きみは赤ちゃん

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著者 : 川上未映子
  • 文藝春秋 (2014年7月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163900704

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きみは赤ちゃんの感想・レビュー・書評

  • ものすごく面白かった。
    エッセイ読みながら声を出して笑っちゃったのって久しぶり。
    「帝王切開 まじやばい」
    とか、今時の話し言葉全開でぐいぐい読めちゃう。
    おまけに友人との会話が関西弁ていうのがまた良いんだよね。
    妊娠から育児までここまで赤裸々にエッセイで語るって難しいような気もするのだけれど、そんなこと微塵も感じさせないスピード感だった。

    出産経験の有無にかかわらずどんな人が読んでもこの面白さは伝わるんじゃないかなとは思うけれど、特に読んでほしいのはやはり世の中の男性達!
    これだけあなたの妻は、もしくはあなたの母は大変な思いをして子育てをしている(してきた)んですよ。
    へろへろになりながら眠る暇も歯も磨く暇もない過酷な状況下で赤ちゃんの面倒をみつつ家事をし夫の相手をし。
    是非読んでもらいたいな~。

    川上未映子は言う。
    「社会で働き続けなければならないのはいまや女性もおなじであって、産んで、授乳してすぐ復帰せねば、もうもどれなくなるんである。出産のダメージはいったいどれほどのものなんだろう」

    夫であるあべちゃんは一般的な男性陣に比べて家事には非常に協力的だし、妻の泣き言もちゃーんと受け止めてくれる。
    でもそもそも「協力的」と言うのが間違っているのだ。
    だって二人の子供なのだから。
    対等な関係を築いている作者でさえ妊娠を機にいままで潜んでいた性差にたじろいでいるのだ。
    その辺の気持ち、分かってほしいのよね妻は。

    妊娠出産にまつわるエッセイとしては素晴らしい本だとは思うけれど一点だけ。
    川上さんはまだほんの小さな胎児ともよべない頃から自分の子供に対して深い愛情を持っている。
    それは絶対にゆるぎないものだ。
    母性神話を否定している川上さんですら一気に母になっていくのが良く分かる。
    でも、全ての母親となる女性がこうはいかないと思うのよ。
    妊娠も出産も子育ても非常に個人的な出来事でその人の抱える事情も体調も感情も人それぞれ。
    自分に照らし合わせて読むと、全力で子供を愛していたとは自信をもって言えないだけにちょっと凹んだ。
    まあそれも過ぎ去ったことなのだけれど。
    と言うわけで☆4つです。

  • 妊娠、出産の経験もなければ予定もないけれど、でも読んで良かったなぁと思う。
    このエッセイは全力で受けとめなくてはならない類の文章で、何と言ったらいいのか、とにかくすごい。
    つわり→食欲爆発→マタニティブルー→エアロビ→陣痛→出産→授乳→ぜっぺき対策→産後クライシス→離乳食→発熱→保育園→1歳の誕生日
    こうしてキーワード(と勝手に思うこと)を書き出すだけでくらくらしてしまう。
    私が出産や育児の本当の苦しさ、つらさを全く理解出来ていないだろうことは確実だけども、それでもこの本を読んでその恐ろしさの一端に触れた(はず)。
    お母さんが流す涙にはたくさんの言葉に出来ない感情が込められていることも知った(はず)。
    悲しくても泣き、悔しくても泣き、嬉しくても泣き…
    その感情の振れ幅にただただ圧倒される。
    どうにも精神的に弱っている時に同じように泣くしかなくなる時があるけど、それの延長線上に(もしかしたら)ありながらもそんなのとは次元の違う涙なんだろうな。

    自分の問題として読むことが出来ない現状ではこの本に書かれていることの80%くらいが「怖いこと」なのだけど、一度妊娠したら(又は出産したら)、この本を読んで涙を流すようになるんだろう。
    不思議とそんな確信がある。
    確かめる機会があるかどうかはあやしいけれど、もしも我が身に降りかかることがあれば(この表現が不適切なのは解っているのですがつい…)絶対にもう一度この本を読んでみようと思う。

