世界を変えた10冊の本

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  • 文藝春秋
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  • / ISBN・EAN: 9784163743905

感想・レビュー・書評

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  • いただきものの本。
    池上さんの書籍は読みやすいのでついつい本棚に加えてしまいますね。

    世界中で読まれ、その内容や考え方が全世界に影響を与えた10冊の本について紹介している。
    ・アンネの日記
    ・聖書
    ・プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    ・沈黙の春
    ・雇用、利子および貨幣の一般理論
    その他5冊。
    「名前は知っているし興味もあるけれど、難しそうで手が出ない」
    そんな人のきっかけにうってつけの本である。

    『聖書』『イスラーム原理主義者の「道しるべ」』『資本主義と自由』の三冊が特に興味深い解説でした。
    こうして俯瞰すると、宗教、経済、科学の3分類が10冊のラインナップから見てとれます。
    不思議なことに、解説を読んでいると、経済の話なのに宗教的文化に言及している箇所があったり、宗教が科学の主張に真っ向から対峙している様が読みとれたりして、3分類が相互に影響を与える様子を確認できます。
    一冊手にとると連鎖的に知的好奇心を刺激するような構成にしているのでしょうか。
    気合いを入れられるタイミングで、ぼつぼつ手を出してみたいと思います。

  • 『資本論』『コーラン』『アンネの日記』からケインズ、フリードマン、M.ウェーバーまで。池上解説で今度こそわかる、現代を読み解く“新古典”10冊。

    第1章 アンネの日記
    第2章 聖書
    第3章 コーラン
    第4章 プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
    第5章 資本論
    第6章 イスラーム原理主義の「道しるべ」
    第7章 沈黙の春
    第8章 種の起原
    第9章 雇用、利子および貨幣の一般理論
    第10章 資本主義と自由

  • 世界的に有名な書籍10冊を紹介した本です。

    【内容情報】
    『聖書』の基礎を知ることでみえる歴史の流れとは?革命の原動力となった『資本論』の理論とは?『コーラン』『種の起源』『アンネの日記』からケインズ、フリードマンの経済書まで、世界史に大きな影響を与えた10冊を池上彰が厳選、その内容と歴史的意義を解き明かす。現在の国際問題や思想の源泉がわかる、現代人、必読の教養書。(「BOOK」データベースより)

    【目次】
    第1章 アンネの日記/第2章 聖書/第3章 コーラン/第4章 プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神/第5章 資本論/第6章 イスラーム原理主義の「道しるべ」/第7章 沈黙の春/第8章 種の起源/第9章 雇用、利子および貨幣の一般理論/第10章 資本主義と自由(「BOOK」データベースより)

     ジャーナリストとして活躍されている池上彰さんは、NHKで1994年から11年にわたって「週刊こどもニュース」のお父さん役として活躍していました。2005年からフリーになっていろいろなニュースの解説などをされていますが、分かりやすくて本質をついた解説はとても分かりやすいなと思います。

     今回ご紹介しているこの本も、池上彰さんらしい「分かりやすくて深い解説」が綴られています。

     特に「聖書」「コーラン」と続く解説は、その後のイスラーム原理主義の「道しるべ」などにも通ずるものがあって、なるほどそういうことがイスラム問題に深く関わっているんだなということを教えてくれます。

     また、「アンネの日記」では父親の手による編集が行われていたことなども書かれていて、原本となる日記はもう少し等身大の女の子としての感想が書かれているということも知りました。

     さらにカール・マルクスの「資本論」やダーウィンの「種の起原」など、しっかりと読んだことが無いのに分かったような気になっていた本も、その背景などがしっかりと書かれているばかりではなく、その時代の動きや著書によってどのようなことが起きたかなども丁寧に書かれています。

     本の感想文や紹介というよりは、書籍にまつわる社会情勢や著者の思想などに踏み込んだこの一冊。とても読み応えのあるものでした。

  • 池上彰さんの本、初読。
    とてもわかりやすい文章で、読みやすい。
    普段なら投げ出してしまう苦手な分野の記述についても、なんとか読むことができた。
    やっぱりお話が上手な人は文章も上手なのだな、と改めて思う。

    「世界を変えた10冊の本」。
    あげられた本はの主題は宗教、経済、環境などそれぞれ異なっているけれど、
    根底には「宗教」があって、
    今も昔も世界は神様を中心にまわっているのか、と思う。

    資本主義を語るときに、
    宗派が関係してくるというところが特に興味深かった。
    おそらく、学生時代に勉強していていたのだろうけれど、
    すっかり頭から抜けきっております。

  • 分かりやすい!

