とっぴんぱらりの風太郎

著者 :
  • 文藝春秋
3.97
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本棚登録 : 3417
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  • Amazon.co.jp ・本 (752ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163825007

感想・レビュー・書評

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  • キャラクターがいきいき描かれいる時代小説。風太郎、黒弓、蝉みんなカッケー。そういえば、グラスホッパーでも蝉がいたなあ。

  • 万城目さんの小説に出てくる人物たちは、いつも本当に魅力的だ。血が通い心が透けて見えるときがある。風太郎をはじめひとりひとりが懸命に生きている姿が伝わってきて、ラストに向けて、男たちの覚悟がすがすがしく、まっすぐで、本当に感動した。本気で泣けた。大河ドラマなどでは、いつも当時世の中を動かす天下人たちが主人公だが、本当はたくさんの名もなき人々が戦い、次の世をつくりだしているのだと改めて感じる。 ただかなり長編なので、一気に読む時間がない人にとっては、のりきれないかもしれない。その分★★★★で!内容はもちろん★5つ!

  • 風太郎と黒弓の組み合わせが最高。
    黒弓がくると厄介事に巻き込まれているけれど、ちゃんと力にもなってくれてるし、無くてはならない相棒って感じ。

    ひょうたんを水に漬けて―という部分は小学生の頃を思い出した。同じようにひょうたんを育てて中身を腐らせて出し、ニスを塗ったことアリ。
    考えたら、あれ、とてもいい水筒になるよなぁ。
    最初に作った人スゴイ。

    赤子を置いて逃げたくなるような場面でも約束を守りぬく風太郎。どこまでいっても憎めない奴だわ。

  • ここのところ色々あって、かなりの期間読書から遠ざかっていたのだが、ようやく本を手にした。挑んだのは万城目さんのこの本。しばらくぶりに厚さのある本に挑んでみたかった。

    最初、店頭に並んだ時のコピーは「今度の主人公はニート忍者?」とか、そんな感じだったように覚えている。また万城目さんらしく奇想天外で愉快な物語だと思っていた。

    が。これは…、違う。

    確かに奇想天外な部分はある。大阪冬の陣から夏の陣、徳川方と豊臣方の攻防を背景に、忍びの道を絶たれた男。そこに現れる「ひょうたん」。

    私が読んだこれまでの万城目さんとの一番の違いは「哀しさ」だろうか。奇想天外、ユーモアもある。だが、哀しい物語、であった。

    現代物、時代物問わず、まだまだ万城目さんの本を読んでいきたい。

  • 長さと重さ(内容の方じゃなく重量)がハンパない。万城目さん頑張ったなぁと、まずはそう感じた。

    ひょうたん、大阪城ときたのであぁ「プリンセストヨトミな」とは思ったのだけど、なるほどエピソード0ってことな。そら気合も入るわ。しかしまさか忍○乱太郎のシチュエーション(相当血なまぐさい乱太郎やけど俺にはどうもそう思えてならなかった)で、これを描くとはさすがというかスゲエというか…。

    ラストはジーンとくる。まさか百とのシーンで締めくくるとはなぁ。そこまでの手に汗握る展開に心奪われてたので泣くほどのことはなかったけど、あーいうラブシーンにもっていけるんやなぁと感動の中で関心もしてしもた。

    物語の展開もそれほどダレ場なく、一定のペースで走り続けるので厚さと長さのわりには早く読めたかな。さすがに連日腕筋張りっぱなしやったけど(別趣味のせいなんですけどね)

    …ん、まてよ。この物語ってしゅららぼんともつながる可能性あるんやないか?まさかひさご様のお祭りシーンにホルモーにつながるなにかもあったのか?…万城目め、ひょっとすると壮大なサーガを構想してるとかあるんやないのか?

  • 万城目さんの時代物ファンタジー!
    今までとは一味異なるストリー!
    忍者の落ちこぼれから、ひょうんなことで 、ひょうたんとの出会いから奇怪な展開へと話は進む。

    後半のニート風太郎の活躍に涙!!
    あっぱれ、風太郎!!

  • 泣きました、結構。
    ひとり、ひとり単独で生きてるような人々が、結局心の底ではつながってて、つながりを求めてて、そこに温かいものが流れてて…。
    最後は、予想とはちょっと違ったけど、あぁ、そうきましたか・・・って感じです。

  • 全746ページ、読了!

  • 750pの辞書みたいな厚さで「買ってみろ」と言わんばかりの「万城目学」の時代小説。通勤では辞書を読んでいる変な奴に見える。
    伊賀を追い出され、京で「ニート」の日々を送るぼんくら忍者「風(ぷう)太郎」。ひとつの「ひょうたん」との出会いから人生が奇妙な方向へ転がっていく。「ひょうたんを育てよ。そして大阪城へ連れてゆけ。」忍びとして半端な風太郎が「因心居士」「ねね様」「ひさご様」の願いを叶えるため落城寸前の大阪城に乗り込む。
    前半のニート生活が長くてなかなか進まないが、終盤は怒涛の迫力。「ホルモー」「鹿男」「しゃららぼん」のような万城目ワールド的な感じは薄いが、強いて言えば「トヨトミ」か。

  • マキメ流ハードボイルド
    本の厚みも行き着くところも、ずっしりとしている
    まさかこんな展開になるとは…

    煽りはちょっと、不適切では?

著者プロフィール

万城目学(まきめ・まなぶ)
1976年生まれ、大阪府出身。京都大学法学部卒。
2006年、『鴨川ホルモー』(第4回ボイルドエッグズ新人賞受賞)でデビュー。主な作品に『鹿男あをによし』、『プリンセス・トヨトミ』、『偉大なる、しゅららぼん』などがあり、いずれも文学賞ノミネート、映像化等など、大きな話題を呼ぶ。また、エッセイ集に『ザ・万歩計』、『ザ・万遊記』、対談本に『ぼくらの近代建築デラックス!』がある。

「2013年 『ザ・万字固め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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