    そして悩んでいるのは出産間近な友人にこの本を薦めるかどうかということ。
    エッセイを読む限り予定日まであと1月以上ある今ならまだ本も読めるのかな?
    これから起こるかもしれないあんなことやこんなことが、彼女を絶望させることはないだろうか?
    それとも赤ちゃんへの愛が溢れる文章が彼女の希望になってくるるだろうか?
    とてもとても悩んでいるのだった。

  • 笑って、ホロッときて、うーむと考えさせられて、要するに面白くて一気読み。川上未映子さんが、初めての妊娠から出産、子育てをセキララに語っている。

    川上さんの文章が好きだ。関西弁を交えた、独特のリズム感というか疾走感があって、読んでいて本当に気持ちいい。こんな風に言葉が紡げたらどんなにいいだろうなあといつも思う。

    その文章の勢いで笑わせながら、しばしば非常に重い問いも投げかける。子供を産むって至極普通のことだけど、同時に、すごい一大事でもある。そこらへんの感覚がとてもよくわかる。

    そして、小説家というのは本当にたいしたものだなあと思わずにはいられない。凡人は「あれ?これってどうなの?なんか引っかかるなあ」と思っても、多くの場合あまり突き詰めて考えないが、川上さんは、そこでのたうち回り、違和感を言葉にして、全身全霊で苦しんだり、喜んだりするのである。その振幅の大きさに恐れすら感じてしまう。

    ここには嘘がない。そのように生きていくのはとてもキツイだろうけど、夫のあべちゃん、息子のオニ君と三人でいることの幸福感もまた、とてつもなく大きいのだろう。

    小説や詩を書く人というのは、何かが過剰で、どこかが足りないのだとよく思う。普通に丸くはならない、そここそが値打ちなんだから、芸能人みたいに扱って、当たり障りのないことを言わせたりしたらアカンよなあ。

  • つわりから始まり出産、夫婦関係まで…
    クスッと笑いながら読めるのが良かった!
    見たこともないオニの成長を一緒に見守っていったような気がして 最後の章はうるっとしてしまった。
    なにより、結婚したーい 子どもほしーいと何度も思った

  • 川上さんは、とても自然なというか素直な心の声をそのまま文章にできる人だと思う。

    そんな川上さんがつづった産前産後。
    特に、「ダンナにたいする怒り」のところは共感を得るのでは。

    「赤ちゃん」は実際に自分の子を生んでみると、かわいいだけじゃないことに気づく。
    授乳に悩む日も、夜泣きが続き眠い夜も、普通に汚いうんちを拭くのも、いらいらしながら、こっちも泣きたい気持ちになりながら、不安な気持ちになったり、ときどき笑ったり、喜んだりして、子どもと一緒にすごしていく。
    そんなリアルな体験がとてもよく伝わってくる。

  • しばらくレビューをさぼっていた。気付けば旦那所蔵の漫画を読み漁るのみ。まだ妊娠のにの字も関係ないが、備える知識は早めに、、、ということで以前から気になっていたこちらを。

    あの有名な痛みに耐える自信がない、という理由で無痛出産に臨んだ川上氏。つわりの壮絶なしんどさや、出産後すやすやと眠る夫に殺意を感じるあたり、聞きしに勝る…といったところか。

    クリフムは知人が来院していたので存じており、わざわざ川上さんが行くくらい有名なのか、と改めて。

    周りでも級友が続々とママになっていくが、はたして自分もなれるのだろうか。旦那は大きい体をした三歳児くらいの感覚なのだが、、そうなる日が待ち遠しいようなまだまだ自由を満喫していたいような、そんな日々。

  • 妊娠期をもうすぐ終えるにあたって、芥川賞作家は妊娠、出産をどうゆう視点で捉えたり、描いたりするのかな、と興味が沸いて手にとったところ、これがとても面白かった!妊娠期のパートは分かる分かると楽しみ(ツワリもマタニティブルーも私はほとんどなかったので、すべて共感できたわけではないけど)、産後のパートは、おお〜やはりこうなるのか、、、と。最後は涙しました。アマゾンのレビューとかで、パパになる人も読むべきとあったので、夫にも読んでみてもらおうかなぁ。余談で、文章に平仮名が多用されてて多少読みにくかったのだけあったなぁ。

