11/22/63 下

  • 文藝春秋
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  • Amazon.co.jp ・本 (527ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163824901

感想・レビュー・書評

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  • ケネディー暗殺を阻止すべく、リー・オズワルドを監視しながらも、別の生活の中で、最愛の人を見つけたジェイク。暗殺が迫る中、改変を阻止しようとする歴史の力は、数々の悲劇を及ぼす。その中で、暗殺阻止のため、ジェイクはダラスに向かう。
    ケネディー暗殺阻止に向けての実行犯オズワルドの観察とともに、ジョーディーでの教師との生活も描かれるが、その中で秘密を抱えた者のあかせない苦しみも表される。悲劇が予想できるが故に取る行動で訝しがられ、避けられるといったこと、想定しながらも防げない悲劇、自らへの妨害。あらゆることが起きる中、献身と愛情が物語を明るい方向に持っていこうとするのがよかった。
    暗殺阻止に近づくにつれ、歴史の妨害は、壮絶になっていき、その点はある意味キングの真骨頂と言うべき描写が多い。自分の身に降りかかっているような描写が、直接・関節共に続く。
    果たして暗殺阻止はどうなるか、そしてその後は?
    デットゾーンでは、架空の未来を予知した人間がどうするかに対しての話だったが、今回は実際の歴史に絡むネタについて、どう描くかが、気になっていた点だった。
    結果として、希望や優しさを感じさせるラストになっている。そう感じさせるのは、そこまで描かれてきた人の結びつきがあるからこそで、そのために念入りに描かれていたのだなぁと、最後に感じた。
    清々しい終わり方で、じんわりとくる、そんなラストでした。

  • 語弊がある言い方だけど、手垢にまみれたタイムスリップ物をキングが書いたというだけで注目(若干の危惧も)していた。しかし結果は裏切られた位見事な作品だった。それでいてこれは、やはりS・キングの小説そのもので新たな代表作が誕生したといいたいです。
    タイムスリップ物、で自分が知っていて面白かった作品は海外では、ケン・グリムウッド『リプレイ』であり、日本では、今までタイムスリップ物の中で一番好きな作品は、広瀬正『マイナス・ゼロ』でしたが、そこに肩を並べる位の傑作を読んだ気がします。
    これらに共通するのはやはりどこまでその時代のデティールを書き込み、その時代の雰囲気を読者が主人公同様に体験するという事が第一だと思いますが、この作品も見事と言うしかなかった。いやそれだけでなく本作は時代とともにその時代のアメリカの町と人が(空気や匂いまで)十分に描かれていて、息苦しくなるほどリアルさを持っていると思います。主人公同様に僕もデリーやダラスが嫌いになったし、反対にジョーディの町に、人にホッと安心感さえ覚えました。



    この小説は、SFではあるが、キングらしくモダンホラーの要素やサスペンスありのミステリーでもあります。特に過去が改変を拒むため主人公にあらゆる妨害が起るところなどは、手に汗握って、読みました。
    だけど、この小説の要になっているのは、やはり(過去の)人との出会いであり、関わりだなと思います。そこにドラマがあり、感動があると思います。(無論関わる人が良い場合もありますが、逆に最悪の人もいます)
    特に高校の演劇のエピソードは、泣きました。またそれ以前の夫婦とのドラマにも感動しました。

    そして下巻にかけてすごいと思ったのは主人公が、監視する対象者が、リアルな歴史、リー・ハーヴェイ・オズワルドであるということだと思います。僕自身は、映画『JFK』を観ていたので単独犯行説に疑問を持っていましたが、キングはオズワルドという男を主人公を通してきっちりと、そしてあからさまに描きました。まるでそれが現実であるがごとき筆致で。(例えばリーの妻マリーナと主人公が出合い、会話する場面は息をのみます。)

    そうして主人公は監視という名の歴史改変に挑んでいくのですが、その一方彼は、セイディーという女性と知り合い、二人は愛し合っていきます。そしてそこにも数々のドラマが生まていきます。(なにせ未来から来た男と過去に生きている女の恋愛です)それが主な原因で、確執が起り一時機二人は離れ離れになってしまいます。

