあなたが誰から愛されようと(会うまでの時間)

    心には責任なんてとれぬゆえ愛せ とり返しのつかぬほど(会うまでの時間)

    「泣くなよ」と言われて気づく今我が泣いているのは「わたし」のためと(会うまでの時間)

    もう二度と来ないと思う君の部屋 腐らせないでねミルク、玉ねぎ(会うまでの時間)



  • 自選だけあって俵万智の良さ爆発してる

  • 谷川俊太郎さんとの対談の中で、音楽で泣いたことがない、と言っていたことが印象的だった俵万智さん。不倫の恋さえも詠んでしまう、選んでしまうのがすごい。

  • 爽やかな歌、情熱的な歌、何気ない日常の歌。
    爽やかで、エグくて、胸がいたんで、切なくて。
    素敵な自選歌集。楽しい時間をありがとうございました。
    初めて読んだ歌集『サラダ記念日』は意味をさっぱり理解できなかった幼い私も今は大人になったことを実感しました。


    今日までに私がついた嘘なんてどうでもいいよと言うような海

    ひかれあうことと結ばれあうことは違う二人に降る天気あめ

    なんでもない会話なんでもない笑顔なんでもないからふるさとが好き

    まっさきに気がついている君からの手紙いちばん最後にあける

    カレンダーをめくればそこに海があり会える予感と会えない予感

    一年に一ミリ伸びるミズゴケに蓄えられる湿原の時間



  • 俵万智さんの歌集は、
    「サラダ記念日」「とれたての短歌です。」
    を、よく読んだものだった。
    あれから随分ときがたって、
    今読むと、当時とは違う感じ方もあり、
    とても新鮮に感じられた。

    時を越えて新鮮に感じられる
    瑞々しい言葉、短歌。

    再び、こんなふうに会えたことが
    とても嬉しい歌集だった。

  • 2017/6/13読了。
    俵万智をしっかり読んだのは初めてかも。
    短歌を読んだのも初めて。
    よくこんなに愛のうたをよめるなぁと、感心。

  • 2017/5/16読了

    P51
    我が友は クリームコロッケ 揚げており
    なんてったって 新婚家庭

  • 17/05/25 (37)
    ・トンカツにソースをじゃぶとかけている運命線の深き右手で(P50)
    ・伝えてはならない愛があることを知ってどうする二十四歳(P60)
    ・唐突に恋は始まるものだからさあもう一度いえもう二度と(P87)
    ・十月の暦がひらり「会えない」と「会わない」の差を君は知らない(P104)
    ・愛することが追いつめることになってゆくバスルームから星が見えるよ(P123)

  • 三月になると、読みたくなります。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:911.168||T
    資料ID:50501120

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著者プロフィール

1987年の第1歌集《サラダ記念日》はベストセラー。歌集に《かぜのてのひら》《チョコレート革命》《プーさんの鼻》《オレがマリオ》《未来のサイズ》《アボカドの種》、評伝《牧水の恋》、エッセイ《青の国、うたの国》など。2022年、短歌の裾野を広げた功績から朝日賞を受賞。読売歌壇選者のほか、宮崎で毎年開催される高校生の「牧水・短歌甲子園」審査員もつとめる。

「2023年 『旅の人、島の人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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