  • 作家川上未映子の妊娠、出産、そして1歳までの子育てのエッセイ。私の娘に近い歳の著者であるが、今までに体験したことのない妊娠、出産、育児ということに直面しての悲喜こもごもは今も私が体験した時も変わらないと感じた。ただ、現代は職業を持ち、働き続ける母親が多い。その大変さや葛藤等は私が体験した子育て時代とは大きく違うだろう。また今の時代、妊娠、出産、育児に関する情報、グッズ等は比べようもなく多く、便利で選択肢も多いのだと驚かされる。
    もう忘れてしまっていた妊娠時の不安やふわふわした幸福感、出産時の痛さ、そして出産後常に感じていた(1年くらいは)睡眠不足、自分の時間が全くないこと、閉塞感等このエッセイを読んで鮮やかに思い出した。しかしそれは辛さばかりではなく、ベビーとのたった一度だけの「密」な時間であり、幸福な時間でもある。私にとってこの本は当時の甘い思い出を振り返ることが出来た一冊だ。

  • 久しぶりにこんなに良い本を読んだ、と自信を持って言える。年間百冊近い本を読み、いくつか墓場まで持って行きたいものは毎年生まれるけど、その中でもまったく素晴らしい。

    私生活で色々と思うところもあり読んでみたが、こんなにも愛に溢れた本を読んだのは久しぶりだ。

    また、男性こそ読むべきだと思った。それが女性であれ、男性であれ、人生は自分が経験したことからしか学べないのだとすると、前提として他人には自分の痛みは分からないという苦しみがある。(学校の保健の授業も男子は隔離で行われる内容もあるし、教えられないから知らないというのもあるけど、)女性のことをあまりにも知らなさ過ぎて、そういったことが無意識にストレスを与えることになっていたことを痛感して考え方が少し変わった。それは家事を折半したり女性の雇用を促進すれば解決したりする話ではなく、まったく次元の違う話で、女性というのは身体も心も負担を背負っている孤独な人たちなのだ。だから、私たちは他人の決断や知らないことに口を出すべきではないし、優しくならなければならない。

  • 電車で読みながら涙ぐんでしまった。

    作家さんってすごいなあ、
    私が妊娠・育児してるなかでモヤモヤと概念的に考えてたことを「そう、その感じ!」というドンピシャな言葉で表してくれるのだから・・
    としみじみ。

    心に残ったフレーズは、
    「おなかの赤ん坊は100%こちらの都合でつくられた命で、100%こちらの都合で生まれてくるのだから、それならば我々はその『生』を100%の無条件で全力で受け止めるのが当然じゃないだろうか。それが筋、ってもんじゃないのだろうか」

    この本を読んで、子どもたちがよりいとおしく感じられるようになりました。

  • ◆きっかけ
    妊娠中の友人への贈り物に、おまけで本を一冊付けようと思って。候補の一冊として。
    ◆感想
    ざっと読み。友人にあげるのは、『そういうふうにできている』にしたが、これも面白かった。第二子を妊娠したら、その時また読みたい。2017/5/18

