- Amazon.co.jp ・本 (573ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163818207
作品紹介・あらすじ
「下天は夢か」から四半世紀、新解釈で信長像に迫る。母親に認めて欲しかった信長の渇いた心。いまここに津本文学の集大成出現。
感想・レビュー・書評
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戦国武将の死生観、死ぬときは死ぬ、ボスに死ねと言われれば自決する、流れ弾に当たってしまうのは運がなかった、運を試してみて生き残ったならば運が生き残らせたのだからさらに頑張る。本能寺の変は信長の運試しだったのか?
悪運の強い人は、常に問題意識を持ち変化の兆しを察知し、リスクを避け、リスクが具現化する危険度を引き下げている。
信長は自分は運が強いと過信していたのだろうか?新しい信長にあっても戦国武将の死生観(死に対する死に方への美意識)は彼の中で拭えないものであったのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
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【何故信長は無防備なまま本能寺に向かったのか?】桶狭間の戦い、本願寺との死闘。信長は生涯何度も死を垣間見るが、全ては幼少期母に疎んじられた経験にあった。新解釈による信長伝。
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「下天は夢か」に続く信長一代記。違う観点を見つけたから、もう一回書いたんだろうけどどうなんでしょう。題名の如く信長の影「ダークサイド」から描いた信長の人生。土田御前に疎まれ弟信行を殺害し身内を殺しながら尾張を統一する。たった一人心を許した吉野を亡くしてからは暗い情念に真っしぐら。なんかアナキンスカイウォーカーみたい。人材抜擢も、好んで死地に身を置こうとするのも、比叡山焼き討ちもダークサイドの成せる技。最期は身内(身内同然の家来)に討たれて満足そうな信長。解釈としては新しいなぁ〜、でも救い難い話だ。
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作者が、信長公記や武功夜話などの資料を活かし「下天は夢か」で提示した信長像が発表当時は斬新で、その後の信長ものに大きな影響を与え、主流になったために、同じ作者の久しぶりの本書が、陳腐化して読めてしまうというケースが多いようで残念です。
一向一揆との戦いは凄まじく、中世から近世への転換の大きな軋み音が聞こえます。
信長の生涯で何度か起きる不可解な出来事については、納得するところまでは達しませんでしたが、光秀の謀反の際の信長の感情は本書の表現もいいなぁと思いました。 -
13/02/13 「下天は夢か」の方がはるかに衝撃的。