色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

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著者 : 村上春樹
  • 文藝春秋 (2013年4月12日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163821108

色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年の感想・レビュー・書評

  • あるいは、、。村上春樹独特の言葉の使い方 。比喩を理解しようとすると 読むのにたまらなく時間がかかりそうだったので、流しました。
    さらっと読んでしまったので、誰か代わりに解説をしてほしい。

  • 久々に読んだ村上春樹の長編。
    読み終えたあと何だか変な感じ(違和感のような)が残ったから少し検索してみたら、この小説は解決されないままのミステリーだからもやもやが残るのは当然で、推理&解釈を載せているブログもいくつか見当たったから読んでみたら、何となく納得できたような気がする。(その解釈が正しいとは限らないけれど)

    36歳の多崎つくるは鉄道の駅を作る仕事をしている。
    名古屋での高校時代、4人の男女の親友と完璧な調和を成す関係を結んでいたが、大学時代のある日突然、4人から絶縁を申し渡された。理由も告げられずに。
    死の淵を一時さ迷い、漂うように生きてきたつくるは、新しい年上の恋人・沙羅に促され、あの時何が起きたのか探り始める。

    つくるの高校時代の4人の親友たちは、苗字に“赤、青、白、黒”が入っていて、つくるだけが色彩を持っていないことにどことなく疎外感のようなものを抱えていた。
    高校卒業後つくるは東京の大学に進んだが、4人は名古屋に留まったままで、数年後のある時理由も分からないまま4人に縁を切られ、心のどこかでそのことを引きずったまま大人になった。
    大きな不自由があるわけではない。だけど消えない傷として残っている。
    36歳になったつくるに、2歳上の沙羅という恋人が出来る。そして彼女に導かれるようにして、過去の傷の理由を探る旅(巡礼の旅)に出る。
    その中で、過去の殺人事件のことを知る。未解決の事件が結局解明されないまま終わるところにもやもやとしたものが残るのだけど、その事件に対して立てた読者の仮説を読んで、もし本当にそうだったらと考えるとぞっとするとともに、この物語のラストに深みが増す。

    私は村上春樹ファンでもないしアンチでもないのだけど、支持者・不支持者が大きく分かれる理由は、物語的に意味があるのか無いのか不明なままの哲学とか、何となく“お洒落っぽい感じ”の影響なのだろうかと考えたりした。
    哲学については深く読まなくても物語は理解できるけれど、この小説みたいに、もしかしたら表現されているものの先に真実が隠されているのかもしれないものに関しては、その辺もきちんと読み解いた方が良いのかもしれない。
    すべてが違和感に繋がる。計算しつくされたものなのだとしたら、天才が書く小説だと思う。
    読者の仮説は真実ではないから、結局真実は分からないままで、予測しながらもう1度読んでみるというのも面白いかもしれない。

    青春時代に負ったまま消せないままでいる記憶と傷。誰しもが1つくらいは持っているもの。
    巡礼の旅に出てつくるは初めて解放され、そして本当に欲しいものを確認するに至った。
    結局彼の望みはどうなったのだろう。
    知りたいような、知るのが怖いような。

  • カラフルな友人を持った平凡な多崎つくるくんのお話。

    高校生の時に仲の良かった友人たちと疎遠になりそのまま長い月日が経ってしまったが、その疎遠になった理由をあてもなく探しに行く話ですが、冒頭から村上春樹節が全開で、内容も村上春樹さんらしい内容で、ラストまでああこれは紛れもなく村上春樹さんの小説だなぁといった感想で締めくくられました。

    独特な癖のある言い回しが面白かったです。


    「悪いこびとたちにつかまらないように」

  • これまで読んできた村上春樹とそんな大差ない感じでした。やっと読めて良かった。

  • 村上春樹作品は、読めるタイプと読めないタイプの作品があるけれど、これは読めるタイプでした。先が気になってどんどん読んでしまった。

  • 昔一度挫折した村上春樹に再挑戦し、読了した作品です。気のせいか過去の作品ほど文体からアクの強さを感じず、しかしやはり彼のものとして主張してくるなあと。

    最後は見事に愛を成就してハッピーエンド!という終わりの方が好きな方も少なくないかも知れませんが、私はあのくらい余韻というか含みというか、想像の余地を残してくれた方が好みです。

  • 現在気になっている女性から、主人公が高校時代の超仲良し5人組グループに、大学2年の時に急に絶縁された理由を探すように言われるところから物語がスタート。
    なぜ?と思うところが多く、気になって読み進めてしまう。
    すべての疑問が明らかにならないところや、
    物語の結末もはっきりしないところは
    村上春樹ということで納得するしかないが
    灰田とのことはもうちょっと説明ほしい感じでした。