    以下は自分用メモ。

    p245の初めての哺乳瓶のくだりを読んでいて思い出したのが、娘5ヶ月の時に旦那に娘を預けて、産後初めて一日外出した時のこと。
    片道4時間以上の会場での結婚式に参加するため、早朝〜深夜まで出かけた。
    2週間ほど前から母乳を冷凍して貯めはじめ、同時に哺乳瓶の練習もして飲めるようになり、いざ!と出かけた。
    が、夫の報告は、日中はほとんど飲まず、夕方やっとゴクゴク飲んだというものだった。詳しく聞くと、哺乳瓶のゴムと抑えのキャップが噛み合っていなかったらしく、空気が入ってしまい上手く飲めなかったようだ。夕方何かの加減でパコッとハマって、その時は娘はゴクゴクと必死で飲んだよう。喉が渇いてお腹もペコペコだったのだ。
    これを聞いて、なんで!?という怒りというか、悲しみというか、もっとちゃんとして欲しいという不安というか、色々と思うことがあった。何よりも、そのことをあっけらかんと話す様子に、なんで…という気持ちが溢れた。娘に対して申し訳ないっていう思いをもっと持ってほしいと感じたし、哺乳瓶の使い方も説明したし説明書も渡したのに、ちゃんとしてくれなかったその姿勢も悲しかった。
    もとから夫は「人を責めず、自分も責めない」という具合の人で、私の育児や家事についても(料理以外には)文句を言わない人だった。
    私もその時強くは言えなかったし、哺乳瓶の使い方も、安易に「大人なのだし大丈夫だろう」と考えるのでなく、もっと丁寧に伝えれば良かった、とも反省した。(説明書も渡したのになんで!?そこまでしなきゃいけない!?という気持ちもあるにはあったが。)
    実際に何とかなったのだし、一日お世話してくれてありがとうという気持ちも大きかった。しかし、すごく脱力感を感じた。
    読んでいて、そのことをありありと思い出したので、ここにメモしておく。2017/5/20

    ◆引用
    p84…あれだけ日々ネットにつながっていてときにはしょうもない情報を読んだりしているはぶなのに、その時間はたんまりあるはずなのに、われわれの一大事であるはずの妊娠、ひいてはわたしのおなかの赤ちゃんについてただの一度も検索をしたことがない、ということに、わたしはまじで腹が立ったのである。(中略)わたしからの報告じゃなくて能動的に知ろうとしてもええんちゃうか

    →激しく同感!あげくの果てに夕食時の離乳食の時、娘に離乳食を食べさせている私の前で、食べ終わった食器もそのままに(いつもそのままなので当たり前の光景なのだが、この時はイライラしてしまった)、食卓でスマホを操作していた時はもう、ええー!??という残念極まりない気持ちになったのを思い出した。
    私は専業主婦なので、「夫は平日は仕事で忙しいのだし、休日くらい好きなことをしたいよね」という気持ちがその時は大きくて、強くは言えなかった。
    じゃあ、食器も自分で片付けて食卓でなくソファに移動してからスマホしてれば許せたのか?といえば、そうではない。食べ終わったのなら、「僕が食べさすよ」と言って欲しかったのだ。
    自分は専業主婦だし家事育児は一手に引き受けねば!という気持ちがある反面、2人の子なのに育児に対する姿勢が違うことが悲しい、という気持ちもあったのだ。

    p159…「ぜったいこうでなければならない!」という考えだけはもたないでいこうと言いきかせていたわたしなのだけれど、結果的に母乳メインで育てることになったのは、ありがたいことにおっぱいにトラブルもなく母乳が最初からと... 続きを読む

  • 妊娠から出産 そして子供が1歳を迎えるまでの 自分も経験したあの凄まじい2年弱の間の出来事を ひとつひとつ代弁してくれているようで 何度も涙がこぼれた。同時になんだか胸がすかっとした。痛くて 辛くて 悲しくて 孤独で。でも時々 そういう何もかもがすべて吹き飛ぶほどの幸せに満たされる あの不思議な日々は 過ぎ去ってみればやっぱりかけがえのない宝物になるんだなあ。ね ね そうですよね 川上さん。と心の中で激しく頷きながら 最後まで一気に読みきった。

  • ラスト、胸がいっぱいになって涙が出た。温かい涙。あのかけがえのない愛おしい日々を思い出した1冊。エアロビの所はこらえられなくて声を出して笑ったよー。本を読んで笑うのは久しぶりだった。

  • 妊娠、出産のエッセイ本。
    最後のあたりの赤ちゃんのことが愛おしい気持ちを素敵な言葉で語られる部分が流石小説家、毎回読むたびに涙が止まりません。愛が溢れる本です。

  • 私は男性だが、読んでいて懐かしくなった。でもやっぱり最後の文書をよんでブワッてなった。

  • 妊娠中、とある事情により、お腹の中で無事に育つか心配で心配で、マタニティライフを心から楽しめるようになったのはようやっと9ヶ月に入ってから。
    この子は間違いなく産まれてくるぞ!と嬉しい確信を持てるようになったその頃までは赤ちゃんグッズも買わず入院グッズも用意せず。ベビー服を見てもときめかずマタニティ雑誌には見向きもせず。

