アンティキテラ古代ギリシアのコンピュータ

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制作 : 木村 博江 
  • 文藝春秋 (2009年5月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163714301

アンティキテラ古代ギリシアのコンピュータの感想・レビュー・書評

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  • 「本物のオーパーツ」を真摯に科学的に分析していく過程は実に魅力的。イギリスあたりでドキュメンタリー番組になっていておかしくない。というかそんな感じのを見たい。

  • 地中海の沈没船から1900年頃に引き揚げられた
    謎に満ちた「精巧な歯車仕掛け」の壊れた機械パーツ。
    それがいったい何のためにつくられたのか、
    誰が作ったのか、いつ作られたのか…を、
    解き明かそうと人生をつぎ込んだ探究者たちの
    物語を時系列に綴ったストーリー。

    X線撮影装置や高性能コンピュータなど、テクノロジーが
    発展するにつれて、それまで不明だったことが
    非線形に、一気に判明していく、その繰り返しが
    大変興味深い。
    アンティキテラの機械の謎解きは、そのまま
    20世紀からの21世紀初頭における分析技術の進歩に
    リンクしている。

    最終的には、トニー・フリースやマイケル・ライトが
    「対立する研究成果と仮説」を並べながらも、
    だいたい何のための道具かは明らかになる。
    それは「天界の美を表現し、神々に近づく方法」の実践と
    いうべきものであった。

    p.124のアーサー・クラークの言葉が考えさせられる。
    それは、もしこの機械の知識が埋もれずに、
    知識の進歩が続いていれば、
    「今頃私たちは月あたりで足踏みしたりせずに、
     近くの星(太陽系以外、ということだろうか)に到達していただろう」
    というものだ。

    果たしてそうなのかどうか。
    もちろん、それは現在のわれわれの水準をはるかに上回るテクノロジーが
    実現しているというIFの世界の話で、
    まさにSFなのだが、
    そんな世界になったような気もするし、
    意外と、今の現実とあまり変わらないのではないかというような気もする。

    というのは、結局科学技術を高め、異次元に到達するというのは、
    歴史を見てみれば、経済発展と社会の安定が確立された文明環境があってこそ、
    というような気がするので、
    もしアンティキテラのテクノロジーが、文明を不安定にさせる方向に
    進んで歯止めが効かない事態が起こっていたら、
    それこそ今よりもっと「悲惨な」世界だったのかもしれない。
    すべては想像の世界の話であり、だからこそ夢想は尽きないのだが。

    本書は、
    科学、技術、歴史、そして人間の生々しい感情むきだしのドラマまで
    楽しめる、秀逸なノンフィクションである。
    筆者もまた、この機械をめぐるあれこれに魅了された情熱的人物なのだろう。

  • ギリシャの海の底に沈んでいたオーパーツを巡る、研究者たちの物語。天体を観測するための機械なんだけれど、古代にありながらほとんど現代的な機構で、これが古代のコンピューターであるのも頷ける。

    話としては順序立てて進んでいくのだけれど、これがあまり物語としての推進力を生み出していないような気がした。もう少し面白くなるような描き方があったと思うのだけれど、これは構成の練り込みが甘かったのかもしれない。

    アンティキテラの機械を最新の分析装置によって調べて、用途不明の歯車が天体観測の機械であることが分かるところはエキサイティングだった。これ、誰も興味を払わなければ、博物館の倉庫で眠ったままだったのかと思うと、偶然というのは価値があると思う。さらに、この装置の製作者を考察するところも面白かった。

  • 2000年前の機械がどうこうよりも、アンティキテラの機械に魅せられた学者さん達のえげつないまでのイニシアチブの取り合いが香ばしい。
    人類の遺産の写真に(C)がついてるのが滑稽々々。

  • 古代の機械のお話。
    構造の説明が文章メインでわかりづらかった。
    もう少し挿絵があると助かる。

  • 2009年刊。過日、ETV放映の「地球ドラマチック」で紹介されていた古代ギリシャの天体運行周期表及び食カレンダーの解明過程を描く。測定装置の発達が、新たな事実と内容を確定する。こういう研究史の面からも有益な書。また、結論は明快だが、数学的計算、アルゴリズムを複数の歯車にて行う実益、機械装置の発展への寄与(時計、動力装置)は忘れてはならない。さらに、この装置が、アラブと異なり、ローマにて保存・継承しなかった点は、ローマの軽視した科学技術、測定技術、それらを研究開発する人材、社会制度の重要性を物語っていよう。

  • 2000年前のギリシャ人が作った装置を発見から解明されて行く過程を興味深く記載した良書。youtube等の動画と合わせて観るととても興味深い。特にX線により解明された内部の歯車の構造はすばらしい
    Antikythera Mechanism Part 1: by Nature Video
    http://www.youtube.com/watch?v=DiQSHiAYt98

  • 自然現象を機械でシミュレートしようという試み、天体を歯車で再現しようとする過程から生まれた様々な歯車の機構は機械式計算機、やがて今のコンピュータへと繋がります。そういった発想と技術が古代ギリシア時代からあったとは驚きでした。

    機械を発掘する過程での潜水夫の話、また機械を解明しようとする人達の悲喜こもごもも面白いです。

  • 地中海の沈没船より引き上げられた異形の物体・・・オーパーツの謎をめぐって繰り広げられる一世紀にわたる科学者の戦い!
    医学生としては、潜水技術の進歩にて生じたベンズの危険を顧みず沈没船からの引き揚げ作業を行った序章から楽しめました!

  • このすごい機械?コンピュータ?を作ったのはいったい誰なのか。
    構造が解明された今でも知的好奇心をくすぐられます。

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アンティキテラ古代ギリシアのコンピュータに関連する談話室の質問

アンティキテラ古代ギリシアのコンピュータの作品紹介

発見された2000年前の沈没船、引き揚げられた奇妙な謎の機械、その機械の内部には、複雑な歯車の構造があった。歯車による入力と出力の自在な変換は、中世の時計の発明を待たねばならぬはずだった。それが蒸気機関と結びついた時、「産業革命」が興り、数字と結びついた時、コンピュータは生まれた。二〇〇〇年前のギリシア人がつくりあげたその機械-アンティキテラ。いったい誰が何のために創った機械だったのか?大興奮必至の科学ノンフィクション。

アンティキテラ古代ギリシアのコンピュータの文庫

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