少し不思議。

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 164
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163825304

作品紹介・あらすじ

漫画家・辰彦はある日、居酒屋の便所で女の尻を目撃する。それを境に「なにかが違う」日々がはじまった……。ギャグ、SF、音楽、テレビ――異能の創作者・天久聖一が愛するものすべてを注ぎ込みゴチャ混ぜにした爆発的小説、ここに完成! 装画は盟友の漫画家・長尾謙一郎が担当。

感想・レビュー・書評

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  • 居酒屋で酔っ払って入ったトイレで鉢合わせてしまった女を見てから、辰彦の周辺は少し変化してしまった。

    ひとり暮らしだった部屋に突然あらわれた奈津子の存在。
    辰彦と奈津子が同棲していることは、周りの知り合いにとっては周知のことで、それを知らないでいるのは辰彦本人だけだった。

    現実なのか妄想なのかも判断がつかないまま
    どこが面白いのかもわからないギャグマンガを描きながら、放送作家もツイッターでのネカマなども仕事をこなす辰彦。

    少しずつ思い出される記憶。
    奈津子との日々、東日本大震災が起きたときの自分自身が九州へと逃亡したこと。かつて覚せい剤に手を出したこと。

    ぶっ飛んだ話。最後まさかの夢オチとか考えちゃった。全ては現実であり、全ては妄想。

  • 題名がこんな安っぽくなければ評価できるのに。
    終盤の狂気の夢の世界があまり影像が浮かばず店舗も悪く残念。

  • POPEYE 2015年JANUARY Issue813
    本と映画のはなし
    橋本愛さんが紹介していた。

  • 【ネットで話題騒然、人気漫画家の処女小説】漫画家の辰彦は便所で美女の尻を目撃する。やがて周りの人間の記憶が自分と少し異なることに気付く。ファンキーかつ真摯な震災小説。

  • バカドリルの天久聖一の小説だー読もーっと読み始めた。
    妄想の連なり、暴走。不条理、奇妙な世界。
    でも、ただの変な小説で終わってない。
    世界が広がり続ける様で、実はどんどん内側に入り込んでいく感じ。
    何だか妙に残る本だ。やっぱり奇才だ。

  • 11/16

  • とにかくこの人が使うフレーズや名詞は天才的。キレッキレだ。単語と単語の組み合わせの奇跡が続く。後半の意外な、そして激流のような展開。さすが電気グルーヴと互角に渡り合うだけの作者のストーリーだと激しく納得した。

  • すごい才能だなあ。こんなもの突然書けてしまうものなのか。
    天久聖一の笑いのセンス、発想とサブカル的世界観を濃厚にちりばめながら、笑わせながら、寂しさと切なさがべっとりと肌にまとわりつく。
    リリー・フランキーといい、松尾スズキといい、この人といい。馬鹿騒ぎと下品なジョークとくだらない笑いで埋められない「孤独」、を的確に表現するのが、なぜこんなにもうまいのだろうか。
    とにかく今までに読んだことのないような、ものすごい小説だった。

  • タナカカツキと天久聖一を混同していた。リリカルなものと思って読み始めたら違った。俺も彼らと同じように歳をとっていたのだ。他人の妄想話を聞くのが好き。でも世界が年老いていくのと同時に粋な妄想に出会う機会も減ってきた。寂しさ具合がちょうどいい小説だった。好感。

  • 途中までは良かった。

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著者プロフィール

68年生まれ。香川県出身。89年、マンガ家としてデビュー。以後、アニメーション制作、舞台脚本演出、小説執筆など、マンガ以外の分野で活躍。『バカドリル』シリーズ(タナカカツキ氏共著・扶桑社)『味写入門』『味写道』『こどもの発想。』(アスペクト)『少し不思議。』(文藝春秋)『ノベライズ・テレビジョン』」(河出書房新社)『書き出し小説』(新潮社)など、著書多数。

「2015年 『大爆笑!こどもの発想。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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