    しかし9ヶ月を過ぎ、仕事が育休に入ってから急にプチマタニティハイに。
    いや~私って案外母性本能あったんだわ、と思いながら過ごした予定日までの二ヶ月間でしたが、いざ子を産み、助産師さんに抱えられたシワクチャの彼(息子を産みました)の姿を見た瞬間に思ったことは
    「やばい もう後戻りはできない」でした。
    可愛い!小さい!やっと産まれた!とかそういうことは全く思わずむしろ、思いの外デカイ、その存在感たるや、見て見ぬふりはできない、これはもう育てるしかない…
    そんな、義務感バッチバチの感情でした。
    良く覚えているのは産院にて初めてウンチのついたオムツを換えたときのこと。
    あ、ウンチしてますね~、
    あ、本当ですね~、
    じゃあお母さん替えてみてくださいね~、
    私「!?」
    そーか、私がやるのか。そらそーだ。ウンチか…人のウンチ…。

    でも、一年経った今思うことには、 出産時に瞬間的に感じた恐ろしい程の義務感のおかげで、私はその後やってきた寝不足地獄を乗り越える(耐える)ことができたのではないかと。可愛いな、では、あの地獄は耐えられなかったのではなかろーかと。
    私がやらんで誰がやる、私が育てんで誰が育てるんや、と苦行に耐える如くの産後数ヵ月で、可愛いな~なんてそんなことゆっくり感じる余裕が無かったし、どう過ごしていたかとかちょっと記憶も曖昧なほどなんで、こう、ほかの人がその当時を振り替えって本にしてくれると、私自身の思い出を代わりに記してくれたかのように感じられて読みながら嬉しくなりました。
    そういえばそんなことあったなぁ、こんなことも思ったなぁ、と、自分を重ねて読み進めました。

    川上さんも寝不足地獄だったようなのに、エッセイを書けるほどに当時きちんとメモを残していたことが本当にすごい。さすが作家、尊敬する。 私は現実逃避にスマホで遊んでたよ。


    乳と卵を読んだときに感じた「私この人の文体苦手かも、」っていう記憶は正しかったみたいで、本書でもやはり苦手でした。なんだろう、くどいのかな?多分。単語の羅列みたいなところとか、私好きではない。文章にして欲しいの。
    でも友人に、この本読んでたらnaokoさんの文章思い出したよって言われたから、私の文章もくどいんだと思います。同族嫌悪ですね。

    一点、すごく共感したのが野田聖子さんについて書かれた箇所。野田さん云々ではなくて、子供のプライバシーを親がどこまで流していいのか?という点。川上さんは、自分が妊娠、育児について公にすることで、自分を通して子供のプライバシーも子供の許可なく流してしまうことになるからそこに細心の注意を払っていると書かれていました。
    私もネットに子供の写真やその他色々を載せるのに抵抗があるのですが、自分のプライバシーを親が流していた、自分のすごく個人的なことを親の友人が皆知っている、ということを大きくなってから息子が知ったら、息子はちょっと嫌な気分になるんじゃなかろうかとそんなことを思い、あーんまり載せないようにしています。
    だけど、産まれた瞬間の正直な気持ち書いちゃってるから、息子としてはそっちの方が知りたくない・知られたくない事実かもしれない。
    ですから最後にきちんと記しておきますが、息子はとても可愛いです。何者にも代え難い!望んで産み、生まれた命ですから、義務感と愛情を持って(自分なりに)一生懸命育てています。

  • みんな子育ては一生懸命。子育て真っ只中にこの本を読めて良かった。また頑張ろうと思える。
    改めて子供に向き直り、あなたに会えて本当に嬉しいと心の中で繰り返した。

  • ただの出産育児本ではなかった。
    一人の人間をこの世に迎えるにあたり直面する様々な悩みや不安や嬉しさ、不毛な怒り諸々の全てをぴったりとくる表現で書き綴ってくれていて、
    読みながら
    あーそうだよ、そんなこともあった!
    あの時の気持ちを文字におこすとまさにこの通りだよー!
    っていう共感っていうよりスッキリと思い出が整理されていった読後感だった!