  • 良書。10冊の内訳が聖書等の宗教関連、そして経済書。宗教は世界を変えたとは感じるが経済書が?と思って読み進めると世界を形作る根幹が経済と気づかされる。経済が政治を作り、国を作る。そこに気がつけただけでも良書と言える。池上氏の軽い口調には時折加齢臭を感じて苦笑するが読みやすく面白い。

  • 概要を読み込んで、興味のあるものを手に取ると入り込み易いと思う。一気に読めました。

  • ①アンネの日記/アンネフランク
    生理がきて驚いたり、ペーターに恋をしたり、結構普通の日記だったんだなぁ。

    ②聖書
    いわずもがな。

    ③コーラン
    ジハード(聖戦)という考え。
    「戦いを挑むものがあれば、アッラーの道において堂々と迎えうてば良い。」
    というコーランの一部から、
    これが、過激派勢力を生んでしまった。
    ジハードで死ねば、確実に最後の審判で天国にいけると言われてるから。

    ④【プレテスタンティズムの倫理と資本主義の精神/ウェーバー】
    「労働は神が望まれた天職である。」
    時間を浪費すると言う事は一番の罪であり、財産を持つ人も働かずに食べてはいけない!神の栄光を示すために働かなくてはならない。

    宗教的観念による労働は、経済発展の礎を築いたとともに、
    働く意味という人類の疑問を解決することで、とても楽になっただろう。

    資本主義が発展した基となる世界を変えた本。

    ⑤【資本論/マルクス】
    労働者は資本家により搾取されている。
    やがてその抑圧が激しくなり、労働者は組織を組み、襲撃を繰り返し、収奪者の私有財産が剥奪される日が来る。

    それじゃダメ。労働者は労働「力」を商品に売買する制度を作る。
    資本家は、労働力にお金を払うだけなので、時間ぴったりに終わって良し!労働者は労働時間以外は自由。賃金は時間制。
    労働力が低い人はそれなりの賃金で契約となり、労働力自体が価値となる。

    社会主義としてロシア中国で失敗したが、確実に世界は動いた。


    ⑥【イスラーム原理主義の「道しるべ」/クトゥプ】
    ビンラディンが教本としていた。

    イスラームが人類を導く。
    世界全体が無明社会である。
    イスラーム以外のシステムではダメだ。アッラーにのみ従い、服従しなくては。

    恐るべき、世界を変えた本。


    ⑦沈黙の春/レイチェル・カーソン
    農薬や、化学物質に意義を呈し、このままでは自然が沈黙する。
    春が来ても、沈黙の春だ。

    環境問題への感心を一気に惹き付け世界を変えた。

    ⑧【種の起源/ダーウィン】
    「われわれの知識は浅いのに思い込みだけ甚だしい。」

    種は神が作ったものではなく、自然淘汰により滅びた種と、変化し、進化する事で生き延びた種がある。
    種はただの、適者生存。

    強いものが残り、弱いものが淘汰されるだけのこと。=社会ダーウィニズム
    白人が黒人を支配するのも、ナチズムも、正当化出来る理論。

    聖書に書いてるものが真実ではないという思想が世界を変える。


    ⑨【雇用、利子および貨幣の一般理論/ケインズ】
    「この経済社会の欠陥は完全雇用ができないこと。富と所得の分配が恣意的に不公平なこと。」

    公共事業で乗数効果を引き起こし、お金を流動させる仕組みを作った。
    古代エジプトのピラミッドもインフラ整備の公共事業だった説もある。
    経済活動の活性化による仕組み作りで世界を変えた本。


    ⑩【資本主義と自由/フリードマン】
    政府を変えた本。
    シンプルイズベスト!

    「政府の仕事は個人の自由を国外の敵や、同国民の侵害から防ぐに限ること。」
    それ以外は自由だ!

    政府があれこれ規制するから、経済が発展しない。
    お金の供給量だけを調整してあげれば、政府なんて、国防以外にいらない。

    決まりがあるから、逸脱したり、抜けようとする。
    決まりがあるから、それを盾にし、守ろうとする奴が出てくる。
    競争心や、個人の利益を考え、刺激する意味にも、政府があれこれ決めるべきではない。

    なんもいらねー。国がやってた日本の郵政も民営化になった。
    それがリバタリアリズム(自由至上主義)

  • *1859年 種の起原
    生物は神の創造によるものとしていた社会に衝撃
    生存闘争による進化
    (考:企業も同じか?)

