- Amazon.co.jp ・本 (158ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163752303
作品紹介・あらすじ
日本人なら一度は読んでおきたい日本の始まりのものがたり。ベストセラー『口語訳 古事記』の著者が「あらすじ」でさらにわかりやすく、「解説」でその謎と魅力に迫る。
感想・レビュー・書評
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これまで数冊の古事記本を読んできたがようやく理解できた感じがする。上巻の神武天皇が橿原まで来るところまで。あらすじの後の解説が秀逸で,理解に至らないあやふやな状態に意味をもたらす。この意味形成もこれまでの読書による知識が生じさせているとは思うが。
北方系と南方系の神話の統合,男系社会を正統とするための神話の形成,日本書紀との違い,バナナと石,など興味深い知識を得た。
それにしても見るなと言われても見ちゃうのね,神様も。禁止の無視という行為は原始的で,最も人間らしい行動かもしれない。研究の価値があるな。 -
結構細かなところが、結構興味を引くような形で書かれていて、古事記の記述はそれなりに知っているつもりだけど新たに知ることが多かった。
著者の解説も知的好奇心を満たすのに最適だし、古事記にまつわる各書の写真も神秘的で、僕の中にある「日本人」の古層があらわになった感じ。
古事記をまったく知らない人も、結構知っているつもりの人も、一読の価値あり。 -
分かりやすいですが、出てくる名前が長いので、そこだけがくろうしました。マサカツアカツカチハヤヒアメオシホミミとか…
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日本の神話は当時、天皇、大和朝廷を正当化するために権力者によってつくっれたつくりばなしともいえる。
しかし、当時の社会を反映した土着の民話伝承の集成であり、日本語形成途上の未分化な状態で語られる(記述されている)(漢字一文字が一音[p23]、記述方法が口述筆記の可能性[p23,24、「語り」体p42])こと、そしてなによりも生理的エロティシズムが積極的に、当たり前のようにとりいれられていることが大きな魅力である。
たとえば、当時の重要な交易品の翡翠の産地が重要な末端(追い詰められるタケノミナカタ[p107]など)で幾度か登場する。岩戸開きでは、アメノウズメの妖艶な踊りはもとより、アマテラスを誘い出すために差し入れた鏡の作り方にもエロティシズムが色濃い[p44]。ヤマタノヲロチが斐伊川であった[p55]というのも美しい。
また、アマテラスが鏡を知らない[p45]とか、アメノウズメは踊りだけではなくにらめっこが得意[p128]など、パッチワーク(キルト?)のような記述にも口述筆記の息づかいがあるのではないか。そこから意図しない滑稽さや不可思議さも生まれている。
前半のくにうみ、スサノオの追放あたりまでの魅力に比べると、葦原の中つ国(地上)が成熟する辺りからは権力の恣意性が直にあらわれているよう。植民地社会の成熟と独立運動に似ている。派遣した神が戻って来ないなど[アメノホヒp102]。
物語の視野自体が後半になると小さくなり煩雑のなる。初期の神々などをうむ交わりの段階でも確かに性交に限定されるなど狭いのだが、目を洗っただけで神が生まれる[p21]など、神ともなるとひとつひとつの行為のスケールが大きい。 -
SLBA選定図書 2012年度 第2期 Aセットから
古事記編纂1300年に当たる今年、ベストセラー「口語訳古事記」の著者が「あらすじ」でさらにわかりやすく、その謎と魅力を伝えます。
分類 913/ミ -
資料ID:81200453
請求記号:913.2||M
配置場所:普通図書
【IM科2年】
この本は、古事記の神話部分をあらすじで紹介している本です。
あらすじだけでなく、系譜などの解説も載っているので、古事記に関する知識がなくても読めます。
古事記に関係する場所や行事を写真と共に紹介しているページもあるので、長い文章を読むのが苦手な人にもおすすめします。
【IN科3年】
私が書くものは紹介文ではないか!が、普段本を読まない方に紹介しよう。本書は本を読む気になる方法から筆を執るまでを優しく助けてくれる。感想文の例文として名作がいくつか使われているので、興味を惹かれればこれを機会に手を伸ばしてほしい。特に「老人と海」は多く引用され、うっかり私も借りに走らされた。例文の質も保証しよう。悪い例文が併記されている点もよい。本を読むきっかけが無い方へ、入口はこちらです。 -
古事記としては、非常に分かり易く書かれている。また時折解説をおりこむことで、読者の理解を助けている。解説部にはわりと作者の独自解釈な部分もあるものの、理論立てて語られているため説得力があり、興味深く読ませてもらった。特に青草人に関する考察は印象に残った。