周恩来秘録 下

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163687605

作品紹介・あらすじ

「慈父」周恩来に嫉妬の炎を燃やす毛沢東。死の床まで周が怖れた毛の報復文書とは?「周恩来外交」の成功が、周の政治生命を逆に縮めた。

感想・レビュー・書評

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  • 凄まじいリアリティだった。
    毛沢東と周恩来の関係がこの本を読めばわかる。
    40年来の友人である、劉少奇のトドメを指す文章にサインしたのはまぎれもなく周恩来だった。
    60代にして本当に大変な老後を迎えていたという事実がなんといっても切ない。
    そして、毛沢東も安泰かといえばそうではなかったというのが興味深かった。

  • 2007年刊。◆原題が「晩年周恩来」(文革叙述が中心なのも当然か)。下巻の叙述対象は、文革後期(江青主導期)~文革終焉前の周の死去、その直接的影響と毛沢東死去まで(文革終焉の四人組逮捕よりも前)。◆文革は他書でも詳述。ただ、本書の特徴は、文革裏面の①鄧小平の復権と挫折、②実は鄧は毛の子飼いで、俗にいう周鄧連合は一面的(ただし、周鄧の政治的立場は反文革派・経済再建・実利主義で共通)、③米中国交回復に関する中国側姿勢を詳述、中国国内の権力闘争を色濃く反映、等にある。◆周の癌治療を毛が不許可とは流石に吃驚。
    これは周が持つ衆望に対する毛の恐怖、周のフルシチョフ化への恐怖に由来する、との指摘がさもありなんと思わせる。そして、これが真に明らさまになるのが周の死後の毛の慌てふためく対応だ。まさに「死せる恩来、生ける沢東を走らす」を地で行くような行動。これは「文化大革命十年史」読破後に脳裏を掠めた感想が、本書の叙述によって直接感得し得たと評しうるかもしれない。

  • 周恩来の晩年を、内部資料を基に克明に描いたノンフィクション。この下巻の注が上巻の巻末にある、という、ちょっと嫌らしい構成の本です。詳しくは<a href="http://d.hatena.ne.jp/rockfield/">こっち</a>に書いてあります。

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