    影響→(マルクス)自然淘汰の理論=資本主義の自由競争
       (社会的強者)力の有るものが市場を独占するのは当然
        白人がアジア、アフリカ人を支配するのも当然
        ナチスドイツによ人権の優越

    自然は人間社会が強くなると汚れる?
    人間社会と共生する為、生き残る生物は美しさを失う?
    ゴキブリ、カラスの進化はこうでないと生き残れないから?

    *アンネの日記 1993年

    なぜユダヤ人は差別されるのか?

    新約聖書のマタイによる福音書の中でユダヤ教の改革運動をしたイエスを死刑にしたのはユダヤ人「その責任は子と子孫にある」

    金融業は卑しいものとされた為ユダヤ人

    ドイツ人は自国の危機を脱するためユダヤ人という敵を作り上げた

    旧約聖書=ユダヤ教(ヘブライ語)
    新約聖書=キリスト教(ギリシャ語)

    旧約聖書:ユダヤの民がエジプトで奴隷として働かせられ神がモーゼを指導者にエジプトから脱出を手助け
    神はユダヤの民に対して十戒を設け、カナンの地を与えた

    イエスはユダヤ人だが、改革→死刑

    ユダヤ教には救世主思想がある。救世主が世界の終わりがくる前に世界を救う。

    イエスの信者はイエスこそメシアだとしてキリスト教完成

    旧約聖書の中で神はアブラハム(ユダヤ民族の代表)にカナンの地(現パレスチナ=イスラエル)を与えた。約束の地

    十戒
    ①あたしをおいて他に神が有ってはならない
    ②いかなる像をつくってはならない
    ③あなたの神の名をみだりに唱えてはならない
    ④安息日
    ⑤父母を敬え
    ⑥殺すな
    ⑦姦淫してはならない
    ⑧盗むな
    ⑨偽証してはならない
    ⑩隣人の家をほしがるな

    旧約聖書は細かく食べ物にも言及

    旧約聖書は元々アラビア語。元のものと今のギリシャベースのものは微妙に異なる

    新約聖書は

    ①4つの福音書(マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネ)
    ②使徒言行録
    ③パウロの手紙
    ④後悔書簡
    ⑤ヨハネの黙示録
    の編成

    福音書はペトロ、トマスの存在も確認されている

    1970年エジプト、ナイルでユダの福音書(2006年に出版)

    ユダはイエスを裏切ったが
    福音書でユダはイエスに頼まれてイエスを当局に売ったと書かれている→キリスト主流派は拒否。

    キリストの言葉はたくさんあったが、
    397年のカルタゴ協会会議で現在の新約聖書にまとめた

    マリアが夫のヨセフだがマリアは処女懐胎、聖霊によって宿った→子がイエス

    イエスの弟子=使徒は12人

    イエスの死刑後、3日後、天使に導かれイエスは復活。弟子たちに自分の教えを広めるように命じる。
    その後、40日して昇天、その後イエスは天使と共に地上に再臨、最後の審判を行って神の国を実現

    ヨハネの黙示録には、ヨハネの受けた神の黙示
    神の国と世界の最後のイメージが与えられた。この世の終わりにはサタンが神に挑戦し最後の決戦を挑む。場所を「ハルマゲドン」

    キリスト教→ローマ定刻の国教に→東と西に分裂→
    ローマカトリックと東方正教(ギリシャ正教)が成立
       ↓           ↓
    カトリックとプロテスタント/東方正教はロシアに伝わりロシア正教に

    プロテスタントのうち、ヨーロッパで迫害を受けた人々が旧約聖書に描かれた出エジプトをイメージし、新しいイスラエルの建設を目指し、西へ旅立つ→アメリカ建国


    ■コーラン
    アッラーはアラビア語で神=GOD

    ユダヤ教は「律法」(トゥーラー)
    キリスト教は旧約、新約聖書
    イスラム教はコーラン

    イスラム教にとって一番大事なのは預言者ムハンマド
    ノアもイエスもモーゼも預言者だが、
    神がそれらに託したにも関わらず人々が正しく行わなかったため最後のムハンマドに託した。Last Chance

    イスラム=帰依するの意

    ただムハンマドはあくまで預言者であり、人。
    拝むのは神(アッラー)のみ。

    ムハンマドは570年、メッカで生まれる。
    40才までは普通の商人だったが40歳の時、神の言葉を聞く。

    神→天使ガブリエル(ジブリール)→ムハンマド(読み書きができなかったため、暗記し伝承)

  • アンネの日記について初めて知った。

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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