ひとりでは生きられないのも芸のうち

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著者 : 内田樹
  • 文藝春秋 (2008年1月30日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163696904

ひとりでは生きられないのも芸のうちの感想・レビュー・書評

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  • 自己責任や自己決定が出来てこそ「一人前」という風潮にウチダ先生はこういう。

    ”あなたなしでは私はこのゲームを続けることができない。キャッチボールをしている二人は際限なくそのようなメッセージをやりとりしているのである。このとき、ボールとともに行き来しているのは「I cannot live without you」という言葉なのである。
    これが根源的な意味での贈与である。
    私たちはそのようにして他者の存在を祝福し、同時に自分の存在の保証者に出会う。
    「私はここにいてもよいのだ。なぜなら、私の存在を必要としている人が現に目の前にいるからである。」という論理形式で交換は人間の人間的尊厳を基礎づける。交換の本義はそのような相互的な「存在の根拠づけ」に存するのであり、交換される記号や商品や財貨といった「コンテンツ」には副次的な意味しかない。
    一人で出来ることを二人がかりでやる。それによって「あなたなしでは私はこのことを完遂できない」というメッセージを相互に贈りあうこと。それがもっとも純粋な交換のかたちである。

    I cannot live without you.

    これは私たちが発することのできるもっとも純度の高い愛の言葉である。”(P281)


    僕に出来ることならどんどん頼っていいよ、僕もいろんな人の力で生かされているから。

  • 信者による教典紹介。以下、引用。

    「I cannot live without you.

     これは私たちが発することのできる最も純度の高い愛の言葉である。
     私はこのyouの数をどれだけ増やすことができるか,それが共同的に生きる人間の社会的成熟の指標であると思っている。

     (中略)

     「あなたがいなければ生きてゆけない」という言葉は「私」の無能や欠乏についての事実認知的言明ではない。そうではなくて,「だからこそ,あなたにはこれからもずっと元気で生きていて欲しい」という,「あなた」の健康と幸福を願う予祝の言葉なのである。

    自分のまわりにその健康と幸福を願わずにはいられない多くの人々を有している人は,そうでない人よりも健康と幸福に恵まれる可能性が高い。それは,祝福とは本質的に相互的なものだからである。」


    (引用おわり)

    ごちそうさまでした。愛しています。

  • 内田さんの考え方は好きだ。

  • 社会的課題を自分ごととして考えることの大切さを説く人から薦められて読んだ本。なるほど〜と思いながら読みました。
    内田たつるさんが正しい読み方。

    ・当事者意識の欠如が楽観をもたらし、システムの構造的な破綻を呼び寄せる。
    ・労働の意味は、わたしたちの労働成果を享受している他者が存在するという事実からしか引き出すことができない。
    ・労働は自己表現でもないし、芸術的創造でもない。とりあえず労働は義務である。なぜ労働するのかということの意味は労働を通じてしか理解されない。
    ・労働集団をともにする人の笑顔を見てわがことのように喜ぶというマインドセットができない人間には労働はできない。
    ・帰属すべき集団を選ぶときの大切な基準の一つはサイズ。どのような集団も、あるサイズを超えると集団の維持が自己目的化する。
    ・隣人を愛することで隣人は生きながらえ、隣人があなたを愛するおかげで生きることができる。
    ・強者とは何度でも負けることができる余力を備えたもの。人間の強弱は勝率ではなく負けしろで決まる。
    ・得手については人のぶんまでやってあげて、代わりに不得手なことはそれが得意な人にやってもらう。この相互扶助こそが共同体の基礎となるべき。
    ・その人がいなくては生きてゆけない人間の数の多さこそが成熟の指標なのである。
    2017.05

  • 大分前に読んだので、忘れてしまったけれど、でも内田さんの話は相変わらず面白いなぁと思いながら読んだと思います。

  • イラク戦争の頃から、アメリカの胡散臭さが気になり、今ではすっかり反米にシンパシーを感じていた。そのため、本書に書かれてあるアメリカ論に深く頷けた。
    移民が新世界を見て、広大な森林に興奮して、木を伐採しまくって西に進み、西の果てまで来ると海を渡り、アジアへと進んだ。だから難癖つけてイラクまで侵攻する必要があったわけだ、とか。
    雑誌CanCamのコンセプト、めちゃモテ戦略は日本人のメンタリティに親和する、つまり九条。といった肩の力が抜けた話を立憲主義を蔑ろにする時の首相に聞かせたい、とも。

  • 文体とか言ってることとか全てがグッとくる。再読しよう。

  • 面白すぎてしにそう

  • 再読。前は途中までしか読まなかったのかな?
    面白いエッセイで、なるほど〜と思うことも少なくないのだけど、何か物足りなく感じるのはなぜだろう?
    ちなみに後ろから読んだ。最初の方は2007年ごろの若年者就労問題なので(ブログに書かれたのはもっと前?)やや古く感じてもしょうがないのかも。
    読みやすい文体とユニークな視点がこの筆者の持味と思うので、他のエッセイも読んでみたい。

  • 仮想敵への憎悪を梃子として結びつける。移民問題と若者の失業問題、
    受益機会に恵まれない
    弱者のナショナリズム
    強欲な強者のナショナリズム

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