    そのわりにがっつり笑い泣いてしまったのは女性ホルモンのせいではないはず。

    どうか、ゆっくり大きくなって。というラストの言葉がいちばんすき。

  • 川上未映子さんの出産、育児エッセイ。川上さんは人が避けたがる事柄にも自分の考えを真摯にさらけ出す、そのスタイルがとても魅力的で人として愛おしくて且つかっこいい。

    本を読んでる最中誕生日を迎え,両親に産んでくれてありがとうと心から感謝を伝えられました。

  • 川上さんの小説は読んだ事がないのですが、本書に関してはとても心地よい文章で、読みやすく、心にストンと入りました。

    共感できる事も多かったし、私はそんな風には考えないなって事も「あぁ、でも分かる分かる」って思える文章で。

    とにかく、妊娠・出産に関してこんなに赤裸々に綴られた文章を私は今まで読んだ事がありません。川上さんはかなりネガティブ思考な方ですが、多かれ少なかれ妊娠・出産した女性は同じように思うのじゃないかなぁ。

    私は文才が全くないので、普段のもやもやした思考も上手く言葉に出来ずにいる事が多いのですが、思ってる事をここまで正確に言葉に出来るって、やっぱり作家ってすごいんだなぁって当たり前の事を思ったりしました。あの時の気持ちはこうやって表現すればいいのね!って
    目から鱗です。

    夫のアベちゃんはそれほど登場しないのですが、ずっと登場時は「アベちゃん」と書かれていたのに急に「アベ」と呼び捨てになる産後クライシス(笑)や、突然出てくる「うちひしがれたナン」など笑えるポイントもいっぱいで、まさに笑いあり涙ありでほんとに楽しく読みました。

  • 図書館で待って待ってやっとこ借りて一気に読んだ。これ最高!買うわ。
    赤ちゃん産んでからのドタバタや、仕事と両立せねばっ!という気合いの入れ方&結果空回りして悪循環のところ。
    産後クライシスであべちゃん(ダンナさん)を時々「あべ」と呼び捨てで書いてるところ、笑った。
    全編において「まじ限界」の母親のありのままの姿が軽妙な大阪弁で書かれていて、共感しまくり。
    http://zazamusi.blog103.fc2.com/blog-entry-1030.html

  • 妊娠から出産、そして1歳までの日々を綴った川上未映子さんのエッセイ。
    所々笑って、でも最後はぽろぽろ泣きました。

    『どうかゆっくり、大きくなって。きみに会えて、とてもうれしい。生まれてきてくれて、ありがとう。』

    妊娠も出産もその後に続く子育ても、本当に大変なこと。だけど、一度しかない掛け替えのない時間なんだーって思ったら、不安だった日々も、泣いたことも全ていい思い出と言える日が来る気がしました。

    私はまだ妊娠半ばですが、残り少ない妊娠時間&その後に続く子育て時間、どちらも大切にしていこう、と思えた一冊です。

  • ただいま臨月の身。
    妊娠期間中の前半部分は、「うんうん」「わかるわかる!」の連続でした。
    そうそう!なんで男の人(夫)って、ネットをやる時間は半端なく長いのに、妻や赤ちゃんの今の妊娠の周期の状態とか調べないんだろう!?
    そして後半の産後の部分は、「おぉ…こうなるのか…」と恐怖に慄きました…。
    いつでも楽しそうに育児をしているように見える義妹を尊敬したよ…。
    これ、旦那に読んでもらいたいけど、本なんて一年に一冊読むかどうかだから読んでくれないだろうなぁ…。
    妊娠期間中にこの本に出会えてよかったです。

  • 彼女の文章はいつも気持ちがいい。
    ミュージシャンだからだろうか。
    文章にリズム感というか疾走感がある。
    楽しく読み進めることができた。