    ただ、改変を拒む過去は、まずセイディーが(文字通り)傷つく事件をおこします。その事件を主人公は阻止しようとするのですが、失敗し、セイディーの顔に大きな傷跡、心にも大きな傷を背をわせてしまいます。そしてそこからいかに主人公が献身的な愛で彼女に尽くし、またそれに応えるようにセイディーが心を取り戻していくのか、また主人公に対する愛を取り戻していくのか、感動出来る物語が綴られていきます。そしてこの小説は、本当に、傷ついた人の再生と愛の物語だなと思いました。

    そう断言できるのは、次に主人公が体も頭脳(記憶を失くしてしまう)も傷つけられてしまうからです。ひどい暴力でもってです。
    これは過去が改変を望まない為の悲劇なのでしょうか?
    それが起る時期は1963年8月です。目的だった、11/22/63と言う日が近づいているのというのにです。
    そしてここから主人公の体と記憶と心を取り戻す為の旅が綴られていきます。まさに不撓不屈の精神が描かれていきます。そして今度は恋人セイディーが献身的な愛で主人公を助けるのは言うまでもない事。
    実は、この一連のシークエンスは長いですが、文章に圧倒され、手に汗握り、胸が締め付けられながらも一気読みしました。そしてとうとう体は完全には治らないものの、記憶(自分がいる目的)を発見するくだりは感動すら覚えました。

    そして、そこから主人公はケネディ暗殺を阻止するための行動を起こします。運命的なのはそこにセイディーもいるということです。二人は運命の日
    暑いダラスの街を駆け抜けます。
    ここでも改変を望まない過去は必要に二人の行動を邪魔します。物語は
    11/22/63のあの瞬間までノンストップに疾走していきます。

    そして運命の時を迎えます。

    その結果についてはあえて書かないでおきます。

    くり返しますが、第五部11/22/63は、一気読み必須の面白さ、そして傷ついた人間のドラマであり、愛の物語です。

    続く第六部はエピローグ的な意味合いがありますが、主人公ジェイクは、当然のようにふたたび歴史を改変(全てをリセットし、また1958年からやり直す)ために兎の穴にたどり着き2011年に舞い戻ります。その前に語られた地震が大きな予兆であり、そして実に酷い現実が待っています。1963年以降改変されてしまった(主人公が変えてしまった)歴史は恐怖でしかありませんでした。が、細かい事はここも伏せておきたいです。ただ地震と核の脅威とだけは言っておきたい。まさに現実と共鳴しているのではないかと思いその事だけで愕然とします。
    主人公は再び1958年に舞い戻るが、自分の存在やひとつひとつの行動が歴史を改変させてしまうのではないかと言うトラウマをかかえ、目的だった事も出来ず、すべてをあきらめ穴を閉じる為にまた2011年に戻るしかありませんでした。そして改変されなかった世界で再び生きようとします。
    そしてラストシーン。ほろ苦い結末ですが、素直に涙がでました。

    これは小説であり、フィクションである(いや、JFKやリー・オズワルドやジャクリーン、そして一行だけだが、あのキャロラインも会話の中で登場する。だからフィクションでありながら、時代考証やダラスの街等々についての資料集めの凄さはノンフィクションも顔負けであることだけは言っておきたい。)

    いや、そんなことを言いたいのではない。小説でも読んでしばらくその世界から抜け出せなくなったり、少なからず大げさかもしれないけれど、人生や生活に影響を与える一冊があると思います。

    この作品もまさにそれで2013年刊行された海外小説の中で自分もベストワンだと思います。とにかく鬼才S・キングが放つ新たな地平。どえらい小説を読んでしまったと言うのが正直な感想です。確かに長く、手を出しにくい本ではありますが、翻訳も良く、実に読みやすいので、多くの人に読んでもらいたいと思います。
    最期に二言だけ。
    いまだに縄跳び少女の掛け声が聞こえてくるようだという事と、

