鍵のない夢を見る

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著者 : 辻村深月
  • 文藝春秋 (2012年5月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (231ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163813509

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鍵のない夢を見るの感想・レビュー・書評

  • 友だちのお母さんは、泥棒。「仁志野町の泥棒」
    私に言い寄った男が放火犯だなんて。「石蕗南地区の放火」
    ストーカー男に連れ去られて。「美弥谷団地の逃亡者」
    汚されないまっさらな夢。「芹葉大学の夢と殺人」
    うちの子みませんでしたか。「君本家の誘拐」

    真ん中の3作品は、ダメンズウォーカー極まれりな…。
    こんな奴おらんよ、と笑い飛ばせない薄気味悪さ、ふと魔が差す瞬間。
    実際にあった事件をモチーフにしているのかな、というのもあって、何だかあまり小説という感じもしなかった。

    以前に直木賞の候補作になった「ゼロ・ハチ・ゼロ・ナナ」にも似ている、なんだかわからないでもないけれど居心地の悪い感じを受ける短編集だった。
    しかもゼロ・ハチ・ゼロ・ナナではまだあった救いもなく、屈折度が高い。
    直木賞の選考委員って、こういうテイストが好きなのかしら。
    辻村さんの作品は好きだけど、やっぱり青春ものとか描いたものの方が個人的には合うかなぁ。

  • 女性たちの生活の延長線上にある事件や出来事を描いた5つの短編集。

    第2、3、4話に登場する男たちの持つ闇は、一見特異なものに見えて気味が悪く、読み続けているといら立ってくる。主人公の女たちもどうして関わることを止められないのか?
    けれど、離れられないのにはわけがある。
    自分だけが相手の良さを認めているのだという優越感。
    自分は切望されているということに自尊心をくすぐられている。
    第3者である友人たちや読者は、それを諌めようとするが届くはずもなく・・・。
    事件性が強いので一見、遠い対岸のことのように思われるが、登場人物たちに似たような思考を持つ人は実は近くにいそうだ。ただ、大概の場合はそれぞれの持つ自制心や良心によって、表面化しない人が多いのだと思うけれど。

    また、第5話は昼間は2人だけの生活を余儀なくされる母親と赤ちゃんの話。予想通り追い詰められていく様子と自分が想定した生活以外を認めない融通の利かなさが書かれているが、最後の最後に少しだけ救いがある。

    子ども特有の潔癖さや正義感を持った主人公と、少しだけ先に大人になっていく同級生の友人との対比、最後にもたらされる仕打ちに心がちくんと痛む第1話。
    された方は覚えているけど、した方はまず覚えていない残酷さ。
    悪意があっての言葉なのか、そうでないのか。
    小説としてわざわざ掬い上げるととても怖い。
    第1、5話は似たようなことが身近で起こりそうだと思わせる。


    どれも視野が狭く、周りの声が届きにくい人たちだけれど、何らかの環境によってそうなったのかも、と思うと怖さが増す。
    こんなことを考えている自分も当然後ろ向きな考えや身勝手さを持っていると思うし・・・。
    人の持つ毒や悪意を見せつけられ、ざらりとした後味の悪さを感じる1冊。

  • 三面記事。
    社会の出来事を写し出す鏡のような空間であり、いつ私たちに起きてもおかしくはない事件、問題が取り上げられる。

    級友、合コンで知り合った男、恋人、元彼、そして…自分自身。

    普通に過ごしてきたはずの日常が歪む瞬間。正気と狂気の狭間…。

    誰でも、犯罪や事件には無縁でいたいし、こちら側とあちら側には決定的な隔たりがあると信じて日々を過ごしている。しかし、加害者も被害者も明日は我が身なのかもしれない…。

