「つなみ」の子どもたち

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163746807

作品紹介・あらすじ

18万部のベストセラーとなった作文集から生まれた、10の家族の喪失と再生のドキュメント。作文を書いてくれた子どもたちの「その後」。

感想・レビュー・書評

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  • この本の前に「つなみ 被災地のこども80人の作文集」という本があるのですが、そちらは未読です。
    でも是非読みたいな、と思いました。

    10組の家族が出てきます。
    それぞれ子どもの作文と、作文からだけでは分からない家族の物語が後の丁寧な取材によって書かれています。

    まず感じたのは、子どもたちの圧倒的な強さです。
    父または母をなくした子、両親をなくした子もいます。
    でも皆前向きに進んで行こうとする気持ちが、作文には表れています。

    もちろん、まだこの後の人生は長く、どのような影響が出てくるかは分かりません。
    だけど、少なくともこれらの作文からは「強く生きていこう」という気持ちが感じられました。

    そしてその子ども達に生かされる大人達。
    子どもがいるからなんとか生きているという感じの方もいます。

    「誰かが誰かを支え、それによって生かされる、人のもっとも自然で本質的な部分を、被災地の家族はごく自然に体現していった」と書かれていますが、本当にそうですね。

    家があって、そこに家族揃って暮らせる事がどんなに幸せな事なのか。当り前の幸せを噛み締めて、感謝できるようにしないといけない。自分の子ども達にも伝えていかなければならないなと思いました。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「子どもたちの圧倒的な強さです」
      この一言で読んでみたくなりました。
      「子どもたちの圧倒的な強さです」
      この一言で読んでみたくなりました。
      2012/09/05
    • しおねさん
      nyancomaruさん
      この本は少しでも興味を持たれたのなら、是非読んでみてください!
      nyancomaruさん
      この本は少しでも興味を持たれたのなら、是非読んでみてください!
      2012/09/05
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「是非読んでみてください! 」
      図書館に2冊ともあったので予約します(限度一杯なので、届いてる本を土曜日に借りて来てから)。
      「是非読んでみてください! 」
      図書館に2冊ともあったので予約します(限度一杯なので、届いてる本を土曜日に借りて来てから)。
      2012/09/06
  • 「「つなみ」の子どもたち」森健著、文芸春秋、2011.12.10
    286p ¥1,470 C0095 (2019.04.02読了)(2019.03.28借入)
    2011年3月11日の東日本大震災から3か月過ぎたあたりに著者は、下記の本を編集出版しています。
    「つなみ 被災地のこども80人の作文集」森健編、文芸春秋、2011.06.28
    宮城県、岩手県の被災地を訪ねて被災地の子供たちに作文を書いてもらったものをまとめたものです。僕も出版されて間もなく購入して読みかけたのですが、そのままになり、改めて読み切ったのは、2015年でした。
    東日本大震災から5年後の2016年に下記の本が出版されています。
    「つなみ 5年後の子どもたちの作文集」森健編、文芸春秋、2016.02.24
    こちらも、出版されたときに購入したのですが、2019年になってやっと読みました。
    ネットで調べると最初の作文集の一年後に、福島の子供たちの作文30人分を追加した下記の本を出版しているとのことです。
    「つなみ 被災地の子どもたちの作文集 完全版」2012/6/13

    この本は、最初の「つなみ 被災地のこども80人の作文集」を出版する際に会った子どもたちとその家族に取材してつづったものです。
    最後の牧野アイさんに関しては、昭和8年の三陸大津波の経験者で、東日本大震災も経験した人です。
    作文集『つなみ』は吉村昭著『三陸海岸大津波』にヒントを得て編集されました。

    子どもたちの作品と著者の取材してまとめたものが収録されています。
    被災した時の様子、親兄弟などとあったときの様子、避難所生活、等が綴ってあります。

    【目次】
    はじめに
    中村まい(仙台市若林区東六郷小学校二年)
    ―大切なものを流されて
    鈴木智幸(石巻市渡波小学校二年)
    ―避難所という癒し
    鈴木啓史(石巻市東松島高校一年)
    ―不良息子奮闘記
    平塚俊彦・真人(女川町女川第二小学校六年・四年)佐々木莉奈(石巻市釜小学校二年)
    ―えびすご兄弟
    佐々木悠(南三陸町志津川小学校六年)
    ―みんな知り合いでみんな家族
    鈴木愛(気仙沼市気仙沼中学校一年)
    ―父と娘の「復興計画」
    洞口留伊(釜石市鵜住居小学校三年)
    ―理想のマイホーム
    八幡千代(大槌町大槌小学校五年)
    ―一番大事な娘と一番大好きな妻
    黒沢菜緒佳(大槌町大槌中学校二年)
    ―それでも赤浜で暮らしたい
    牧野アイ(田老村田老尋常高等小学校六年)
    ―「津波残り」として生きる
    終章 悲劇はなぜ繰り返されたのか
    おわりに
    作文を書いてくれた子どもたち

