アンダーワールドUSA 下

  • 84人登録
  • 4.00評価
    • (11)
    • (10)
    • (9)
    • (1)
    • (0)
  • 10レビュー
制作 : 田村 義進 
  • 文藝春秋 (2011年7月22日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163742908

アンダーワールドUSA 下の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 登場人物たちのほとんどが、自分の欲望に忠実にふるまい、人を殺すことを何とも思わない。主な登場人物である、元警官のウェイン、フーヴァー長官の右腕であるFBI職員のホリー、覗き屋で探偵のまねごとをしているクラッチ。この3人もそれぞれに理由はあるが、目的のために悪事を働いている。彼らを結び付けているエメラルドの強奪事件と謎の女ジョーン。このジョーンが格好良くて最高。悪人たちが入り乱れて騙し騙される話をちゃんと収拾つける腕力もさすがだが、ウェイン、ドワイト、クラッチの葛藤の執拗な描写にはほんとにしびれる。新作読むのが楽しみだわ。

  • 現代最高峰。次元が違う。

  • このミス2012海外編5位

  • 下巻も半ばを過ぎて、ようやくエルロイらしいスピード感が出てくる。一気に物語をクライマックスに押し上げ、収束に向けて折り畳む筆力。ここに至って、ようやく冗漫に思えるほど長かった伏線が生きてくる。が、しかし傑作「アメリカン・デス・トリップ」のような鮮烈さは残念ながら感じられなかった。エルロイには死ぬまで猛毒を吐き続けてほしいものだと切に願う。

  • 「アンダーワールドU.S.A.」(2009年)は、キューバ革命とマフィアのカジノ計画の頓挫、ピッグス湾事件、そしてジョン・F・ケネディ暗殺を描いた「アメリカン・タブロイド」(1995年)、ベトナム戦争、キング牧師暗殺、ロバート・F・ケネディ暗殺を描いた「アメリカン・デストリップ」(2001年)に続く、ドミニカとタヒチへの新カジノ建設計画、ニクソン政権誕生などを扱った「アンダーワールドU.S.A.3部作」の3作目です。

    シリーズ2作目の「アメリカン・デストリップ」からシリーズ3作目の「アンダーワールドU.S.A.」の間に、「ディープ・スロート」と呼ばれたウォーターゲート事件の内部情報提供者の正体が判明したため、大幅な加筆修正を行ったために出版が遅れたと言われています。

    そのためか、マフィアとの絡みや主人公の存在感が前2作と比べて薄れているように感じられました、
    それでも、複雑な人間関係とプロット、現実と理想の狭間に揺れる登場人物の葛藤、逆らおうとしても抵抗することのできない大きな流れなどはシリーズを通して健在です。

    マフィアのボス、暗殺犯、大統領など、実在した人物が多く登場するため、虚実入り混じったストーリーにも関わらず史実と捉えてしまう人もいるかと思います。

    もしも願いが叶うなら、加筆修正を行う前の作品を読みたかったと思いました。

  • エルロイ アンダーワールドUSA 三部作最後。
    1作目、たまにギャグとしか思えないシーンが入る。
    2作目、傑作。誰もが結果を知っている歴史的イベントに向かって、虚実を混ぜて話を盛り上げていく。
    3作目、ブードゥー?アカ? 2作目まで出て来なかった要素が唐突。70年前後は「死ぬのは奴らだ」も映画になってるし、流行りだったんだろうか。
    3作読み通して、エルロイの激動アメリカ60年代史(50年代も70年代も入ってるけど、象徴的な意味での60年代)
    ボイト→ウォード→ウェイン→クラッチと師を乗り越えていく姿とフーヴァーとの対立。

  • 男たちの重苦しくよどんだいくつかの物語が徐々に交叉しはじめ、それらが突如奔流のように結実する終盤のカタルシスは近年随一。すべてを脳裡に焼きつけ記録した男の追憶でストーリーが閉じられた瞬間に吹き抜けたのは荒涼としたLAの風だったろうか。

  • なんか最後は急展開な気がしたなー。
    文章の中を動き回るキャラが多すぎて(毎度ですが)
    とっちらかってるような…。自分の読解力が不足してんのかな?

  • 遂に終わってしまった。
    シリーズ最後を飾るに相応しいラストだったと思う。
    従来のエルロイ的キャラクターは勿論だけど、今作は非常に女性が活躍していたように思う。
    そして愛に溢れていた。
    ハードな中に包み込まれる愛情。
    主要人物が死にゆくなか、この愛情のあるおかげで何か救われた気持ちになった。
    エルロイも歳を取って、トンガリが減って柔らかくなったんですかね?

  • 三部作の完結編。キング牧師、RFK暗殺後からウォーターゲート事件前まで。

    良くも悪くも、終焉に向かっているなというのが作品全体から受けた印象。フーヴァーは劣化し、ヒューズやマフィアのボスたちは間接的にしか登場しない。前二作と比べて、実際の出来事や人物との絡みが激変している。その代わり小説としては自由度が増した。途中、ブゥードゥーという、おかしな方向に行きはしたが、冒頭の襲撃事件を軸にくねくねと変化するストーリーに飽きはこない。

    本作品で初登場となるキャラクターがいるのだが、彼の存在はシリーズの中でもちょっと異なる。そのせいか、毒々しいまでの悪の香りが若干弱い。きれいにまとまっているとは思わないが、結局みな望んだ決着になってないか。疾走しながら崩壊していくことを期待してたので、ちょっと意外な感じだった。相変わらず女性キャラはかっこいいなあ。お見事です。

全10件中 1 - 10件を表示

ジェイムズ・エルロイの作品

アンダーワールドUSA 下に関連する談話室の質問

アンダーワールドUSA 下を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

アンダーワールドUSA 下を本棚に「積読」で登録しているひと

アンダーワールドUSA 下の作品紹介

殺されゆく者の絶望と殺す者の苦悩が交錯し、すべての物語がひとつに雪崩れ込む。白人の帝国アメリカの最期を描きつくす暗黒の交響楽、圧巻のクライマックス。幾筋もの黒い奔流がついに一つに合流し、やがて訪れる荘厳な最終楽章。"アメリカ文学界の狂犬"が白熱の文体で奏でる畢生の大作。

ツイートする