色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年

著者 :
  • 文藝春秋 (2013年4月12日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163821108

感想・レビュー・書評

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  • つくるあんま好きじゃない。笑

  • とても仲の良い人との付き合いって、とくに学生時代は、永遠に続いていきそうな気もしてしまう。だが、どんなに密な繫がりでもあっさりと切れてしまうこともある。わけも分からず断絶を経験した主人公が自分を生かすために、過去と向き合っていく物語。人生は自分の力ではどうにもならないこともあり、自分一人の力で生き延びなければいけない時もある。人との繫がりは儚いものだけど、その思い出だけでもとても尊いものである。

  • 3.5

  • 意味深なエピソードが綴られていたが、つながらず終了。
    高校の国語の先生が結末がはっきりせずわかりにくい小説のほうが楽しいと言っていたのを思い出した。
    小説を今後たくさん読んでから再度読むと新しい視点から考えられるかと思った。


  • 2023年一冊目。

    中学生でノルウェイの森に手を出して挫折し、高校で羊をめぐる冒険、大学で1Q84と敗北し続けて、20台では寄り付かなくなっていた村上春樹作品。

    30歳にして和解できたかもしれない…


    「なぜ”僕”は排除されなければならなかったのか?」という謎があり、
    それが気になってどんどん読めたというところもあるけれど、
    (全く解決されずに終わる、ということもありうると思いながら…)

    日常に潜む「魔」を、その恐ろしさを最近感じることが多く、共感と癒しを得た。

    ありきたりだけど、今のこの日常は奇跡的なバランスで成り立っていて、
    ふとした隙間に挟まって、二度と元に戻れないことは多々ある。

    なにかをつくること、残すこと、
    子孫を残すための行為は本来は暴力的なことであること。
    暴力にならない関係性をつくること。

    駅や器、車や会社に、子孫を残している他の4人に比べて
    消えてしまう音楽を奏でていたシロさんが切ない。

    それでも、「巡礼の年」は”僕”とクロさんの心にいつまでもある。

    昔同級生が言った一言とか眼差しとか、演奏のふとした息遣いとか、消えてしまうものの中でも
    いつまでも自分の中にあるものがある。
    私以外は忘れているようなことであっても。

    私も日々ささやかな仕事をし、自分が満足でき、できれば何かが残ればいいと願う。

    そして大切な人が「魔」に捕まらないように祈る。

  • 村上春樹作品のなかではかなり読みやすい方だと思う。すべてが明かされない感じも、ひとつひとつの文が繊細ですっと入ってくる感じも大好き。

    村上春樹を読んだことがない人もぜひ読んでほしい1冊。

  • 相変わらず英語に直訳できるんではないかと思われるほどの村上ワールド。

    色々と投げっぱなしな感がものすごい強い。
    主人公の考え方も30代後半よりもっと若く感じる。

    読みやすいことは確かなのだが。

  • 読みやすくて好き

  • 色を持たない「つくる」くん。
    急にみんなに拒絶され生きた心地がない。

    自分の身に起きたことについて
    向き合う事の怖さ、辛さを乗り越える。

    僕は好きだった。

  • 割と長い時間をかけて発表時系列順に読み進めている村上春樹。高校生だったころ初めて読んだ「風の歌を聴け」からの年月であるからそのスパンは長い。そうすると「IQ84」からの流れがどうしても出てくる。リトルピープルという単語こそ使われていないものの、今作には明らかにその表現できない根源的な、ア・プリオリな邪悪さ、ネガティブな何らかなものとの闘いが感じられた。
    とてもリアルだし、エピソードはさらりとストレートだが。
    続編ととらえてもいいかもしれないほどこの二作のテーマは近い。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。79年『風の歌を聴け』で「群像新人文学賞」を受賞し、デビュー。82年『羊をめぐる冒険』で、「野間文芸新人賞」受賞する。87年に刊行した『ノルウェイの森』が、累計1000万部超えのベストセラーとなる。海外でも高く評価され、06年「フランツ・カフカ賞」、09年「エルサレム賞」、11年「カタルーニャ国際賞」等を受賞する。その他長編作に、『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』『街とその不確かな壁』、短編小説集に、『神の子どもたちはみな踊る』『東京奇譚集』『一人称単数』、訳書に、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』『フラニーとズーイ』『ティファニーで朝食を』『バット・ビューティフル』等がある。

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