    そしてダンスは人生だ

  • ☆4つ
    本書は1ヶ月ほど前から上下巻を入手していたけれど、まづ上巻を読むのに3週間も掛かった。何故ってそれは言わずもがなで翻訳物だからである。わたしは普段は洋書などわ読まない。おそらく2年に1作品くらいしか読まないと思う。
    なので下巻も最初だけチラリと読んでしばらく打っちゃっておいた。そして一昨日ハタと気づいた。この本の題名の期日がもうすぐ来るではないか。こりゃこの期日までに読み終えて感想らしき事を書いておくと案外に気分の良い達成感が生まれるのでは・・・ということで、昨夜は6時間以上連続読書した(いつものMixiやFBやYoutubeを眺める無駄な時間にさえのめり込まなければ達成可能な事であると気付いた)。
    しかし500ページを越える翻訳本一冊をトータル3日と2晩で読破することはかなり無謀なことであった。そおして仕事と車による通勤時間及び食事の時以外は原則この分厚い「下巻」と対峙することになった。

    現代(2011年)に住む主人公がひょんなことから(おお、手垢のついた言い回しだこと)過去の世界へ行ける手段を手にし、1963年11月22日に起きたジョン・F・ケネディ暗殺事件を阻止する事を物語の中心に据えた作品である。

    ちょうど半世紀が経つということで日本のメディアも1963年のケネディ大統領暗殺事件についての記事を載せている。その記事を拾い読みすると、どうやらいまだにアメリカでは本当にリー・オスワルド容疑者の単独犯であったかどうかについては意見が分かれていて、なんと半数をこす人達が単独犯では無いと思っているそうなのだ。

    そしてじつわこの物語はその単独犯かどうかという部分に焦点を当てている。未来から来た主人公ゆえにその時にリアルタイムで出来る事は・・・とまあそんなところが読み応えなのでは、と思う。

    そういうウンチクもこの上下巻で1000ページを越える大作(しかも洋書翻訳ものw)を読破しないことにはサッパリ解らぬ事であった。ああ、趣味読書の一方の楽しみ/喜びはこれなのである。すまぬ。

    • Pipo@ひねもす縁側さん
      花だけポチして、コメントがすっかり遅くなりました。これもJFKものだったのですね。ふむふむ。
      花だけポチして、コメントがすっかり遅くなりました。これもJFKものだったのですね。ふむふむ。
      2013/11/23
  • ホラーの巨匠が50年前のケネディ暗殺を取り上げる。時間旅行者がケネディ暗殺を阻止しようとするが、過去は強硬に抵抗する。60年代の古きよきアメリカを舞台に描かれた物語。読み始めるとやめられない。

  • 宣伝文句や雰囲気は面白そうなんだけど、全体を味わったら、なんとも子供だましの薄っぺらだった、ということが、小説でも映画でもあると思います。
    コレは、そうではありませんでした。さすがスティーブン・キングさん。
    「タイムスリップしてJFK暗殺を阻止する物語」
    というと、なんとも企画倒れな、強引な冒険譚な感がしますが、
    そう思って敬遠する人がいたら、是非、おすすめです。お試しください。

    イチイチ・ニイニイ・ロクサンと読むのが正式な日本語タイトルだそうです。
    下巻はハラハラドキドキ、かなりの速度で読み終わってしまいました。
    (そして読み終わって数日経つのでもう、忘れつつあります)

    上巻では、1958年にタイムスリップできる「穴」を見つけた主人公のジェイクさん(男性教師)が、1963年11月22日のケネディ暗殺を阻止し、歴史を改善するために、1958年に乗り込みます。
    そして、田舎町で教師をするうちに、セイディーさんという図書館書士と、恋に落ちてしまいます。
    しかし、主人公はいずれ、「JFK暗殺阻止」という大いなる使命があります。
    そして、この本ではスティーブン・キングさんは「オズワルド単独犯行説」を取っているので、「暗殺阻止」は即ち、「オズワルドの殺害」を意味する訳です。

    自分はいずれ、殺人を犯さねばならない。
    そして恐らく警察に追われて、「タイムスリップ穴」に逃げ込んで現代(2011年のようですね)に帰る。セイディーと別れ。

    そうなんだけど、セイディーさんとは、ほんとに素敵なラブラブ関係で、できれば結婚したい…。
    そして、徐々にそのセイディーから、何か怪しい目的を持っている男、と疑われ始める…。

    この主人公の「1958年の教師時代」のお話が、それだけでも十分に面白い。
    生徒たちとの関係、教師としての成功。
    セイディーさんとのロマンス。セイディーさんが抱える過去。
    (セイディーさんは、かなり厄介な変質者の元夫と離婚した、という辛い過去があります)
    そんなことが全て、
    「1958年ならではの、辛さ」があったり、
    「2011年ではあり得ない素晴らしさ」があったり。