    怖い作品だった。WOWOWでドラマ化されたみたいです。ちと観たい。

  • ローカルな町で起こる身近な事件を題材に関わった女性の心理描写を巧く描いている短編集です。私は後半の2編「芹葉大学の夢と殺人」「君本家の誘拐」が読み応えもあり、面白かったです。
    見えてきたのは、自意識過剰人間の勘違い(思い込み)が招く苦い後味と、一つの事件がさらけ出させた本人にしかわからない固執や自尊心等の胸の内。これらを総称して鍵を持たない夢といったのでしょうか。どんな善良な人でも持っている背面の感情、それが見え隠れしていました。共感もしませんが、わからなくもないといった感じ。不思議と嫌な読後感ではありませんでした。(3.5)

  • 2012年7月18日

    直木賞受賞おめでとうございます!!
    と、とりあえず言うべきなんだろうな、ファンの一人としては。

    で、直木賞受賞後の雑感追記は長くなったので下記に書きました。
    http://booklog.jp/users/koshouji/archives/1/4062758229

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    (追記:7月5日)
    まさか、この作品が直木賞候補になるとは……。
    彼女はここ2,3年のうちに直木賞を取るだろうと私は言ったが、まさかこの作品でとは思わなかった。

    文藝春秋、何か意図があるのか?
    直木賞は功労賞のつもりか? と思わざるを得ない。
    受賞させるなら、もっと早くさせてしかるべき。
    選考者連中、世の中とずれてるよ。
    三度目のノミネートだから、そろそろって思ってるのかなあ?
    まあ、受賞すればそれなりに祝福はしますが。
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    ──いったい辻村深月、この先どうなっていくのか。

    以前「今後の彼女の真価が問われる最新作」と書いた手前、落とし前をつける意味で敢えて言葉を連ねれば、「彼女の作品をすべて読んだ(VTRは除く)私としては、彼女の今後に大いなる不安を覚えた」というのが率直な感想だ。
    はっきり言って、これまで読んだ全作品の中で最も面白くなかった。
    辻村深月ファンとしては、がっかりである。

    話は変わるが、『NHKが講談社を提訴 辻村深月さんの小説ドラマ化でトラブル 東京地裁』
    なんてニュースもつい最近あったばかりだし。
    原作である「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」の脚本内容について辻村さんの同意を得られず、NHKがドラマ化断念というとことだから、かなり脚本に大幅な変更があったのでしょう。
    そう考えると今年の初めに同じNHKでドラマになった『本日は大安なり』も、彼女にとっては不満だったのかな。

    本題に戻ると、作品をけなすのはあまり好きではない(当然書いている本人も面白くないところをあげつらっても楽しくない)ので簡潔にとどめるが、この短編集は、迷い、葛藤、苦悩などを感じる女性の様々な物語。
    重い、暗い、じめじめしている。
    最後に光や明るい希望の見えるものも殆どなし。
    ミステリー性も単調だ。
    私生活の変化が作家活動にどういう影響を与えるのかを想像しながら作品について語るのは邪推だろうが、それでも独断と偏見で言えば、結婚、出産、子育てで、現在は作家活動に多少無理、或いはスランプが来ているのではないか。
    最後の短編「君本家の誘拐」などは、私小説かと思ったくらいだ。
    最近の彼女の作品「オーダーメイド殺人事件」「水底フェスタ」そしてこの「鍵のない夢を見る」(「サクラ咲く」は別にして)と続く流れで読んでくると、そんなことを感じるのだ。
    年とともに下降線を辿っているように思える。
    作者本人には誠に申し訳ないことだけれど。
    このような状態ならば、少しお休みになって、じっくりと長篇を練ってもらったほうがいい作品ができるのではないかという気がする。
    二年ぐらいなら、作品が出なくてもじっと待ちますから。
    私が勝手に二大若手女流天才作家と名付けた、もう一方の綿矢りささんも、4年以上に及ぶ悩み、苦しみを経て、見事に復活したのだから。
    私は待ちます。
    やはり彼女には、伏線を思い切り張り巡らせた感動できる群像劇やミステリーを書いていただきたい。
    これが辻村深月ファンとしての... 続きを読む

