ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯

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制作 : 梨木 香歩 
  • 文藝春秋 (2010年11月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163733005

ある小さなスズメの記録 人を慰め、愛し、叱った、誇り高きクラレンスの生涯の感想・レビュー・書評

  • 表紙の可愛いスズメに惹かれて購入。
    写真を見て何か違うと思っていたら、日本のスズメとはまた違う、イエスズメという種類だと巻末で知りました。
    障碍を持って生まれ、自然淘汰されようとしたスズメのクレランスを、キップス婦人が助けて育てた12年と7ヶ月の記録です。
    写真が少なく、音声があるわけでもないので、意地悪なようですが、ペットに対する親ばかなのではないかと感じてしまいました。

  • 題名の通り。
    12年もの長きを生きたズズメの話。
    ただちょっと、他の鳥とは違う知性をもっていたよう。

  • 生まれつきハンデを持ったスズメを夫人が育てた記録。素敵な本。

  • 本当に素敵なことは誇張しなくても伝わるんだなと、改めて思った

  • 小鳥好きにはたまらない1冊。

  • 戦時下であること、障害を持ったこと、親鳥から見捨てられたこと、筆者の愛情を一身に受けたことなどの、スズメのクラレンスを取り巻く環境が、小さなスズメの才能を開花させたのではないだろうかと思った。
    クラレンスはハンディキャップを負いながらも、生を謳歌した。
    筆者との幸福に包まれた生活が、単なる飼い主とペットという関係以上のものを生み出したのだと思う。
    クラレンスの体温が伝わってくるような物語。

  • 雀が芸をしたというのも驚くことなのだろうけど、クラレンスが人間のように育ったことが私には驚きだ。環境によっては、雀だって人間のような心が持てるということだろうか。
    環境って大事だなってつくづく思う。そして、キップス夫人の愛の深さに感動する。
    これからは生きとし生けるものすべての物の見方が少し変わるのではないかと思う。

  • 最後にほろっと涙……。

  • 小さなスズメの小さな物語には、大きな幸福が満ちている。ところで、訳者あとがきを読み、梨木香歩さんの小説が読んでみたくなった。

  • 淡々と雀との生活を描いています。
    静かで、柔らかくて、とても温かいです。

    文章に品があります、品があるから
    深々としています。

    その静けさから、私たちはこのストーリーの音を
    聴くことができるような気がするのです。

    鳥が好きだから、動物が好きだから
    この本を読む、というよりは

    本を読むことが好きな人に、読んで欲しい作品です。

  • みなしごのスズメとの10年以上のつきあいを淡々と。スズメがそんなに長く生きるとは知らなかったし、スズメとこんなに深い関係を作れるのだとも知らなかった。動物との付き合いはたぶんに人間側の一方的な思い込みなのだろうとは思いながらも、いきもの同士の間に流れるものについて、ふと考えた一冊。

  • ペット、愛玩動物としての枠を超えている。
    著者がスズメをそう扱わなかったから、というのも大変大きいが。
    ピアノをきかせることで歌を覚え、自分で練習し、また芸を覚え、さらに老いるにあたっては、自分は苦しくとも、相手の人間が自分のためを思い施すことを受け入れる、そんなことがスズメに考えられるのか、本当に不思議です。
    生きるとはどういういことか。このような生物の観察に、我々は深く考えさせられます。

  • 昔からいつも身近にいて、いろいろな昔話にも登場してくるすずめですが、どこで、どのように暮らしているのか、何万羽もの雀がどのように寿命をむかえているのか、実は不思議がいっぱいです。

    本書は著者のクレア・キップスが生まれたばかりで巣から出てしまった小雀クラレンスと、第2次大戦最中のロンドンで共に過ごした12年間の記録です。
    客観的な記録ではあるが、動物行動生理学としての視点ではなく、自分の子供を慈しみ育てるような愛情と、対等なパートナーとして互いに理解し信頼している姿がすばらしい。

    コンラート・ローレンツの説く”刷り込み”と理解しても良いのかもしれませんが、著作のなかで示されたクラレンスの遊び、さえずりの能力、作者とのコミュニケーションは驚くばかりです。雀のクラレンスの”個性”が表れています。

    12年間の日々の中、幼鳥のクラレンスは大人になり、やがて年老いていきます。若い日の堂々とした”小さな鷲”のような誇り高き存在は小さくなり、自由にならない体を知恵で乗り越えていく姿に、作者は知性を感じています。皆に愛されたクラレンスはやがて静かに目を閉じていきます。

    小さな墓碑に刻まれたことば
    CLARENCE: THE FAMOUS AND BELOVED SPARROW

    訳者、梨木果歩の文章も静かで、とてもきれいです。
    原題の"Sold for a Fatering" は Fathingが1/4ペニーですが、”とても小さく愛おしいもの”という想いでしょうか。


    参考:
    ・すずめ、つかずはなれず2千年 三上修
    ・ソロモンの指輪 コンラート・ローレンツ

  • 生まれたばかりのスズメの雛クラレンス。おそらくその持って生まれた障害のために、野生では生き抜くことができないとみなされ(たかどうかは不明だが、その障害ゆえに)親鳥の庇護を受けられなかった。
    それをたまたま拾った著者が、クラレンスの、野鳥としてはおそらくありえないほど長寿である(らしい)12年近い生涯を見届け記録した観察記。

    著者がこの小さな生き物を慈しむさまは非常に叙情的であり、初めのうちは戦火を避けながらの日々であったことも忘れさせるほど。
    最期は老衰により命を閉じたわけだが、解説によれば、それは野鳥はもちろんのこと、飼い鳥でさえほとんど奇跡に近いことらしい。
    それほど、著者がクラレンスに心を砕き愛情を注いで世話をし続けたという証であろうし、また同時にクラレンスも著者の愛情に応えてみせたという証拠でもあろう。

