がんと闘った科学者の記録

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著者 : 戸塚洋二
制作 : 立花 隆 
  • 文藝春秋 (2009年5月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (366ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163709000

がんと闘った科学者の記録の感想・レビュー・書評

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  • いつか人は死ぬ。どんな死に方をするのか、死を目前にして私はどうするのか。死が間近になっていく年齢になって、こういう本ばかり読んでいる。

  • 遺書代わりのブログ
    科学者でも量子物理学の摩訶不思議な現象を腹の底から理解しているわけではないのか。。

    おもしろかった。。

  •  がんで残された命の期間が限られた人は数多いだろうが、それを冷静にとらえて文章化することは難しいと思う。
     がんに侵された科学者の「ブログ」をまとめた本書を読んで、これは「一つの知性のありかた」と感嘆した。
     もちろん、文章の専門家ではないから、構成がうまいわけではないし、医療データの数値化にしても部外者には興味を持てないかもしれない。
     しかし、この著者の「死生感」は見事の一言である。
     「わたしにとって、早い死といっても、健常者と比べて10年から20年の差ではないか。みなと一緒だ、恐れるほどのことはない」。
     これは、我がものとして、ぜひ見習いたいものであると思えた。

  • 物理学者が自分のがんを客観的に分析しながらがん医療への考え(主に愚痴)や日々の生活を記したもの。
    実はこの人が亡くなってしまって、ニュートリノ質量発見に関するノーベル賞を誰にあげればよいのか分からなくなってしまったというぐらいすごい方。
    面白いのは物理学者の視点で書かれているということ。
    表紙の絵は戸塚さんの頭に浮かんだ幻覚のスケッチ。本人いわく、葉っぱのお化けか。
    他にも、抗がん剤が腫瘍マーカーの時間変化に及ぼす影響を片対数グラフにして紹介したりしている。

    最初はそんな珍しい記録に対する好奇心から読み始めたけれど、読み進めるうちに世界第一線の物理学者が世の中とどう接していて、世界情勢にどういった意見をもっているのかがじかに伝わってきて、同じ物理の道を進むものとしてとても参考になりました。
    とくに、医療分野への物理の応用の話や日本のエネルギー安全保障の話など。自分でも少し勉強しようと思いました。

    それから、戸塚さんは静岡の方だったんですね。
    静岡を訪れた時の記録も割と詳しく書かれていてうれしくなりました。

    この本に収められなかった科学の話は『戸塚教授の「科学入門」』となって出版されているのでそちらも読んでみたいと思います。

  • 医者はデータと数字に弱い、という実験物理学者ならではの愚痴が面白かった。医師は一人一人違うから、とビッグデータにあまり目を向けないように見えるらしい。
    編者の立花隆は戸塚氏を評して「淡々と死を受け入れているように見える」と述べているが、私には「自分にはこれしかない」というやり方で恐怖と戦っているように見えた。

  • ノーベル賞も固いと言われた科学者が大腸がんになり、再発して、最後は死んでしまうがその記録を冷静にブログにつけていた。
    交友のあった立花隆が編集して出版。
    自分の死のもとであるガンの変化を冷静に分析し、死と向かい合い、医療について科学者として提言し、植物に心慰められる姿がアリアリと見えてくる。物凄い精神力。



    本などに没頭していると、限られた有限の時間を無限のように感じるのです。
    我々のような実験物理学者だったら、CT写真だけで一週間は楽しめるのに(笑)
    医師というのは、意外なことに、数値を使わない。
    抗がん剤はある程度使うと効かなくなるが、やめる決断を下す時のしっかりした判断基準がほしい。
    おお酒を飲んだのがガンになった理由。
    ガンのデータベースかがぜひ必要。
    ガン手術五年後から全身検査をして欲しかった。
    感情を抑えることが、これまで科学者として努力してきたことを発揮する修行。
    いずれは万物も死に絶える、早い死と言っても健常者と比べて十年、二十年違うだけ。
    正岡子規「悟りといふことは如何なる場合にも平気で生きていることであった。」
    仏教の世界観は多宇宙論に近い。
    エピクロス「人は死を恐れる必要が全くない。あなたが死と会うことは永遠にない」

  • 三葛館闘病記コーナーWith T||493.46||大腸癌

    医学部 教養・医学教育大講座 山崎尚先生
    戸塚洋二氏はノーベル物理学賞の受賞が間違いないとされていた物理学者。2008年8月に逝去された。この本は、戸塚氏のブログに記された最後の11ヶ月の闘病記録と死の床で記された著者の科学論をまとめたもの。進行ガンにより余命宣告をされた人間がここまで冷静に自らの病状を分析できる姿勢に驚嘆する。医学部生も看護学部生もこのような患者と堂々と対峙できる医療従事者になれるよう勉学に励んで欲しい。

    和医大OPAC →http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=54479

  • 2階闘病・体験 : WI529/TOT : 3410152490

  • 2011年3月11日、東北の震災がまさに起きた時に、結腸がんの手術を受け現在、肝臓に転移しているため抗がん剤治療をしています。私にとって地震が大腸がん手術であり抗がん剤治療が原発事故処理に相当するわけで原発事故が早く終息するよう祈りながら、抗がん剤治療の効果が効いてがんを克服できるよう毎日闘っております。著者の手術後の経過は共通する部分もあり一気に読み終えました。これからのライフスタイルを考える上で大いに参考になりました。プログタイトルの「A  Few more
    Months」(あともう数ケ月)の意味は、自分の将来に対する時間スケールは、2,3ケ月で、今の体調をとにかく2,3ケ月維持したい。幸いその時期が過ぎると次の2,3ケ月を目標にすることから付けられたタイトルと事。
    正岡 子規の「悟りということは如何なる場合にも平気で死ぬ事と思って居たのは間違いで、悟りということは如何なる場合にも平気で生きて居る事であった」という紹介の説得のあること。
    オプチミストでポジティブな生き方に努めようと思っています。

  • 癌と闘いながらブログに綴った科学者の日記。
    この本は、彼が病気と闘いながらブログに日々の記録を綴ったものです。
    内容はブログの中にあるいくつかのテーマの中から「人生」「闘病記録」「教育論」などの部分を取り出したものです。科学者としての立場から自分の病気を冷静に観察し、自分の死期を感じながらも、自身の経験が将来のガン治療に対して何ができるかを考察しています。
    また記事の中には、庭の花や木々の観察日記が多く挿入されており、最初はどのような意図で花の記事を書いていたのかわからなかったのですが、病気の進行との対比により「生」に対する想いが何となく感じられました。
    彼は「自分の人生は限りがある」としてこう記しています。
    ▼自分の命が消滅したあとでも、世界は何事もなく進んでいく。
    ▼自分が存在したことは、この時間とともに進む世界で何も痕跡も残さずに消えていく。
    ▼自分が消滅した後の世界を垣間見ることは絶対に出来ない。

    昨年入院生活を送った私も、彼と全く同じことを考えていました。
    病気をしてみると、苦しさから逃れたいという気持ちと同時に、できるだけ長生きして、この世の中がどう変わっていくのかを見てみたいという気持ちになるものです。
    記事は「そのまま入院になりました」という一文で突然終わります。自分は意識しなくても、「死」というのは突然やってくるものかもしれません。
    この本を読んで「今を精一杯生きる」というのは、とても大事なことだと改めて感じました。

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がんと闘った科学者の記録の作品紹介

ニュートリノ観測でノーベル賞を確実視されていた物理学者が、最期の11ヵ月に綴った病状の観察と死に対する率直な心境。

がんと闘った科学者の記録のKindle版

がんと闘った科学者の記録の文庫

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