  • 5編入った短編集。
    三面記事にあるような事件に巻き込まれていく人々。
    女性の一人称で、未熟だったり身勝手だったりする所も見えつつ。
    普通の人間が、思わぬ成り行きで、魔が差す瞬間を描きます。

    直木賞受賞作。
    そのことを忘れて読んでいて、途中で直木賞っぽいなとふと思いました。
    多くの人に読ませたいような、わかりやすく時代性があり、文章もしっかりしていて地道な作品というか。
    その作家の個性が強烈に出ている作品は、票が割れるのか、選ばれにくいんですよね。

    「仁志野町の泥棒」
    小学生の時に転校してきた女の子。クラスの人気者が特定の友達として仲良くなるのだが。
    その母親には盗癖があった…

    「石蕗南地区の放火」
    実家の向いにある消防団の詰め所が火事になった。
    災害保険の仕事で出向いた女性は、知り合いが放火したのではと疑う…

    「芹葉大学の夢と殺人」
    夢を抱いていた大学生に、その夢をわかってくれて、見た目もよく自分の夢も語る彼氏が出来た。彼の方は成長しないまま…卒業後は別れることになった。
    (文章で読めば、そりゃあやめとけ!っていう感じなんだけどねえ)
    冷静さがなくなるとき。
    教授殺害を知って、彼が犯人ではないかと疑うことに。

    「君本家の誘拐」
    買い物の途中で振り返ったら、ベビーカーがない。
    ほんの一瞬だったのに…寝不足で追いつめられていく母親の心理。誰にでも起こりそうで、痛いです。
    結末には救いが。

    それぞれの性格、自業自得かも知れないが運が良いとはいえない事の成り行きと、細やかな心の動きがなんともリアル。
    あまり感じ良くはないけれど。毒があるというほどでもないかな…
    安定した筆致で、鋭くしっかり描かれてはいますよね。
    大人になったな~っていうか。

  • 第147回直木賞のシールが。
    あぁ、そうだったのかぁ、それを読んでいなかったのかぁ。
    短編5編。どれも後味の悪い話。
    それが、まんざらなさそうな話でもないからゾッとする。
    『仁志野町の泥棒』うーん、母親たちの気持ちもわからなくもないが、イケないことはやっぱりイケないことだと思う。暗黙の了解みたいにしちゃうなんて、ちょっとそれは。
    『石蕗南地区の放火』あ、あたしのせいで…と思って慌てている場面にゾゾーっと。
    『美弥谷団地の逃亡者』力のある相手には逆らえないよなぁ。
    『芹葉大学の夢と殺人』妙に自信があり夢ばかりかたる彼。付き合いきれないよ。でも、見た目で許してしまうのかぁ。
    『君本家の誘拐』育児は未体験で想像するしかないが、母と子ふたりきりでマンション暮らし、近所にママ友がいないとなると行き着く先はここか。

  • 第147回直木賞受賞作。
    辻村深月さんの本は好みのものとそうでない物にくっきりわかれてしまう。
    この本は後者で…

  • タイトルが「おもしろいな」と思って、借りました。
    中身をおもしろくて、読みながら次が気になる内容でした。

    借りる前に読んだレビューでは、「後味が悪い」なんて
    書き込みもあったのですが、とくにそう思うことはありませんでした。

    私は先を考えず、読み進めていくことが多いのですが
    この本は「次はこうなるのかな?」とか
    「これが原因でこうなったのかな」と、展開や原因を
    考えながら読める本でした。

    辻村深月さんの小説ははじめて読んだのですが
    また別の本も読んでみたいと思います。

  • それぞれの話は短編ながらもしっかり描きこまれていて、閉鎖的な世界観とか、現実から回想そして回想から現実に持ってくる構成の巧さとか、印象の残る話ばかりなんだけど。
    なんだけど、後味が悪く、どうもなぁ。
    でも、その嫌な感じがこの本の魅力でもある。

