- Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163817705
感想・レビュー・書評
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なんだか無性に小説を読んで泣きたい気持ちだったので、ずっと本棚に眠らせていた本書を手に取りました。
主人公の悟の人生を、悟の愛猫・ナナと、悟の友人や家族の視点から描いた物語。
ナナと共に悟の友人たちを訪ねる旅の最中、友人たちが語る悟の少年期から青年期の出来事を読むあいだ、ずっと鼻の奥がツンとするような切なさが付きまとっていました。
そして終盤、その溜まった切なさが一気に溢れ出し、涙をぽろぽろ流しながら静かに読み終えました。
でも、明るい希望が見える心地よい読後感で、気持ちよく泣けたなぁ…という感じです。
ナナ視点のパートの、ちょっと生意気で、でも悟が大好きなことが伝わってくる語り口にやられてしまいます。
ナナほど自立していない、我が家の箱入り猫さまは、私のことをどんな風に見てくれているのかしら。
いつもそばにいてくれる猫さまが、ますます愛おしくなりました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ここのところ連続で会社の方から借りている本の中の一冊。
装丁からは、軽そうな本だなぁ~と感じていたが、
猫好きにはなかなかなにたまらない一冊。
中高生にも読みやすい内容で、学生さんが読んだらほっこりうるうるするのではないかな。
40超のおばさんにはちょっと易しい感じだな。
もうちょっと若い頃に出会えたら素直に感動できたのではないかと思う。
最近そんな感想ばかりだ。歳とったんだなぁ・・・。 -
やさしくあたたかいお話だった。
猫視点の小説はなかなかない。
猫がもしも本当にこんなに人間の言葉を理解しているならすごく素敵。
猫っていろいろ考えてるんだなぁ。(創作の世界だけれど)
中盤になって、なんで旅に出てるのかが何となくわかるようになってから、「そういうことか」となり面白かった。
犬も猫も飼ったことないけれど
飼ってる人には確かに響きそうな作品。
サトルもナナも、お互いにたくさん愛されて、信頼の絆でかたく結ばれていて、幸せ者だ。
複数の人から「泣ける!」とお勧めされて読んだため
高く期待してしまっており、個人的にはそこまで「泣ける!」とはならなかったので星3に。 -
猫と主の絆の話。
猫目線で進行することが多く、猫の心情がいちいち面白い。
結末もなんとなく予想できるけど、予想をしっかり上回ってきて、、、泣ける。
有川作品の人たちは皆幸せそうで読んでいて気持ちがいい。
☆3.4 -
僕は何にも失ってない。
ナナって名前と サトルと暮らした5年を得ただけだ。
だからそんな困った顔すんなよ。
猫は我が身に降りかかった出来事は何もかも粛々と受け入れるんだ。
いいヤツだなぁ ナナ
星3.5 -
不覚にも泣いてしまった。
仰向けで読んでいたので涙がぽろぽろ流れる。
悟くんが良い人すぎて余計につらかった。
途中から、なんでこんなに良い人が、ってずっと思いながら読んだ。
それと、おばさんの不器用さとか杉の人間が小さいところにものすごく親近感を抱いた。
こういう人間臭い人たちがいっぱいることで、悟くんの超人的とも言える「人間ができている」ところが際立つのかな。
あと、ねこがかわいい。
わがままで偉そうで、ひたすらにめちゃくちゃかわいい。
こんなん読んだら、猫が飼いたくて堪らなくなるよね。
全てのねこ好きの心臓を狙いにきてる恐ろしい本だわ。 -
もっとほわっとした気楽な話しだと思ったのに、、、
こういう話しは読まないのに、
不本意にも最後まで読んでしまった。
(でも泣かなかったけど)
とにかく、「なな」が可愛い。
動物は嫌い。猫も嫌い。
でも猫を飼っている人の愛猫に振り回されている姿を見るのは好き(笑)
不覚にもちょっと飼ってみたいと思った。
(図書館)-
2015/06/09
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2023/12/30
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オイラは犬は飼えません。人に尽くしてくれることにオイラが応えてあげられる自信がないから。猫はその点オイラと同じくらい気まぐれなので楽です(笑...オイラは犬は飼えません。人に尽くしてくれることにオイラが応えてあげられる自信がないから。猫はその点オイラと同じくらい気まぐれなので楽です(笑)シェアハウスしてるつもりで一緒に暮らしています。2023/12/30
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子供の頃から日本各地に引越しを繰り返してきたサトルは、相棒猫ナナを連れて、懐かしい人々を訪ねる旅に出る。行く先々で思い出を語る時間は、サトルとナナ を迎える人々の胸の内にもささやかだが大切な変化を芽吹かせてゆく。後半とにかく泣きます。泣きます。大号泣です。悲しいけれど、優しく、温かい物語です。
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大切な飼い猫を手放すことになった男性が、新しい飼い主を探すために過去の友人たちと会う。
ロードノベルという括りみたいですが、飼い主のサトルを取り巻く同級生たちとの思い出話がメイン。
サトル目線で描かれることはなく、友人視点か、猫のナナ視点で展開される。
不器用ながらもサトルを思いやるおばさんは素敵だった。
猫とサトルの絆が優しく温かい気持ちにさせる。
猫=動物ではなく、人間的な、思いのある存在に描かれています。ここまで人語をたぐれるのか、君たちは。
サトルの気持ちがあまり読めない形で進んでいくので、本心が垣間見得たときにはグッときました。
漫画っぽさとか、登場人物の崇高さとか、人として正しい行動を取るための理屈っぽさとか、有川浩らしい作品だと思う。
みんな綺麗で健やかで正しく行動できる世界に惹かれなくなっているからか、作り物みたいに見えた自分が悲しくなった。
読むたびに、有川浩に入り込めなくなっています。
有川さんの描く綺麗な世界に心が動かなくなってしまったのか、単にその作品と相性が悪いのか。
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これだから猫は…!猫ってやつは!
何となく、犬ものは「さあ泣け」とばかりに涙腺めがけてまっすぐに泣かせにきて、猫ものは「なに泣いてんの?」っていう突き放しがあるイメージ。「これは私とあいつの話であって君には関係ないんですけど」みたいな。
泣いてたまるか、と思ってたけど「いい子にできるだろ」あたりからは泣かざるを得なかった。ちくしょうめ。
旅先の友人たちは誰もかれもいいやつらで、叔母さんはすごくかわいい人だなあ。
読み終わったらうちの猫をなでまくらずにはいられなかった。