    ☆関連図書(既読)
    「つなみ 被災地のこども80人の作文集」森健編、文芸春秋、2011.06.28
    「つなみ 5年後の子どもたちの作文集」森健編、文芸春秋、2016.02.24
    「東日本大震災100人の証言」AERA緊急増刊、朝日新聞出版、2011.04.02
    「三陸海岸大津波」吉村昭著、中公文庫、1984.08.10
    (2019年4月11日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    ベストセラー『つなみ―被災地のこども80人の作文集』を企画取材した著者が描く、7つの家族の喪失と再生の物語。平成最大の災害を、子どもたちは「書くこと」でどう乗り越えたのか?私たちは何を学べるのか?第43回大宅壮一ノンフィクション賞(2012年)受賞作。

  • 子どもの絵って凄いけど、文章もなんだな。
    あんまり「生」なせいか、今更震災鬱に陥ったかも。
    資料としては、物凄く強くて貴重だけど、我が子に依頼があったら断るだろうな…。「書く」ことで救われることは、あるかもしれないけど、開始時期を考えると時期尚早な気が…。
    でも、読みたい。読者の心理。
    「つなみ 被災地のこども80人の作文集」も読んでみたいけど、少し間を置かないと、ホントに鬱になるかも。

  • 小学生から高校生まで、被災地の子どもたちの視点というところに興味をもった。
    この本を作る元となった「つなみ 被災地のこども80人の作文集」も読んでみたいと思った。

    志學館大学 : ピノコ

  • 小学生から高校生まで、被災地の子どもたちの視点というところに興味を持った。この本を作る元となった、「つなみ 被災地のこども80人の作文集」も手にとって見たいと思った。

  • 2011年3月11日、東日本大震災。
    その震災にあった子どもたちの作文集「つなみ」がある。被災地の子ども80人の作文集だ。子どもたちの作文は読む人の心をつかみ、この災害を語り伝えるのに適したものだったが、それだけでは伝わりきらない部分もあった。
    本書は、10の家族にスポットを当てて、子どもの作文と、その子の家族の状況や思いを取材したドキュメント。

  • 吉村昭の三陸海岸大津波に作文を残した子どもが2度めの津波にあっていた

    高台へ移転して被害が少ない地域があった 吉浜 あわびで有名
    先人の教え 

  • 文集「つなみ」を読んでいたのでこちらも購入。作文を書いた子どもたちの背景や家族、その後が丁寧に綴られている。 震災ドキュメントにありがちな、「俺が俺が」的な自画自賛論調や 悲惨さをとりわけ強調するような感じじゃなく、たんたんと事実を追っていく姿勢と、子どもたちへのまなざしの温かさも感じられて、いいなと思った。吉村昭の津波の本にも出てくるおばあちゃんの話と6人きょうだいの次男くんのお話が特に印象に残った。

  •  ジャーナリストが被災した子ども達に作文を書いてもらい、その子どもと家族の取材と共にまとめたノンフィクション。

     各子どもごとに最初にその子が書いたそのままの原稿用紙とその子の写真が載っているのがいい(作文の内容はちゃんと次のページに印刷されても載っている)。
     子ども達が表現により癒すというだけでなく作文を色々な人に読んでもらうことに喜びをもって作文を書いているのが伝わってくる。子どもの作文の内容を知った親の反応も興味深い。家族や地域が再生を目指す姿も伝わってくる。

     昭和初期の「三陸海岸大津波」の小学生の作文に発想のヒントを得た企画。これからもこういった試みが続くことを願う。

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著者プロフィール

森 健(モリ タケシ)
野村総合研究所(NRI)未来創発センター、グローバル産業・経営研究室長
野村総合研究所(NRI)未来創発センター、グローバル産業・経営研究室長。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)経済学修士課程修了。専門はデジタルを含むグローバル経営環境分析。共著書に『デジタル資本主義』(2019年度大川出版賞)、『デジタル国富論』(いずれも東洋経済新報社)、『グローバル・ビジネス・マネジメント』(中央経済社)などがある。

「2022年 『デジタル増価革命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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