    泥棒の母を持つ友達、放火魔のストーカー、逃亡者の彼氏、夢に生きる恋人、赤ちゃんを誘拐される母親。
    ある時期の人生を翻弄された主人公の自分語りで、物語は進んでいきます。
    語り手の女性たちも、なかなかに自己愛が強く、ご都合主義なところが多々ありまして。
    なんだかね、同性として解るけど見たくない部分がさらけ出されてる気がしました。
    女の愚かさや惨めさや浅ましさや痛さがあふれ出てる。

    それでも共感はしない。
    特に、ベビーカーを見失う良枝さんには同情しても共感しないよ。

  • この本の読了には長らく時間が掛かってしまいました。もともと、短編を読み進めるのは苦手な方ですが、やはり一話一話が重く、仄暗いからでしょうか。暗いと言っても、心にずーんっという感じではなく、妙に印象に残ったという感じ。

    本作は5人の女性の視点とそれぞれ5つの犯罪をからめた話を収録した短篇集です。

    多くの読者の方々は登場人物に共感できず低めの評価をなさっているようですが、私はちょっと違う視点で読みました。どの話も“ありそう”な話だったんです。ついつい人のお金を盗んでしまう主婦、放火、ストーカーによる殺人、大学教授殺人、乳児誘拐など、どれもが私達の日常に流れるニュースに良くありそうな犯罪です。

    そんな犯罪を引き起こしてしまう当事者と関係者の心理描写が、一話一話に盛り込まれていて、あの事件もこんな人達に引き起こされたのだろうか、と考えさせられました。
    本作の登場人物はどれも様々なタイプの“カンチガイ”人間だったように思います。もちろん、共感なんか出来る人はそうはいないでしょう。
    共感もできないし理解できなくて当たり前です。

    でも実際にはそんな“カンチガイ”人間によって、もしくはその人に関わってしまった事によって、思わぬ事態が起こってしまうのではないでしょうか。犯罪は怨恨やトラブルによってのみ引き起こされるわけではないのだと思いました。

    特に私が印象に残ったのは「未弥谷団地の逃亡者」と「芹葉大学の夢と殺人」でした。
    「未弥谷団地の逃亡者」を読み始めるとありきたりなカップルの話かと思いきや、最後にはどんでん返しもあってゾッとしました。
    「芹葉大学の夢と殺人」に関しては自己中心的でナルシスティックな男に対して“いるいるこういう男!”と思ってしまいました。その男に惚れてしまったのが主人公の女性の運の尽きなのでしょうが、最後の痛々しいまでの叫びには少し共感してしまいました。

    あとちょっと論点とずれるかもしれませんが最後の一話の「君本家の誘拐」に関してはぜひ男性にも読んでいただきたいと思いました。妊娠・出産の大変さがリアルに書かれていて、読みながらゴクリと生唾を飲み込みました。でもそんな育児に疲れた女性も、ある種の“カンチガイ”をしている女性だったのが印象的です。

    とまぁ、あながち共感出来ないところが無いわけではないですが、本作はぜひ客観的な視点で読んで欲しいなと思いました。

  • この作者にしては思ったより後味の悪い話ばかりでした。これが受賞作で初めて読む人は微妙だろうなと思ってしまうくらい。
    こんな女いそうだというのはさすがにうまいなと思いますが、特に最後の育児ノイローゼの女は圧巻。子どもができるまでの妬み、できてからの追い詰められ具合がよくありそうでした。
    どれもこれものぞきたいような、のぞきたくないような他人の話、できれば関わりあいたくない感じを目の前に突きつけられたような話でした。

