- Amazon.co.jp ・本 (415ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163736204
作品紹介・あらすじ
ホテル経営の知識など皆無だった男が世界一の高級ホテルチェーンを築きあげた!ホテル業界の常識を次々に打ち破り、高級ホテル一本に特化、顧客のニーズにいちばん詳しいのは現場のスタッフだから何よりも人材を重視、スタッフを厳密に管理するのではなく、独自の判断で臨機応変に動くべしと説く。サービスを売るのではない、クオリティを売るのだ。
感想・レビュー・書評
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わたしたちの目標、信念、原則
わたしたちは何者か
わたしたちはホスピタリティ産業において唯一無二の卓越したクオリティの体験のご提供を専門とすることを選択しました。目標はいかなる場所においても、世界一のホテル、リゾート、レジデンス・クラブを経営する会社として認められることです。秀でたデザインと仕上げを使った永続する価値をともなったホテルを創造し、社内に徹底させたパーソナルなサービスという心意気によってサポートしていきます。そうすることで、フォーシーズンはわたくしどもの違いのわかるお客様のお好みを満足させ、世界一のホスピタリティ会社としての地位を維持できることが可能になるのです。
わたしたちはどのように行動するか
わたしたちはもっとも重要な信念を、自分がこうしてもらいたいと望むように相手に接することで表現します。お客様、取引先、提携先、同僚といったすべての双方向の意思疎通において、相手がこうしてもらいたいと思っているように、こちらも相手に応対できるようにします。
わたしたちはなにを信じているのか
わたしたちの最大の資産であり、成功への鍵となるのは、人です。当社で働くものはその行動において、誰もが威厳、誇り、満足感を持つことが必要であると信じています。お客様のご満足は、多くのスタッフの一丸となった協力にかかっていて、わたしたちは協力し、お互いの貢献と重要性に敬意を払って仕事をするときに、最も効率が発揮できるからです。
わたしたちはどうやって成功するのか
わたしたちは自分たちが行動する際にそれぞれの意思決定が明確な理解と信念に基づいているときに、そしてその確信が健全な財務計画と結びついたときに成功します。公平で適切な利益を上げ、会社の繁栄を揺るぎないものにして、お客様、取引先、従業員、オーナー、武主に長期にわたる利益を提供できるようにします。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
赤坂Lib
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感動が押し寄せる読後の余韻に浸っています。
これほどまでに感動した本に久しぶりに出会えたような気がします。
本著の副題「世界最高級ホテルチェーンをこうしてつくった」の通り、
創業者・会長のイザドア・シャープ氏の自伝です。
波乱万丈ですが確固たる信念で最高級ホテルグループを形成しました。
2011年1月日本語初版。
英語での上梓は2008年8月です。
ラグジュアリーホテルの雄であることは間違いないのですが日本ではあまり著作がなく、もう一方のリッツ・カールトンにまつわる著書のほうが多くあります。
個人的にはフォーシーズンがとても好きですが、その精神や哲学に触れる著書や機会はそれほどなかったため、最高のサービス企業の哲学にかなり衝撃を受けました。
貧しいポーランド系カナダ移民の著者が父親と小さな建設会社を立ち上げたところから伝説は始まります。
建設業者としてがトロントでモーターホテルと中級ホテルを建てたところから、いきなりロンドンで最高級ラグジュアリのホテルの契約をとるシャープ氏。
「最高の贅沢を提供できるほどに大規模で、最高のサービスを提供できるほどに中規模」というコンセプトで建てられたホテルは世界を席巻していきます。
シャープ氏の確固たる新年は、
「320室の中級ホテルではなく、230室の高級ホテルを建てるべきだ。
320室で上げる収入を私は230室であげてみせます」
「すべての客層に対応するホテルは作らない。特化していく。超高級の中規模のホテルしか提供しない。どの街でも最高級だと認められるホテルだ」
信念はホテルのコンセプトだけではなく、人、組織、会社のあり方など
様々なことについてつづられています。
シャープ氏がビジネスモデルの4つの柱とする
クオリティ、サービス、カルチャー、ブランド。
これらは並べられただけでは抽象的すぎて分かりにくいですが、
本著を精読して初めて分かったような気がします。
フォーシーズンはブランド維持のために上場を廃止しました。
株主による短期の要求に屈しない世界戦略展開がこれでできそうです。
そして、小人数の長期戦略投資家とパートナーシップを結びました。
そのパートナーとは古くからパートナーであるサウジアラビアのアル・ワリード王子と
新たにパートナーとなったとビル・ゲイツ氏。
シャープ氏を合わせて3人で長期的に株を保有するフォーシーズンズ。
これからも長くそのブランドは維持され発展されそうです。 -
最も気になるホテルブランドのひとつ。
いまでは、「普通のサービス」も、実はフォーシーズンズホテルが
最初にあみ出したサービスも多いようだ。
NYで泊まったホテルピエールの記述もあり、懐かしさもあった。
マネジメントとしては「現場力」「人間力」がポイント。