陰陽師 蒼猴ノ巻

著者 :
  • 文藝春秋
3.88
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本棚登録 : 424
感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163900001

作品紹介・あらすじ

美しきかはひらこととなり、飛び去った財宝。困惑した屋敷の主は、晴明に使いを出すが――。突如都に現れ奇態の技で評判の男・韓志和の顚末を記した「からくり道士」をはじめ、アナウンサー渡辺真理さんからのお題「桃」をテーマした道満大活躍の短編「仙桃奇譚」、晴明、博雅、蝉丸が、琵琶湖に舟を浮かべ月見をしていると、ふしぎな島へと吹き寄せられ、美しき女人に巡り合う「月の道」など稀代の陰陽師、安倍晴明と笛の名手で心優しき源博雅が、平安の都に起きる怪異に挑む、蝉丸、露子姫、賀茂忠輔、蘆屋道満、藤原兼家とオールスターキャスト、今回も、心行くまで〈幽玄〉と〈あはれ〉を味わえる全十編稀代の陰陽師・安倍晴明と心優しき笛の名手・源博雅が、都を跋扈する百鬼夜行や不思議のことに挑む人気シリーズ。

感想・レビュー・書評

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  • いつもどおりの二人である。と、この安定感がホッとします。このまま、永遠に続いていくであろうお話です。今でも一条戻り橋のそばでは、きっと、二人が盃を交わしているだろうと信じられるお話です。
    読みはじめはあっさりしていて、あとの話が待ちきれず、次へページを進めさせ、おしまいには甘さと美しさで全体の余韻を響かせ、あぁ、そうか、この1冊で、きちんとしたフルコースの仕立てですね。
    とても、満腹。だけど、すぐに次の食事がしたくなります。
    「お前もよい漢だなあ……」ということで。

  • 『役君の橋』で珍しく博雅が仕事で「いや、ゆ、ゆけぬ...」って返答せざるをえなかったのが面白かった
    『安達原』はたぶん歌舞伎の黒塚が元ネタなのかな
    たまたま前日、黒塚の解釈漫画読んでたからこの作品読んでビビッと来たんだけど本の神様の導きすごい

  • 陰陽師シリーズ好きです。安定ですね。
    陰陽師特有の不思議な雰囲気、ゆったりとした時間の流れ等、、、が文章からこんなにも伝わってくるのは凄いですね。
    短編集とシリーズものが苦手な私でも陰陽師だけは大好きです。

  • 短編が10編。いずれも面白い。 怖い、おそろしい話よりも不思議な話という感じがおおいか。

  • 2017.06.04.読了。

    鬼市
    役君の橋
    からくり道士
    蛇の道行
    蝦蟇念仏
    仙桃奇譚
    安達原
    首をかたむける女
    の短編からなる。

    やっぱり博雅が素敵。
    是非 葉二 聞いて見たいなぁ。

    なんだか段々蘆屋道満がいい奴に思えてきた。

  • 安倍清明と源博雅、蘆屋道満の物語が詰まった短編集。 まずは表紙の露子姫の可愛らしさと美しさに目を惹かれた。 露子姫が出てくるのは「からくり道士」という話で、お気に入りの一つである。 宝石珊瑚や瑠璃から生まれた蝶はどんなに美しいものか、つい想像してしまう。 他に源博雅のみが出てくる「首をかたむける女」は実に博雅らしく、不思議なことも自然のことと受け止め、飲み込むからこそ清明は彼のことを「良い漢」と評するのだろうと感じた。

  • 20

  • 2012〜13年に「オール讀物」に連載された10話の単行本化で、シリーズ14巻目。

    いつものとおり、晴明が笛の名手源雅博と世の不思議について語り、問題を抱える人の頼みでその問題を解決するわけだが、マンネリに陥らず、軽くて楽しい。

    今回心惹かれたのは、年に一度竹生島の弁財天が琵琶湖北岸の泣沢神社の女神に会いに湖上の月に道を通うのを助ける「月の路」、時が満ちて今年最初に生まれる子らが雅博の笛の音で生まれたいと懇望していると言われて、雅博が雲の上で吹くときらきらと生まれていく「首を傾ける女」。

  • 美しきかはひらこととなり、飛び去った財宝。
    困惑した屋敷の主は、晴明に使いを出すが――。

    突如都に現れ奇態の技で評判の男・韓志和の顚末を記した
    「からくり道士」をはじめ、アナウンサー渡辺真理さんからの
    お題「桃」をテーマした道満大活躍の短編「仙桃奇譚」、
    晴明、博雅、蝉丸が、琵琶湖に舟を浮かべ月見をしていると、
    ふしぎな島へと吹き寄せられ、美しき女人に巡り合う「月の道」など
    稀代の陰陽師、安倍晴明と笛の名手で心優しき源博雅が、平安の都に起きる怪異に挑む、蝉丸、露子姫、賀茂忠輔、蘆屋道満、藤原兼家と
    オールスターキャスト、今回も、心行くまで〈幽玄〉と〈あはれ〉を
    味わえる全十編

  • 夢枕さんの『陰陽師』は、昔話で知っているネタをうまくアレンジしてくれるのが面白いよね。
    この巻に収められている『安達原』とかも、鬼女伝説を良い感じで楽しませてもらえました。
    四季折々の草花が風情を醸し出しているところも好き♪

    らじももっと自然と会話ができる落ち着いた生活がしたいなぁ~。

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著者プロフィール

1951年、神奈川県出身。第10回日本SF大賞、第21回星雲賞(日本長編部門)、第11回柴田錬三郎賞、第46回吉川英治賞など格調高い文芸賞を多数受賞。主な著作として『陰陽師』『闇狩り師』『餓狼伝』などのシリーズがあり、圧倒的人気を博す。

「2016年 『陰陽師―瀧夜叉姫― ⑧』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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