  • 今年5冊目。
    辻村深月の直木賞受賞作。
    5人の女性を描いた短編集。

    全ての話に事件性が含まれているのに、
    それよりも、
    事件によって浮彫にされる
    それぞれの女性の内面が
    強烈に印象に残る作品。


    読んでいて辛かった。
    自意識の強さとか、ズルさとか、
    こうでなければいけないという
    自分自身が巻いた鎖のようなものの無意味さ。
    そういうものがいかに滑稽か
    突きつけられたように感じた。

    人は誰しも理想や願望があって、
    それに近づこうとする。
    そして、近づいているかのように
    これで間違ってないと自分を誤魔化す。
    結局は自分がかわいくて、
    生きていくために都合よく自己防衛をするものだ。

    悪いとは言い切らないけど、
    こういう姿なんだよ。
    見えてる?と。

    辻村深月はそういう表現がうまい。

  • このテーマ、彼女が書く必要があったのかね…。
    こういうの、得意で好む女性作家、他にいっぱいいると思うんだけど。
    上手いし、何の問題もなくさらっと読める。
    意地悪な見方をすれば、それが問題。

  • 直木賞受賞作品。短編集で、ひとつひとつの作品がとても濃い。
    絶対に近づいてはいけない、変な男性達がたくさんでてきた。
    辻村さんの作品ははじめて読んだ。女性の心理を上手に描く方だなあ・・・そして、変な男性に対する感情の表現が絶妙。

  • どれも女性ならでは感情を描いたモヤモヤした作品。
    女の私には共感出来る点が多々あり、あっという間に読めてしまった。
    直木賞って事だけど、男性が読んでも楽しいのかなぁ、とちょっと悩む。

    ただ・・・私の好みとして後読感が良い作品が好きなので、評価は☆3つ。スロウハイツとかメジャースプーンとかの方が好きです。

  • 彼氏が欲しい、結婚したい、ママになりたい、普通に幸せになりたい―女性たちのそんな願いが転落を呼び込む、5つの短編集。

    誰もが抱く願いから犯罪へ巻き込まれる女性たちを描いている。主人公の女性たち自らが罪を犯すわけではない。しかし自分と犯罪との関係を悟り、それが自分の欲望から生まれたものなのではないかと恐怖に駆られる様がスリリングだった。幸せを望むはずなのに、彼女たちの前には皮肉にも真っ黒な闇が待ち受けている。物語の主人公たちが異常だったわけではなく、女としての普通の幸せを願う、どこにでもいる女性である。誰もが闇と背中合わせの日常を送っていて、いつそちら側へ回ったとしてもおかしくはない、そういう恐れを示唆した物語なのかもしれない、と思った。

  • 辻村さんの本、すごく好きでこの本は直木賞受賞ということで楽しみにして読んだのに今まで読んできた彼女の作品の方が断然おもしろくて好きだった。
    女性主人公の5編の短編集で、
    ①仲良しだった友達の母親が泥棒癖があり、友達本人も万引きしようとして幻滅して疎遠になったのに高校の時再会したら友達だったことを忘れられて(忘れたふり?)屈辱!
    ②昔はそこそこモテてたのに働き出してから出会いがなく職場後輩にバカにされたくなくて自分をデートに誘っただけの男が放火犯で捕まると動機は私に会いたかったからだ!と勘違いする痛い女!
    ③小学校からの冴えない仲良し三人組の中でも自分が一番かわいいしちやほやされたいからって出会い系サイトで出会った相田みつをが好きなメンヘル男と付き合い、しかもDVだし別れりゃいいのにでも私のこと好きだし!と馬鹿なことを思ってたら母親殺されて逃亡!ああ怖かった
    ④大学時代から付き合ってた男に依存されたいのにしてくれなくて悶々!殺人犯の貴方も愛してる!とかいっちゃう痛さ!からの自殺未遂!
    ⑤育児ノイローゼで赤ちゃんが誘拐されたと大騒ぎするけどただの勘違い!
    という本当に痛くて可哀想で悲しい女性の話なのだけど、やっぱり女性の描写は上手で、あぁこういう女の人いるよねー と思いながら読めてそこは好きなんだけど物語りじたいがそこまで盛り上がりもなく。感動も特になかったのが残念。

