64

著者 :
  • 文藝春秋
4.04
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本棚登録 : 7369
感想 : 1089
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  • Amazon.co.jp ・本 (647ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163818405

感想・レビュー・書評

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  • おおきな物語を読んだなと思った
    「ダークナイト」を初めて見たときみたいだ
    正直細かいストーリーでよくわからない部分もあった
    でも気にならないほど巨大な物語に飲み込まれた

    一方でインファナルアフェアのような
    男同士の息詰まる対決,戦いが
    たくさん描かれる

    伊坂幸太郎なら
    先の見えない誘拐事件を
    シュールにコミカルに描いたろう

    宮部みゆきなら
    三上を雨宮を幸田をあらゆる端役たちを
    スポットライトをあてて描いたろう

    正直男達の戦いを描くだけの小説かと
    おもったけれども
    きちんと謎解きがある
    このあたりが横山秀夫を読んでいてうれしいところだ

    広報官が主人公であることで
    刑事部の動き自体が読者にとって謎となり
    華麗な謎が提示される

    広報官と刑事部,警務,マスコミとのあつれきは
    必要だったのか?よくわからないけど
    再読してみないと
    この本を十分レビューできない気がする

  • 待ちに待った横山さんの新刊!手にとって厚みに驚き、でもドキドキしながら読んだ。
    人物の心理描写が本当に巧みで、読み手の自分まで胃が痛くなる。でも、待ち焦がれて期待しすぎたせいか、読み終わった後も「読み終えたー!」という満足感はあれど、もう一回読もう!という気持ちまでは起こらなかった。展開も結構読めて、してやられた感がなかったからかな。
    清々しいラストは好き。

    • fullaheadさん
      待ち焦がれます!横山さんの新刊は(^^
      待ち焦がれます!横山さんの新刊は(^^
      2013/03/04
    • Qさん

      >>fullaheadさん
      今回は発売延期になったりで特に焦らされましたね!こうして無事読めて良かったです^^
      次作も楽しみですね!

      >>fullaheadさん
      今回は発売延期になったりで特に焦らされましたね!こうして無事読めて良かったです^^
      次作も楽しみですね!
      2013/03/04
  • 震度ゼロ以来の新刊?
    600ページの大作も一気に読めるのは、さすが横山秀夫。
    64年に起こった誘拐殺人事件を元に物語は進んで行く。
    ラストは意外な展開で、加害者、被害者の微妙な心理が描かれている。
    子供を殺された親は、一生救われないのだろうか?
    また主人公、三上の娘の行方も気になるまま。
    少しでもハッピーエンドに向かっていけばいいと思いつつ、読み終えた。

  • 三人称、単視点、現在進行形のミステリー。俗にいう「三単現のS」。Sではないです。

    少女の遺体確認と出だしから重く、娘の家出という心配事を抱えたままの主人公なので、決して明るくなるわけもなく、でも、ぐいぐいと物語は転がる。
    多すぎる登場人物に戸惑いつつ、そういえば前の短篇集でこの人出てきたっけ、と本棚をごそごそしつつ、後半になっって急展開。
    ここで、何が起こっているかわからない、という「三人称単視点」の構造を活きてきて、ぐいぐい引っ張られ、あれって伏線だったの?これってあり?と思いつつも、「ありあり」と納得させられる…さすが秀夫。

    わかりやすい人物設定や、熱い仲間意識など、ウェットすぎて鼻白むところもあるが、変な技巧やトリックを使わない「真っ当」な小説の力強さにおなかいっぱい。

    600頁超えで2000円を切る値段設定っていうのを見ても、出版社の「意気込み」を感じる。

  • 著者が満を持して送り出した作品、とのキャッチコピーがまんざら誇大ではなく、このミス、文春いずれも今年度ナンバー1といえるのもうなずける。最初のほうはちょっとまだるっこしいが、後半はぐいぐいと引き込まれ、・・・・(ネタバレ)のあたりからは、本を置くあたわず、と一気に読み終えてしまった。