    このあたり、
    「支配的な親との確執」であるとか、
    「保守的な偏見との摩擦」であるとか、
    「一度は傷ついたことのある大人の男女の恋愛」であるとか、
    そういう時代を問わない人間味の次元での、小説物語として十分な醍醐味があります。

    読んでる方としては、「もういいじゃん!JFKは忘れてそのまま幸せになりなよ!」と言いたくなります。

    でもそうはいかないんですね。
    そのあたりは米国人じゃないのでホントのところは判りませんが、
    やっぱりJFK暗殺というのは、それだけアメリカ現代史の中の巨大な黒点なんですね。
    JFKを救わなくては、ベトナムで無駄に多くの人が死ぬ。みたいな。
    (このあたりの、JFKを救わねば!という使命感は、共和党支持者やタカ派の人たちは、そう思わないのかな?)

    そして、オズワルドとその妻子の観察…。
    人間としてのオズワルド、その家族への共感…苦悩…。
    「あいつだって、夫で、親… 殺して良いのか?」

    実に豊かな小説だなあ、と思います。長いだけのことはあります。

    物語の細部はともかくとして。
    物語は風合瀬に入り、激流になります。
    セイディーさんに危機が訪れ、主人公は奔走し、主人公も大けがを負います。
    物語の転がしとしては、この「大けが」を利用して、11月22日、ぎりぎりの、ホントに数秒を争う土壇場を作り出しています。
    その辺、アザトイと思う人も居るかもしれませんが、僕は「上手いなあ」と素直にハラハラドキドキの冒険譚を愉しみました。

    そして最終盤。
    ネタバレは野暮ですが、僕の感想としては、
    「全ては結局、主人公さんとセイディーさんの痛くて切ないけど救いのあるラブストーリーとして溶けていく感じ」
    というのは、長い長い物語の落ちとしては、好きでした。
    何が正しいのか、というような次元でフィクションで安易な結論を出すことなく。
    50年を超える現代史を横断しながらの、冒険譚であり、人間ドラマである、という。

    全体として、「バック・トゥー・ザ・フューチャー」のわくわくする枠組みを満喫しながらも、
    やっぱりスティーブン・キングさんらしいな、と(そんなに読んでないんですけどね)。

    ●保守的な閉鎖的な地域社会の恐怖

    ●悪意や憎悪に取りつかれたニンゲンの闇

    ●総じて、世間は、不寛容や不公平や非情な運命と言った、理不尽さに満ちている。

    みたいな味わいが圧倒的に強烈で、そして展開は判りやすくエンターテイメント。
    実に大人な読みごたえのある小説でした。









    ####以下、粗筋の個人的な備忘録。読まないでください####

    ●ついつい、未来のことを知っているので、恋人セイディーから疑われる主人公。

    ●隠し事をしていると疑われて、破局っぽくなってしまう。

    ●やっぱりJFK暗殺阻止の為、破局を選んでダラスに赴く。

    ●オズワルドの監視。63年当時の、貧困層の生活の辛さ。オズワルドの妻子、そしてオズワルド本人の人間味を知って、殺すのを悩む。

    ●セイディーへの想い溢れて。復縁。

    ●ためらいつつも、セイディーに全てを打ち明ける。信じて貰える。

    ●セイディーの元夫が、セイディーを襲撃。セイディー、大けが。

    ●その治療費などを稼ぐために、最大の収入源であるスポーツ賭博(勝敗を知っているから)。

    ●そこで暴力団に絡まれて、ボコボコにされる。大けが。

    ●大けがから短期的記憶の混乱。気が付けば暗殺間近!

    ●とうとう、セイディーも協力してくれることに。ふたりで当日、ダラスを駆ける。オズワルドを阻止するため!

    ●「過去は変えられることを嫌う」ふりかかるありとあらゆる障害。一つ一つ突破するふたり。

    ●とうとう暗殺現場、教科書ビル。暗殺は阻止。だが、セイディーが凶弾に倒れ、死亡。

    ●政府やFBIとのやりとり。「英雄」になってしまった主人公。取引をして、現代に戻る!