    読みながらローレンツ博士を思い出し、また今、竹田津実氏の本を読んでいることもあり、動物学者(著者は違うけれども)は学者である以前に、動物の生態を明らかにする云々というよりむしろ、ただひたすらに動物が好きで好きでたまらないから眺め、記録し、そして気づく、それが結果として研究になるということなのかもな~としみじみ感じた本書であった。

    蛇足ですが…図書館で借りた本書は濃紺一色の装丁。表紙写真にあるような酒井駒子の装丁画はなく、おそらく表紙カバーを取り外した状態でフィルムを貼ったと思われる。
    う~ん、残念なんだけど~。酒井駒子の表紙絵残しておいてほしかった~。

  • 鳥一般についてよく知らないので、クラレンスが本当に特別なのか「うちの子が一番」的なところなのかさておいて、それでもこの小さなスズメが愛すべき存在だったのは間違いないだろうな、と。そして彼の一番の素晴らしさは晩年を迎えてからなのではなかったのかな、と思う。

  • あ〜、久しぶりに読み方間違えた…。




    今回はAmazonさんからそのまま引用↓↓
    第二次世界大戦中のロンドン郊外で、足と翼に障碍を持つ一羽の小スズメが老婦人に拾われた。婦人の献身的な愛情に包まれて育った小スズメは、爆撃機の襲来に怯える人々の希望の灯火となっていく―。ヨーロッパやアメリカで空前の大ベストセラーとなった英国老婦人と小スズメの心の交流を描いたストーリーを、梨木香歩が完訳。

  • 愛すべき鳥バカな記録

  • 右翼と左脚にハンディキャップを持つスズメとの12年間にわたる共同生活(そう呼んでもいいと思う)をつづった記録。観察は暖かい中にもきわめて冷静、客観的で誇張はないと思われるが、スズメ(このクラレンスの場合は特別かもしれないのだが)の個性や能力、感情の豊かさは驚くばかりだ。梨木香穂の訳文もいい。

  • 空想でもなく、偏愛でもなく、対等な関係として、スズメと関わり合ったまたとなき記録。

    喜び、愛、悲しみ、恐怖といった感情の表出。生物学的にも興味深い洞察。若さと老い。

    わたしも生命、生物であることを彼を通して、感じるのだ。
    汲み取るべきことが多い希有の書である。

  • 心が震える本。
    鳥が大好きなので、いとおしくて胸がぎゅうっとなって、読むのがもったいなく思えた。鳥は、賢い。人間に近い、ペットとしての存在としてみても、表情豊かで、全身で愛情を示してくれる。

    この本は、装丁も挿し絵も美しく、持っているだけで嬉しくなる。

    もちろん梨木さんの文章は梨木さんならでは。梨木さんの世界を言い表す言葉がなく、情けない。
    透明感がある。きちんとしている。
    愛情と、その背中合わせの冷徹な部分も感じさせる。
    梨木さんにしか書けない、美しい、美しい文章。

  • スズメはかわいい、スズメは。

    ただ、これって鳥を飼っている人ならだれでも思うことだけど、決してこのクラレンスくんが特別なわけではないんだよね。
    雄の鳥の多くは美しい声色で歌を歌うし、トランプを引きずり回したりピンを巣に運んだりする。
    どの鳥も賢く、気高く、愛らしい。
    「うちの坊やだけがどこか特別な生き物だ」と思いたくなってしまう気持ちは分からなくないけど、特別発言の頻度があまりに多い。
    もういいよ、お腹いっぱいだよおばあちゃん。

    「スズメの見た世界」や「スズメによって励まされた人々の姿」をテーマにしていると聞いて読みはじめたんだけど、
    ひたすらにおばあさんのスズメ自慢で終わってしまった印象でした。
    もちろん、おばあさんの生活がスズメによって大きく彩られたということは伝わってきたけど。

    「うちの坊やは特別」関係で一つ驚いたのは、クラレンスが生まれつき持っていた羽の障害がだんだんよくなっていったことに対しておばあさんが残念がっていたこと。
    羽の障害が彼を他のスズメとは違う、気高く特別な存在に見せていたのに残念だ、といった記載があったこと。

    よいか悪いかは別にして、おばあさんは自分が人とつながるための手段としてスズメを利用していた面があると思う。
    他では見れない特別なスズメ。
    美しい歌をさえずり、トランプで芸を見せる羽の曲がった特別なスズメ。私だけになついている特別な特別な生き物。
    スズメがユニークであればあるほど、人々は興味を抱き、結果としておばあさんの周りには人が集まる。
    孤独なおばあさんが注目を集め人とつながるために。坊やは外のスズメが歌わぬ歌を歌い、トランプを運び、羽が曲がっている必要があったのだ。

    …なんて、はじめはものすごいゆがんだ感想を持ったけど
    読み返してみると、カナリアの抱卵や外の鳥との交流からスズメが受けた影響など。この人でしか書けないおもしろい話もたくさんあって、普通に心温まった…

    なんていうか、こんな所で物事の細部を見ずに断定的な評価を下してしまう自分のヤバさを感じてしまった。一面だけで人やものを判断するのは危険です、気をつけよお…
    (でも、おばあさんスズメ利用説も一理あるはず…はず…)

  • 第二次大戦中、玄関先で拾った生まれたばかりのスズメが著者に拾われ11年もの長生きをした後、天寿を全うするまでを描いた作品。
    欧米人の「俺様が世界標準」的な臭いや、全世界共通の「飼い主バカ」な雰囲気も垣間見えるが、それらの欲目を抜きにしても確かに少々変わったスズメではあったようだ。何羽かセキセインコを飼った経験から言えば「うん、あるある」と思える事も色々。

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