アル・ケッチァーノと美味なる男たち 庄内パラディーゾ

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163711102

作品紹介・あらすじ

伝説と化したイタリアンの秘密は天才シェフの味覚だけではない。「地産地消」と「地方再生」を担う生産者たちの群像。

感想・レビュー・書評

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  • ノンフィクション

  • 大学発ブログ「この一冊」
    2013/05/01更新201305号紹介図書
    http://www.nvlu.ac.jp/library/bookreport/bookreport-101.html/

  • ○ノンフィクション作家の一志氏の著作。
    ○山形県庄内地方でレストラン「アル・ケッチャーノ」を営む奥田氏を中心に、庄内で在来野菜の復活に携わる方々のインタビューなど交えた作品。
    ○奥田氏については、自身の本も別途出版されており、これといって新しいものではなかったが、庄内の農業活性化に貢献する多くの農家についてもインタビューされており、興味深い。

  • アル・ケッチャーノの料理を出来損ないのイタリア料理という人びともいるが、あの料理は庄内料理あるいは山形料理だと思う。
    地方に限らず、日本の農業、そして食は大変なことになっている。
    そんな現実を乗り越えようとしている人びとが、庄内にいることを誇りに思う。

    あの水、空気、鳥海山、出羽三山、
    わたし達は自然の恵みで生かされていることを実感する一冊です。

  • 料理人の本というジャンルに入れたが、料理人が書いた本ではない。
    奥田シェフの半生と現在の奥田シェフとともに庄内活性のためにがんばっている人々の生き様が描かれてる。
    これは地方の活性化の本といえばそうだが、そのスコープは地方から全日本、いや全世界に通じる姿勢を学びとることができる。
     著者の顔がまったくみえず、取材対象を客観視できていないので、本に深みが欠けてしまっているが、取材対象の人々は魅力的なひとが多いのでその欠点が隠れている。
     家庭で奥田シェフの一皿を再現したくなった。
    しかし、日本人が頑張ると笑いながらというより必死になるのはなぜなんだろう。イタリア人の頑張りと質が違う気がする。

  • これは山形県人のための本です。

    地産地消と地方再生のキーワードと共に、奥田シェフたちの戦いの日々を綴った物語でもあります。

    そもそもアル・ケッチァーノとはイタリア語ではない。「そういえばあったわね」の庄内弁「あるけっちゃの」を文字ったものである。

    つまり、ダジャレだ。

    しかし、地元へなじませる効果は絶大だった。老若男女が集う店へと成長し、昨年からは銀座でも展開している。

    手前味噌になるが、ヤマガタの素材は本当に美味しい。

    正しいシェフが、正しい調理をしてくださるだけで、たぶん、全世界のどこの料理よりも美味しくなるはずだ。

    一度は行ってみたい店である。

    こんなに熱い魂が込められた店を表現している書籍も珍しい、と思う。

  •  パラディーゾって?
     調べてみました。「PARADISO」楽園、天国。イタリア語です。で、アル・ケッチャーノは?(イタリア語の辞書では見つかりませんでした*1)。庄内にある、全国的に知られたイタリアンレストランでした。
    ここのオーナーシェフを縦軸に、生産・研究・加工…在来野菜の復活に夫々の立場で力を尽くす人たち。ノンフィクション作家が縦横に迫ります。
     そういえば、日本一のフランスレストランが酒田にある。とムカシ、エッセイで見て不思議に思った記憶があります。*2
     山々からは豊かな水が山の養分を海へ運ぶ。水は旨く地は肥沃に、海は豊穣に。恵まれた食材が溢れる庄内は食の天国。
     でも、天国を天国たらしめるのは人の知恵、人の力。人を動かすことができるのは人の熱意と熱情、行動。関わる人々から、にじみ出る言葉には力強い心がこもっていました。そして人が人を動かして、ここまでのことを為すのだなあ、心満たされる一書でした。
     読み終わって判りましたよ。
    *1 アル・ケッチャーノは、庄内弁で「そういえば、あったわね」という意味の「あるけっちゃの」なんですって。参った。
    *2 こちらはル・ポトフという店でした。(H)

  • 銀座にopenした「Yamagata Sandandelo」で食事をした際、レジ横にあってついつい手にとってしまった一冊。

    アルケッチャーノ・イルケッチャーノのオーナーシェフである奥田政行氏の話かと思って手にとったのですが、庄内における在来種の継承や農業全体への問題提起など非常に大きなテーマで記載されていました。

    「奥田氏について」を求めて手に取ると、いろんな話のごちゃまぜ感はありますが、奥田氏の視線や掲げている目標や、それを取り巻く日本農業の問題について関心を持っている場合には、更に知らないことへの窓口を見つけられるとてもよい本。

    いろんなキーワードをGETしたので、更にまた調べなければ(笑)

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    作物そのものを売ることは否定しない。
    必要だ。
    しかし、同時にそれを加工し、さらに付加価値あるものにしなければ
    農業は豊かにならない。

    たとえば、キャベツを作ってそのものを売ったら100円。
    でもそれを切って、ザワークラウトにすればひとつが300円。
    さらにそれから成分を抽出して、胃薬にすれば3000円になる。

    山澤清氏の言葉
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