    • しをん。さん
      確かに、この本新聞などのメディアにも結構大きく取り上げられていて、「すごい!」と思っていたのですが…。
      はじめての警察小説!
      これを読んでみ...
      確かに、この本新聞などのメディアにも結構大きく取り上げられていて、「すごい!」と思っていたのですが…。
      はじめての警察小説!
      これを読んでみたいと思います(^^♪
      2013/01/21
    • honno-遊民さん
      今年度の本屋大賞の候補作にも入っていますね。お勧めです!
      今年度の本屋大賞の候補作にも入っていますね。お勧めです!
      2013/01/23
  • 警察所の内幕。
    登場人物の心の描写が絶妙。

  • 長いけど内容が濃く楽しめました。
    警察モノは初めてで、読み初めは慣れない部署名、役職名と権力関係、多すぎる登場人物に理解するのが精一杯でなかなか読み進めず辛かった。
    全く未知の世界でしたが、警察という社会のあれこれを知れてとても刺激的でした。(多すぎて書くの断念!)
    三上が部下やマスコミと築いた信頼関係に胸が熱くなったり、登場人物それぞれとの関係性の描写が充実していて人間味のある暖かい部分と、事件や会見の描写の緊迫感にハラハラしたり、最後まで飽きずに読めました。が、もっと長くてもいいので、その後の幸田や64事件の解決、娘の行方まで持って行ってほしかった。
    なんなら、三上が刑事に戻って松岡の下で新たな事件に挑む続編も読みたい。

  • たった数日の昭和64年が、忘れられない年になった。
    誘拐犯の声を頼りに電話帳で1軒ずつかけていく子を殺された父親…、その無言電話を家出した娘からと勘違いする夫婦…、それぞれの立場で翻弄されながら仕事を全うしようと奮闘する警察と報道。各々の事情や気持ちがとてもやるせない

  • たまたまが一生になることもある。それは真理だろう。どんな職業につくか、そこでいかなる職責を担うか、あれこれ理由と来歴は語れても、多くの偶然が作用して居間があることは否定の使用がない。

    なかなかしんどい内容やったけど、個人的には結構好き。横山秀夫っぽいなー。
    しかし、なんのために、どういうつもりで仕事してるのかとか、家庭ってなんやとか、不細工はきついとか、考えさせられるっていうかきついなー

  • 【砂嵐の中から、好きな輝く石を見つけるように】
    何を読んだのだろうと聞かれると
    わからないと、答えざるを得ない。

    警察内の抗争、未解決事件、それぞれが主人公として粒立つ登場人物たち。

    何が悪で何が善だ
    何が正道で何が外道だ

    家出した娘を持つ両親。

    殺された被害者の父。


    初めはただのミステリーとして読み始め
    気がつけば止まらなくなって
    次の日が仕事だというのに22時から3時まで読み進め火曜夜。読み終わった水曜夜。

    途中から
    私はすごく
    あゆみちゃんと三上さんに肩入れをしていた。
    あの家族を見ていた。
    私も家出をしている。
    親に黙って引っ越しをした。
    連絡はメールで取っている。
    当時の父のことを思った。
    手紙は残したが、どう思ったのだろう。
    いやブチギレたメールが来たから
    三上さんちとは違うか。

    幸せになって欲しいと思った。
    二人で。
    そしてあゆみさんも、幸せになってほしい。
    どこかで誰かと。
    なんだか私は彼女に希望を託してしまった。

    砂嵐のような大量の情報がテンポよく進んでいく中、何が自分にとってメインになるのか
    人によってあまりに違う物語なのだろうなと思った。

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著者プロフィール

1957年東京生まれ。新聞記者、フリーライターを経て、1998年「陰の季節」で松本清張賞を受賞し、デビュー。2000年、第2作「動機」で、日本推理作家協会賞を受賞。2002年、『半落ち』が各ベストテンの1位を獲得、ベストセラーとなる。その後、『顔』、『クライマーズ・ハイ』、『看守眼』『臨場』『深追い』など、立て続けに話題作を刊行。7年の空白を経て、2012年『64』を刊行し、「このミステリーがすごい!」「週刊文春」などミステリーベストテンの1位に。そして、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞(翻訳部門)の最終候補5作に選出される。また、ドイツ・ミステリー大賞海外部門第1位にも選ばれ、国際的な評価も高い。他の著書に、『真相』『影踏み』『震度ゼロ』『ルパンの消息』『ノースライト』など多数。

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