  • 普通の幸せを望みながら、どこかで捻れて袋小路に飛び込むことになる5人の女たちの物語。
    読後感は非常に良くない。けど、その救いのなさというか、確かな粘度を持って描かれる「現実」の生々しさはすごいと思う。

    いつもながら、辻村作品の主人公は露悪的だ。
    今回も一段と女性のイヤラシさ、狡さ、弱さが強く表れていて、
    特に真ん中3篇における、つまらない男に振り回されながらも淡い夢に縋らずにいられない主人公たちの心情描写は、読んでいてかなりこたえる。

    彼女たちが垣間見せる「自己愛」は、自分を守る大切な鎧であり、毒でもあるのだろう。

  • 「鍵のない夢を見る」というタイトル通り、まさに現実には行き場のない、どうしようもないことがたくさんあって、人間はそれぞれ色んなことを考えていて、それは醜いことが多くて、すべてを一気に解決してくれるようなものはない。鍵はない。現実を生きるのは、鍵のない夢を見るようなもの。人のことを散々分析したあげく、自己批判に至り、理屈ではわかっていてもどうにもならないことに身を委ねる、っていうそのかんじ、すごくよくわかる。辻村深月の言うことは最もだ。ただそれでも、こういう世界は、嫌だなあ。秀逸ではあるけれど、後味の悪い一冊。

  • 遅ればせながら、祝★直木賞受賞!
    でも考えてしまう。辻村作品にはもっともっと評価されても
    よい素敵な作品があるのに。
    直木賞受賞作品ということで初めて辻村作品として読む人も居るだろう。そこでこんなもんかと思われないだろうか。
    作品は短編5作のミステリー要素強い大衆小説。

  • 家族や恋人や友達と過ごしながらも孤独感から抜け出せない女たちが、日常に潜む犯罪に巻き込まれていく。

    直木賞作品であるこの物語に共感する人が多いということは、みんな大なり小なり似たような孤独を感じているのかしら?

    私としては、感動したとかグッときたとかいう場面はなく、淡々と読み進めた感じ。

  • つまらないとは思わなかったけど、なぜ直木賞かわからなかった。
    特に最後の話なんて、子育て経験のある人が読めば「分かるなぁ」って共感するかもしれないが、子育て経験のある私の感想は「そうよね、子供ってそうよね。。・・・だから?」って全く何にも思わなかった。
    好きな作家さんだけに何だかモヤモヤ感が残ってしまった。

  • ■解説
    第147回直木賞受賞。
    普通の町に生きる、ありふれた人々がふと魔が差す瞬間、転がり落ちる奈落を見事にとらえる5篇。現代の地方の姿を鋭く衝く短篇集。
    ■感想
    嫌な小説だった。つまり素晴らしい描写力ゆえに、登場人物の感情や転がり具合がやけにリアルに感じ、嫌なんだと思う。最終話は特に。

  • 直木賞ということで読む前にハードルが上がってしまうというのが、この本にとっての不幸ではないだろうか。
    正直、なんの面白味もない。直木賞ってこんなんだったか?というような内容だ。
    なんの深みもない登場人物。何の深みもない精神世界。どこかで見たような…という既視感しか持たれないストーリー。展開もモタモタしていて、テンポの悪いことといったらない。主語がなく、誰がやったのか不明な文章(わざと?何のために?)。
    こんなのが直木賞?もっといい本は山ほどある。
    この本が悪いんじゃない。直木賞の審査員がボンクラだということだ。

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鍵のない夢を見るの作品紹介

町の中に、家の中に、犯罪の種は眠っている。
普通の町に生きるありふれた人々にふと魔が差す瞬間、転がり落ちる奈落を見事にとらえる5篇。現代の地方の姿を鋭く衝く短篇集

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