幻影の星

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著者 : 白石一文
  • 文藝春秋 (2012年1月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163810904

幻影の星の感想・レビュー・書評

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  • 白石さん特有のくどくどとした文章に辟易しつつも、なお読後感は良かった。作者の作品にしては珍しく癖のない爽やかな青年が主人公になっているせいだろうか。東京と長崎を舞台にし震災後の作者の死生観を余すことなく描いている重い作品ではあるけれど、武夫とるり子の恋愛作品として読むこともできる。
    二人が時を超えて再会する展開は、1Q84の天吾と青豆を彷彿とさせると感じたのは私だけだろうか。

  • そんな中でも健ちゃんのことばには救われた。

  • 未来の出来事の写真が保存されたメモリーチップや携帯電話を、そうとは知らずに受け取った男女のストーリーと要約してしまうと、そこから漏れるものが多過ぎる。この未来から来たチップや携帯という部分以外は極めてリアルな現代の社会や世相を描いた小説と言え、東日本大震災による大量の死や放射能のリスクといったものを強く意識して書かれている。特に、人が外界を認知する方法とか、人にとっての死の意味といった点については、現象学的な観点を含めた哲学的切り口から掘り下げられている。
    しかし、本書は難解な小説ではない。むしろ、さわやかで、真っ直ぐに一生懸命生きる人に対するエールのようなものを感じる。もっとも、一言で説明できるほど単純なものではなく、だからこそ味わい深いのかもしれない。不思議な読後感に浸っている。

  • よかった。
    イリュージョン。
    ありえない話は基本好きじゃないんだけど、これはありそうな?気がしたし、あってもいいような気がしたからかなぁ。
    この人の書く男女は影があるというか、日陰の人が多い気がするけど、確かな愛情を感じるし、納得できる流れ。

    たぶん自分にはあってた本。

  • 有りそで無さそで分かるような分からないような。でも少し納得してる自分がいたりする。

  • また奇天烈現象シリーズでした。
    そして主人公がもやもや考えるところが、よくわかんないけどいいのかもしれない。
    変な恋人堀江さんはなんなのか?確かにイリュージョン。
    途中唐突なルルドの話が何故か良かったけど、最後がまたいい。こういうことある。
    写真の意味に気づいて、るり子が現れるあたりから面白くなった。前半はもやもやとした幻影。後半は幻影がストーリーになって楽しめた。

  • 55頁より
    故郷は、人だけでできてる
    わけじゃない
    海や山や川、風や空気
    木や草や花だって立派な故郷

  • 初めて読んだ作家さん。
    ある日、自分が購入したコートとまったく同じものが母親のもとに届けられた。
    けれどアパートのクローゼットに、コートはある。
    送って貰ったコートのポケットから見つけたメモリにあったのは、自分が持っているデータとまったく同じ。
    ただ、最後のデータだけが違った。

    顧客から届いたのは彼女の携帯。拾ったという。
    携帯に納められたデータは自分のものとまったく同じ。
    ただ、最後の画像は見知らぬ男のものだった。

    ちょっと観念的な作品だ。

  • 帰省してもいないのに母から電話で「こっちに戻ってきてたの?」と聞かれたら??? だったろうな。
    さらに、ネーム入りレインコートを置き忘れている。
    え、自宅に同じレインコートがあるのに!!!
    ポケットに入っていたSDカードから、何か掴めそうなんだけど……。
    そんな夢みたいなことがあったらドキドキしちゃいそう。

  • ちょっとよく分からない本だった・・。
    数年後、またチャレンジしてみたい。

    共感した部分メモ。
    P145「大震災と共に何もかもが流動化してしまったのかもしれない。福島の原発はいまだに放射能を放出し続けているし、日本列島のいたるところで地震が頻発し火山活動が活発化している。これで人心が安定するわけも無く、案の定この国の政治や経済もふらふらしっぱなしである。」

    P148「確かに現在の福島第一原発の状況を見れば、赤ん坊や小さい子供たちを関東圏で育てるというのはなかなか厳しい判断だ。」

    P155「女性が見る生命と、男性が見る生命とは似て非なるものだ」

    P203「(低線量の放射線)どちらにしろ、そのような理不尽なリスクを僕たちが進んで背負う必要があるとは思えない。」

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幻影の星の作品紹介

郷里の母から送られてきた、バーバリーのレインコート。なぜ?ここにもあるのに…。震災後の生と死を鋭く問う、白石一文の新たな傑作。

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