    ●だが戻った現代。JFKが死ななかった現代。それは、天変地異も含めて、暗黒の社会だった。「歴史は変えられることを嫌う」。

    ●これはアカン、と1958に戻る。
     苦悩の末、セイディーと会わず、JFKも救わず、「全て元通り」で、未来に戻る。

    ●元通りの現代。80代?になっている、セイディーと巡り合う。

  • やっと読み終わった。分厚い上下巻の上下に2段組の構成。
    長~い旅を終えた気分。
    オズワイルドは阻止できたけど、かけがえのない恋人セイディを失うことになってしまったんだね。いや、現世に(兎の穴に一緒に落ちて)連れていってレーザー治療を受ければ、その顔の深い傷ももっと目立たなくなるとそう思っていたのに…。
    でもラストで30歳くらい?年上のセイディーと最初に会った時に踊った曲でダンスシーンは切なかった。
    あくまでもケネディ暗殺の阻止はサイドストーリで、このふたりの切ない恋物語と読んだよ。

    あとがきでキングがこの小説を書くにあたって莫大な資料を読み、オズワイルドの単独犯と思ったらしい…。
    これは新情報。

  • 過去は共鳴する。その一言につきる小説だった。
    ジェイクという名前だけで、ファンはぞくぞくするけど。

  • 結局、彼の冒険はなんだったのか。
    自身のやり遂げたことが、実は世の中の悪い方向に加担しているとしても、その時の自分にはわからない。
    事実は小説より奇なり、をこの物語に当てはめて解釈するならば、時間が描いたシナリオのちょっとしたいたずらのようなことなのではないだろうか。

    時間という概念自体は、永遠に続く。その存在自体は変化するかもしれないが、変化することに対して抵抗することは人間も同じ。種を繋いでいく生命とは違い、一つの命としてとらえた時間という存在は、冷酷で情熱的、儚いがしなやかで強い。そして残酷で優しい。

    この本を多くの人が二度と読まない(長すぎて)と思うのだが、その事自体も二度と繰り返さない時間と解釈ととるのはシニカルすぎるかもしれないが、
    久々に本を読んだ、という充実感も有り、読後も満足。物語の後にある、筆者の解説は必読すべき。

  • セイディー、セイディー、セイディー。
    背が高いセイディー、美しいセイディー、タバコを吸うセイディー、必ず何かにつまづくセイディー。
    48年の歳月を経ても美しい、彼女が生きてて良かった!
    SFに名を借りた大純愛物語です。
    スティーブンキング作品なのに泣いてしまいました。
    しかし流石はスティーブンキング、最後はえげつないホラーになってましたが。
    「インザムード」聴きたくなります。
    「リンディホップ」観たくなります。
    YOUTUBEで検索したら出てきました。気分はセイディーとジョージ、意識は1963年ハイスクールダンスパーティに飛んでいきます。
    お勧め!

  • キングの好きな所は、普通だと隠しておける人の狂気の部分が、異常な状態で露になる恐ろしさだ。今回はそういった点はあまりしつこく書かれない。タイムトラベルという思いっきりあり得ない設定だが、あとはごく普通の主人公が使命を果たそうとしながらも、恋や人間関係に悩みまっとうに生きる。一個人が歴史を変えようとする異様さと、彼の溌剌としているがある意味平凡な生活とのギャップに不可解なものを感じながら読んでいた。だから彼の決着の付け方にとても共感できた。ラストは少しキレイすぎるが、そこもキングっぽくて良し。

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著者プロフィール

1947年メイン州生まれ。高校教師、ボイラーマンといった仕事のかたわら、執筆を続ける。74年に「キャリー」でデビューし、好評を博した。その後、『呪われた町』『デッド・ゾーン』など、次々とベストセラーを叩き出し、「モダン・ホラーの帝王」と呼ばれる。代表作に『シャイニング』『IT』『グリーン・マイル』など。「ダーク・タワー」シリーズは、これまでのキング作品の登場人物が縦断して出てきたりと、著者の集大成といえる大作である。全米図書賞特別功労賞、O・ヘンリ賞、世界幻想文学大賞、ブラム・ストーカー賞など受賞多数。

「2017年 『ダークタワー VII 暗黒の塔 下 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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