  • とにかく続きが気になって、借りてきたその日に読んだ。(日付跨いだけれど。)
    私が気になったのは、シロが一体、誰に犯されて、誰に殺されたのかということ。そして灰田君は何故一言も告げずに、つくるを置き去りにしたのかということ。
    結局この本には、その答えはなかった。
    村上春樹さんの作品にしては、突拍子のない不思議な世界観が出てくることもなく、地に足のついた?作品。だけど肝心の答えを気にならせるだけ気にならせて、これはミステリーじゃないからと読者を置き去りにして完結するのもまた村上春樹さんらしさかもしれない。
    私個人の予想としては、つくるは沙羅さんに選ばれないと思う。灰田君を見つけるまで、彼の巡礼は終わらない気がするから。

  • 多崎つくるという、例によって象徴的でヘンテコな名前の男が、例によって当たり障りのない仕事に就いて、特段の不自由なく暮らし、これといって問題のない女性関係を築いて傍目には一人暮らしを満喫しているわけだけど、これまた例によって主にその女性関係において何だかよく分からない不可解な違和感を抱いていて、どうやらそれは「喪失」という類の感傷らしいのだが、するとこれも例によってその喪失の源には青年期のいわゆる「トラウマ」があることを歳上で仕事ができるガールフレンドが指摘したりするので、その「トラウマ」に対峙するべく名古屋に行ったりフィンランドに行ったり、東京に戻ったりしてアレコレと心の傷を眺めるのである。

    恐らくは計算したデザインなのだろうけど、登場人物がとにかく人工的過ぎるのが気になった。

    はじめに心の傷があり、その傷の痛みを回復するという明確な主題があって、それはそれで悪くないのだけれど、そういう主題を回収するためだけに登場人物が次々と「例によって例の如く」振舞ったり発言するのは少々凡庸だし、おまけに心の傷云々というのはこれまた「例によって」のテーマ設定なので白状すると3分の2くらいで退屈していた。

    文体のリズムの完成度とストーリーの構築力はさすがという他はないが、正直ちょっと長い。

    あと、書きたいものを書くのが作家なので、完全な文句でしかないけれど、「喪失感」を人間性の根本のように扱うのはちょっとイタいし、それに喪失感の象徴として女性をやたらと性的な犠牲者にして描くのは(ノルウェイの森もそうだけど)やっぱりあまり良くないのではと思う。

  • わはははは、まったくわかんねえ
    話が収束しないんだもん これぞ村上春樹

    昔より、ぞわっとするサムい表現がないのは、あらちゃんと歳食ってんのねというかんじがした

  • 今の気持ちとシンクロしている部分があり、慰められた。

  • 青年期の心のありよう.ある部分わかる.痛い.
    乱れのない調和なんてものはない.変わらないものはない.自分も他人も環境も.
    忘れることはできない.歴史として積み重なっていく.もう治ったと思っていたとしても、本当は血がまだ流れているかもしれない.
    そういうものを抱えていてもいなくても、日々は過ぎ、年をとる.
    ないことにはできない.なかったことにはできなくても、傷が癒えるようになんとかすることはできる.納得.

  • 【つぶやきブックレビュー】3日連続・駄洒落で何の日、今日1月6日は(いろ)です・・・

  • 感情描写のための有体物の動かし方は相変わらず秀逸なのだが、その置き方が所々リーズナブルさに欠けているなと思ってしまう。草木が如何に映えていても、そもそもそんなところに種が蒔かれることが不自然でならないというか。あと、欲を言えばフィンランドのカルチャーをもっと琴線に絡ませて欲しかった。

  • 村上春樹氏が2013年に発表した「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を読了。

     まず考えたのが彼の言うコミットメントという点から考えると今の日本の社会の社会のどんな事に著者は注目しかかわろうとしているのかと言う点だった。著者はユング心理学の権威でまた文化庁長官もつとめた河合隼雄氏との対談『村上春樹、河合隼雄に会いに行く」で自分の作品群を分析して「まず、アフォリズム、デタッチメントがあって、次に物語を語るという段階があって、やがて、それでも何か足りないというのが自分でわかってきたんです。そこの部分で、コミットメントということがかかわってくるんでしょうね。ぼくもまだよく整理していないのですが」と語っている。

     時代の息吹を敏感に感じながら著作をすすめてきた作家だと思うのでオウム事件や大きな震災などの経験を経て徐々に変わってきているのだろうと長年の読者としては思うが、この作品で著者が関わろうとして事が色々考えてみたがはっきりと言葉にする事が出来ないでいる。

     人と人の関わりがどんどん薄くなりいじめが蔓延し、またネットでの炎上や異常なまでの一つのミスに対してのバッシングといういびつな社会のなかで生きにくく、恋愛もしにくくなっている世の中に対する村上春樹なりの今この現状のまま進んで行ってよいのかという警笛なのかともおもったのだが、もがき苦しみながらも小さなコミュニティから拒絶され死まで意識した主人公が立ち直って行く様を読み終えてもその辺りのところが残念ながらはっきりしない。

     小説としては読みやすいし、タイトルがストーリーを物語っていて謎の少ない村上作品ではあるのはまちがいないのだが。

     とつらつらとFBコメントを書いていると、本当に随分昔になるが初期の著作を読み、村上氏が千駄ヶ谷にジャズ喫茶をやっていてそこに行くと本人に会えるという事を聞きつけ、今日みたいな冬の午後「ピーター・キャット」を訪れカウンター脇に本を読みながらたたずんでいたなま村上春樹氏に会える事が出来感激した若かりしのおばかな自分を思い出した。Time Flies!