    それにしてもだ、
    液晶テレビの黒、打ちひしがれたナンなのか…
    衝撃的…というのは置いといて、
    自分もこうやって、絶対的な愛情でもって
    生まれてきたんだろうなあ。

    p.217「父とはなにか、男とはなにか」が印象に強く残った。
    そんな状況に立ったときに自分は何ができるのだろう。

  • 大好きな川上未映子さんの出産・育児エッセイ。

    大好きな作家さんの作品は基本的に出版年月順に読んでいくと決めていたが、
    新しい命を授かったとわかった月に新刊として出るのがわかっていたので、即購入。
    読もうと思ったら、奥さんのつわりが予想(そんなもの何もわからないのだからあたるはずもない)以上につらいもので、入院も経験する羽目に。
    本のにおいもダメで読めないと言いながらどうしても読みたいということで、
    奥さんから先に読み始め、体調の回復してきた最近(1か月ほど前)読了。
    いろいろ遠回りしたがやっと手元におさまり読めた。

    川上未映子さんの作品好きとして、びっくりするほど読みやすいと感じた。
    一般向けな文章という感じだが、それでもリズムとか精錬された感覚がそこにはあってとてもよかった。

    正直感動した。
    妊娠中のただなかにある自身の家族のことも振り返させられた。
    振り返りながらも刻一刻と変わっている現状にいまもまだあるわけで、最後まで読んでも修羅の道はつづくのかと思うとぞっとする。
    でも、つらいのは母になる者なのだと感じずにはいられない。
    母になる者に幸せを感じさせられるかはやはりともに過ごす者なのだろうとはっきり突きつけられたような気がする。
    我が家は我が家のかたちでがんばりたい。

    つわりや出産時のつらさについて、
    男だからわかんないだろうけどとよく言われるが、
    その通り絶対にわからない。
    奥さんのつわりがひどい時期に目の前で苦しむ姿を見て、そしてそのようなことを言われて、
    その絶対にわからないというつらさを女だからわからないのだろうと正直思った。
    どうにかしてあげたいし、どうにもできないのだけど、せめてわかってあげたいと思っても、一生をかけて望み続けても絶対に叶わないのだ。
    考えれば考えるほど絶対にわからないということが深く深く突き立てられた。
    そしてその中読んだので、作中にある「完全な他者になるということ」というのをいままさに実感しているのだと思った。
    でも、同時に大切にしたい感覚だとも思った。

    生命の誕生にかかわる作品であることもあって、永久普遍的に残り、継がれていって欲しい内容の作品。
    人間性、女性性、母性という葛藤の中で、そしてそれらすべてを持ち合わせる他者という情報の中で、川上未映子さんらしく自己を描ききっている感じで、とても赤裸々な告白が綴られていて、きっとここに書かれていることなど、ほんの一部にすぎないことはわかっているのに
    、それでも一喜一憂させられ、なぜか最後には活力をもらえた。
    この作品に出会えたこと、そしてこのタイミングであったことを本当にうれしく思うし、なにに対してかはさっぱりわからないが感謝をしたい。
    ありがとうございます。
    そしてこれからもよろしくお願いします。と。

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きみは赤ちゃんの作品紹介

35歳ではじめての出産。それは試練の始まりだった! 芥川賞作家の川上未映子さんは、2011年にやはり芥川賞作家の阿部和重さんと結婚、翌年、男児を出産しました。つわり、マタニティー・ブルー、出生前検査を受けるべきかどうか、心とからだに訪れる激しい変化、そして分娩の壮絶な苦しみ……妊婦が経験する出産という大事業の一部始終が、作家ならではの観察眼で克明に描かれます。時にユーモラスに、時に知的に、子供をもつということの意味を問いかけます。 さらに出産後の、ホルモンバランスの崩れによる産後クライシス、仕事と育児の両立、夫婦間の考えの違いからくる衝突、たえまない病気との闘い、卒乳の時期などなど、子育てをする家族なら誰もが見舞われるトラブルにどう対処したかも、読みどころです。 これから生む人、すでに生んだ人、そして生もうかどうか迷っている人とその家族に贈る、号泣と爆笑の出産・育児エッセイ!

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