戦場から女優へ

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  • 文藝春秋 (2009年1月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (205ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163710204

戦場から女優への感想・レビュー・書評

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  • 私はこの著者のヒトは存じあげないのですが、なんかテレビやラジオで活躍中のタレント・女優さんだそうです。
    このヒト。
    戦争で家族全員を亡くされたとか、ニホンにきて極貧生活をおくられたとか、さまざまな苦難にあわれていて、それらのことに関しては想像しかできない平和ボケの私がここでとやかく言うことははばかられるのですが、幼い戦争孤児だったこのヒトを、大学生の身分でありながら、引き取って育てたという母親との絆には心を打たれずにはいられません。

    私は「血のつながり」とかいうへなちょこな概念が大っキライです。
    「ジブンのオナカを痛めて産む」という行為そのものは崇高だと思いますが、そのあとに「だからかわいい」とつづくと、途端にシラけてしまいます。
    子供を産むことができないオトコは黙ってろや。というお叱りはあるかもしれませんが、産むことができないからこそ、血縁という事実に甘えてたら何も生まれないと考えるのです。
    子宮が愛するという機能を有する器官なら、それがないオトコは、女性に比べて愛情に乏しいということになってしまいます。ちがうだろ。

    ハナシが逸れましたが。
    この本の著者と、著者の子供を産んだことがない母親との関係をみて、親子という関係をつなぐモノは何であるか、改めて考えさせられました。
    本自体はモノ書きのヒトの本ではないのでアレですが、文章から著者のサヘル ローズさんのまっすぐなお人柄が伝わってくるようなカンジで、直接お会いしてみたいとおもう、そんな本でした。
    べつにいろんなヒトに読んでほしいとは思いませんが、もし、「血がつながっていればわかりあえるハズ」とか言っちゃうバカな親や「産んでくれた母親だから愛してくれるハズ」とか言っちゃうバカな子供がこの本を読んだらどう感じるのだろう、というキョーミはあります…。

    http://blueskyblog.blog3.fc2.com/blog-entry-1579.html

  • アジア太平洋戦争を経験した人はどんどん少なくなっている。そういう意味では戦争体験者はどんどん少なくなっている。でも、今も世界では紛争が続いていて、そして、その体験者がいる。そんな当たり前のことに気づかされる。イラク・イラン戦争で家族を失い、紆余曲折を経て日本で暮らす彼女。あまりの強さとしなやかさに圧倒される。

    先日、トークイベントでサヘルローズさんの話を伺い、どんな方なのかもっと知りたいと思って調べたら、自伝を出していた!どうして?!というほどの困難をいくつもいくつも潜り抜けて今に至る。

    お義母様もすごい。

  •  「探検バクモン」での明るい面しか知らなかったサヘルだが、母国でも日本でも苦労していたのだなぁ……。

     彼女に優しく接した給食係の女性たち、日本人として誇らしい。
     彼女をいじめた中学時代の同級生たち、日本人として恥ずかしい。

  • 衝撃の一冊でした。
    こんな人生を送る人が世界にはいるのかと。。
    彼女も、彼女の養母さんもすごい。
    養母さん、この本では書かれていないのですが、確かサヘルさんを養子にするために手術して子供が産めない体にしたのだったと思います。そこまでして!と思います。
    本文では語られていませんが、イスラム教は本来は危険な思想ではなくて、他人のために自分を犠牲にするという教えだというのが垣間見えました。

  • 女優、タレントのサヘル・ローズが壮絶な半生を語る。イランの小さな町で貧しい家庭に育つが、イラク軍の空襲で家族を失う。瓦礫の中から助けた女性に養女に迎えられるが、そのために養母は家を追われ、日本へ。婚約者にも見捨てられ、公園で暮らす羽目に。そのあとも貧困やいじめで辛い日々を送るが、女優になるという夢を追ってテレビや映画への出演を果たす。実の親子でないのに、親子以上の愛情で結ばれたサヘルと養母の絆が感動的だ。

  • あまりにも大変な半生。彼女を救い出してくれた養母とともに幸せになって欲しい。少しでも長く。

  • この人の生い立ちを知って、随分前に欲しいと思って本屋さんを何軒か回ったけどなかった本。今日たまたま見つけて買いました!
    帰ってきて、一気に読みました。
    率直に言うと、まぁまぁ。
    何回も読み直したい、と思う本ではなかった。
    しかし、3度程泣いた。笑
    戦争で孤児になり、女学生だった人が母に!血の繋がりはないけれど、かなり強い絆で結ばれているなと思う。母の無償の愛。それがちゃんと伝わっている娘。お金がなく、貧乏時代には母の食事はツナ缶を2日に分けて食べるほど。それなのに、娘には習い事をたくさんさせる。胸が熱くなりました。
    今から7年前に出版された本。23歳の時に書いた本。文面も考えもまだ幼稚なところもあるし、書くのが早かったかな、と。
    30歳になっての今の考え、それを読みたいなと強く思う。

  • 日経の土曜版で彼女の半生を知り著書を手にとった。
    イランイラク戦争の空爆により町は全滅、家族を亡くし一人生き残り、孤児院での生活。
    養母からの無償の愛。
    来日してからの貧しい暮らし。
    給食のおばさんからの支援。
    今の彼女があるのはこの二人の女性のおかげ、やっぱり女性は凄い、男はかなわない。

  • テレビで著者をみかけて、ものすごく感じのいい人だなと印象に残った。
    その名前を図書館でみつけて借りて見たら、波乱万丈の人生だった。
    イランの空爆で壊滅した町からひとり救出され、救出してくれた女子学生にひきとられた。
    そのために家族に縁切りされた母(義母)は日本に渡り、苦労して著者を育てた。

    戦争や貧困やいじめの体験自体は他の本でも読んだけど、そういうものは最初からそのテーマの本として読んでいる。
    人を最初に知って、その人が昔こういう体験をしましたと語るのを見たことは私はほとんどない。
    だから、本当に普通にあることなんだという驚きがまずあった。
    フィクションじゃなくて、たまたまそこにいた人がたまたま巻き込まれるできごとなんだ。
    頭では理解していても、こうやって若くて日本語をネイティブ発音で話して見慣れた服を着ている人が話していると、改めて実感する。

    真摯な文章だ。
    意味を考えて、今を良くしようとして、ぶつかろうとして、痛いのはいやだから避けちゃうこともあって、後悔したり、発見したりして。
    成長ってこうやってやればいいのか。
    サヘルさんは、これを書いた時点で23歳。85年生まれだから今は29歳か。
    この人が素敵に年をとっていくところを見ていたい。

  • すごくいい雰囲気を持っているな、と思っていた方。
    テレビで見る雰囲気からはとても想像がつかない壮絶な過去を持っていることを知った。
    オスカーの夢に向かって頑張ってほしい。

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