    そんな名古屋と東京を舞台とした親しいグループからしかとされ傷ついた青年の長い時間をかけての再生物語を読むBGMに選んだのがDavid Boyの”Let's Dance".ベルリンの壁の向こうにむけて絶唱した彼もこの世にいない。残念だ。
    https://www.youtube.com/watch?v=B2HWuR2mq5M

  • 久しぶりのハルキくん、そして小説。夏の小説だったけれど、冬、家にこもってゆっくり読むのにも合っていた。フィンランドにすごく行きたくなった。リストの巡礼の年、ル・マル・デュ・ペイを後で聴いてみようと思う。

  • 読みやすいと思ったし、続きが気になって読み進めたけど、
    ラストで放り出された感じで。
    沙羅とはどうなるのだ?

  • 途中読んでいて辛くなった。
    誰しも大なり小なり友人関係でつまづいたり苦い経験があると思う。

    よく「過去は変えられないから前を向いてやっていくしかない」という言葉はあってそう思っていたけど現在は過去の延長線上にあって現在を作っているのは今まで積み重ねた過去の他ならない。

    過去に決着というと大袈裟だけど過去に向き合うというのもよりよく生きていくためには大切なことなのかもしれない。

  • 借本。友情。ヘルシンキ
    クロとの再会あたりからラストまでやけに感傷的で意外だった。最終頁でスガシカオの光の川を思い出した。

  • たまたま図書館で見かけました。1Q84ではじめて村上春樹を読みました。九州出張の新幹線往復で読破です。
    途中で読むのが止められなくて、意外な展開の連続で興味が切れません。最後は謎がいっぱい残ってしまいました。
    でも面白かったです。

  • 長編村上作品は初めてです。初心者でも読みやすい内容でした。主人公の登場シーンが高校生と30代後半とで入れ替わることが多いですが、それでも、どこを読んでるか分かりにくくなることはなく、満足です。それだけでは満点の作品でしたが、自分と以下の内容はネタバレになるかもしれませんが、原点させていただきました。

    ①18禁作品。性的描写があります。未熟学生には紹介しにくいです。それ以外にもグロテスクな表現があります。
    ②フラグ回収が悪いです。最終でどんでん返し出もあるのかなと思って読んでたのですが、結果はわかりません。

    以上の点から減点とさせていただきましたが、もしかしたら、これこそが醍醐味かもしれません。作品を二度読んでみると、また別の視点から見ることができ、結果①②もこの状態だからこそ良さが見えてくるかもしれません。

    フィクション作品ですが、実際に存在する年代、作品(レコード等)が登場するので、作品を作る上でかなり下調べをしたんだなと思いますよ。
    スポンサーにトヨタやボルクスワーゲンが絡んでるんでしょうか?

  • 高校時代の男女5人組はかつて仲のよい5人だった。
    しかし、つくるだけ大学進学のため状況するとその仲のよさは一変、皆がつくるを避けるようになった。

    つくるはこの状況が飲み込めず、一時期、辛い時期を送る。


    それから16年経ち、恋人の沙羅に当時の真相を確かめるように助言される。

    名古屋、或いはフィンランドまで赴き、当時の仲間から話を聞く。



    グループを外されたのは、つくるがグループの1人の女性、シロにレイプしたから、ということがわかった。



    つくるはもちろん、やっていないと否定するが、
    ひょっとしたら、自分はやったのかもしれないと記憶が錯綜。(この辺が村上春樹っぽい)


    帰国後、沙羅と3日後に会う約束をするが、
    そこでさらに受け入れられなかったら、もう自分は終わってしまうのではないか、と思う。



    話はここで終わる。
    1Q84なんかに比べると
    話が地についているというか、どこで何が起きているのか分かりやすい。

    でも、ここでおしまい?
    という不思議な感じはやっぱり変わらない。



    この小説のテーマはなんだろう。

    友情、男女、恋愛、成長、人生の中でのものの見方の変化…


    そんなところかな。

  • 久しぶりに超大物の本を読みました。

    学生時代に誰もが一つや二つ、思い出すと痛い気持ちになる出来事がある。
    その事自体は、時間を掛けて忘れる方が楽だと思う。

    つくるはそれを掘り起こして、たくさんの事実を知るが、最後の最後がサラ??との問題になり、えっっ!て。
    過去を解決し、現実にまたやきもきする。アラフォーは忙しいし、難しい。

  • 最初の20ページくらいで早々と力尽きました。すみません。

  • シロが弾いていたピアノの音、灰田と聴いたレコードが印象的で、この物語には穏やかな時間が流れているなと思いました。色を持たないとしても周囲はちゃんと主人公を受け入れていた。過去を確かめることでその事実が明らかになってよかった。巡礼を通して彼の肩の荷が下りたように思いました。沙羅とうまくいってもいかなくても、彼はまた自分らしく生きていくのではないかなあ。

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