- Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
- / ISBN・EAN: 9784163823201
感想・レビュー・書評
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表題作「王になろうとした男」☆☆☆☆
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織田信長とともに、同じ時代を生きた男たちの話。桶狭間で首領を討ち取りながら出世しなかった毛利新吉や、信長の甥にあたりながら織田姓を名乗れなかった津田信澄などが主人公である。当時は多くの人たちが、野望を持って生きていた。己の野望によって命を失うものもいたけれど、それはそれで充実した生だったのだろうと思った。
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信長が殺されなければならなかった理由が、こういう事だつたのかもしれないと思った。
実力次第でいくらでも出世できた下克上の戦国時代、その中でも抜きん出て実力主義の信長の周りには出世を狙う人々が集まり、競争の果てに信長をも倒さなければ出世が叶わないように。
様々な人の思惑が渦巻き、感心しながら読んだ。
最終章の黒人の小姓、ヤスケの話は切なかった。どうかヤスケが助かっていますように。 -
史実に基づいた歴史小説というより、歴史に基づく大いなる創作。創作としては面白いけれど、ちょっと飛躍し過ぎでイマイチ。
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毛利新助、塙九郎左衛門直政、荒木村重、津田七兵衛尉信澄、彌介といった信長に仕えた5人に焦点を当てた短編5話。
荒木村重、彌介以外は余り名前を聞いたことが無かった。
それぞれ作者の独自の解釈で歴史を語っている。真に受けてはいけないがそうかもしれないなんて考えると楽しくなってくる。 -
信長に仕えた家臣たちを主人公にした連作短編集。表題作は黒人の家臣の弥助で、ほかは毛利信助や津田信澄だったり。津田信澄が信長の甥とは知らなかった。その縁戚関係は信澄にとってどう受け止めることなのか。黒人として日本まで連れてこられた奴隷にすぎない弥助がなぜ武士となり、そして、それを弥助はどう受け止めたのか?脇役たちの人生に迫り、儚い戦乱の世の夢を描いている。
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第150回直木賞候補作。
信長にまつわる武将達の生き様を描いた短編集。
「王になろうとした男」はそのラストを飾る。
もう少し緻密な心理描写や風景描写があった方が良かった。
「王になろうとした男」までは信長を描かずして信長たるものを語る。といった感があったが、「王になろうとした男」で結局は、秀吉のしたたかさが強調されてしまった感じがする。
ただ全編を通して「天下=王」をとろうとした男達の生き様は描かれている。
初作家だったので、他の作品も読んでみたい。
2014.1.13読了 -
出世争いにはまった悲哀が前半は感じられました。最後の本能寺の変の解釈は新鮮。伊東さんの作品は深く考えるところが私には有り、何回も頁を目繰り返してしまいます。
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#読了。第150回直木賞候補作品(既読時)。短編集。織田信長を中心に、5人の男の運命が描かれる。歴史小説はあまり得意ではないが、伊東さんの作品は面白く読める。
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映画化されそう。面白い。