「希望格差」を超えて 新平等社会

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163684505

感想・レビュー・書評

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  • 何かを読んで、現代社会における格差について興味を持つ機会があったので

  • 「希望格差」を超えて・・・
    って「希望格差社会」のほうが読み応えがあった。

  • 12月?
    筆者は、「パラサイトシングル」など現代を象徴してきた言葉を生み出してきた。特にその筆者が問題視しているのは「希望格差」という問題である。この格差を経済格差と捉え、対策の必要性を訴える。一面では格差があるからことは、頑張ろうとおもうインセンティブが働くのであり、格差は自由主義の結果でもある。しかし、希望格差がある場合、それは社会の活力を落とし、殺伐とした環境を作り出すことにつながる。そこで、格差問題を「外部経済性」と捉え、(経済)格差にかかわる社会問題を考える際の5の領域(?上離れと底抜けの問題?ライフコースの問題?生涯格差?格差再生産の問題?地域格差の問題)への対応の必要性を述べる。それらの領域は希望格差を生む、それを是正するために、第三の平等概念―労働生産性(ニューエコノミーによる構造転換発生)と生活水準(家族の多様化)に関し、社会が介入し格差の緩和を図り、収入(規制緩和の影響)の市場による配分を肯定する―というのを提唱する。格差を外部性と捉えたことに新鮮さを感じた。そして多くの議論は、格差はいいのか、悪いのかという表面上の議論に終始しているということがよくわかった。格差は、自由があれば必然的であるが、それが希望格差を生み固定化などを招くことが問題であるという指摘には納得した。

  • (ランクは自分の必要度に応じてつけています)

  • <body>
    1997 金融危機 1998から経済的理由による中年男性の自殺が急増<br>
    <br>
    ランドルフ ネッセ<br>
    <br>
    希望は努力が報われると感じるときに生じ、努力が報われないと感じれば絶望が生じる<br>
    <br>
    <br>
    人間はパンのみで生きる存在ではない。私は「プライド」でもって生きる存在だと考えている。そのプライドの一つが、自分の仕事の仕事能力を必要としてくれ
    る職に就いているということである。<br>
    <br>
    ニューエコノミーでは、将来が約束された中核的、専門的労働者と熟練が不要な使い捨て単純労働者へ、職業を分化させる。<br>
    <br>
     ハイスキルの職 生産性高く高収入、専門中核労働者 正社員、フリーランス<br>
     ロースキルの職 生産性低く昇進なし、定型的作業労働者 派遣社員、フリーター<br>
    <br>
    努力が報われる人と報われない人に分裂する希望格差社会の出現<br>
     教育分野 勉強し学校を卒業する努力をしても相応の職に就職できる人とできない人への分裂<br>
     職業分野 昇進が見込まれる職と努力しても昇進が期待されない職への分裂<br>
     家庭分野 自分の努力ではどうにもならない家族の格差の影響により、生活水準が上昇維持される家族と、低水準で上昇のみこみのない家族への分裂<br>
    <br>
    勉強を今まで通りすることほとんどしない子への2極文化が進んでいる。 インセンティブデバイド 意欲格差<br>
    <br>
    学力低下という減少は、教育という領域で勉強という努力が報われないという状況が広がったから起きた現象ではないか。<br>
    <br>
    努力しても労働生産性が上がらない職に就く、労働に希望を持てない人が増える。すると労働に対する意欲が失われる。彼らを放置すれば、潜在的にもっている
    能力を活用するチャンスが失われるだけでなく、定型的な単純労働や補助的労働の質が下がってくる。<br>
    <br>
    停滞する地域に住まざろう得ない者は、いくら努力しても地域がよくならない現実に直面する。(能力があるものはさっさと活性化している地域に移動してしま
    うから)
    </body>

  • 引用が多すぎないか。

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著者プロフィール

大阪府出身。京都大学法学部卒。華々しい英雄伝が好きですが、裏話的なテーマも、人物の個性をあぶり出してくれるので、割と嗜みます。著書に『世界ナンバー2列伝』(社会評論社)など。

「2016年 『童貞の世界史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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