半導体探偵マキナの未定義な冒険

著者 :
  • 文藝春秋
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感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163900858

作品紹介・あらすじ

名探偵に深刻なエラーが発生しました!主人公の正行は17歳の男子高校生。のんびり帰宅部の大人しい青年だが、彼には天才科学者の祖父がいた。祖父は現役引退後、研究所にこもってひそかに人間そっくりのAI搭載探偵ロボットを開発し、依頼人に派遣するボランティアをおこなっていたのだ。ある日、3体の探偵ロボットがエラーを起こし、勝手に町に出て「探偵」活動を始めてしまった。唯一正常に機能している探偵マキナと正行のコンビは、あちこちで「捜査中」と思われる「探偵」たちを無事、見つけ出すことができるのだろうか?京都大学推理小説研究会の「秘密兵器」と呼ばれた著者。鬼才の最新作は「犯人探し」ならぬ「探偵探し」です。探偵小説界を疾走する才能のきらめきを、ぜひその目で確かめてみてください。今度は何を出してくる? と毎作、目が離せない。まことに「未定義な」才能の持ち主である。――綾辻行人星新一と「ミステリーランド」が好きな人に薦めたい。――法月綸太郎ロボット探偵がロボット探偵を探す。二十一世紀のパット・マガー!――我孫子武丸EQ(エレクトロニック・カルテット)ここに爆誕!――麻耶雄嵩

感想・レビュー・書評

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  • うーん、これジャンルは何になるんでしょう?

    知る人ぞ知るAI研究者の祖父が作り上げたいわゆるアンドロイド4体。
    探偵活動を旨にプログラムされている。
    運悪く祖父が亡くなるのとアップデート時が重なり、3体にエラーが発生。
    唯一エラーの出ていないマキナと孫の正行は探偵ロボットたちを探し出して無事に停止させることができるか?!

    というような内容なのだけど。
    探偵ではあるけれど、探偵モノでは……ない、なぁ。
    いわゆるアンドロイドではあるけれど、SFでは……ぜんっぜんない。
    推理はするけどミステリ要素も薄いです。

    うーん、ホントこれジャンルは何になるんだろう。

    マキナが可愛いのとマキナが書く「コーヒーブレイク」は楽しいし、ロボットならではの捜査方法など笑えるところも多かった。
    けど、主人公の正行の魅力が足りないのと謎解き要素が薄いのとで全体的には物足りない。
    マキナ以外の3体の探偵ロボットも活躍するはずの次作(出るなら)で判断、かなぁ。

  • たまには小説でも読んでみようかと思って借りて読んでみた。
    内容は、エラーを起こした探偵ロボットが事件を解決しようとしているが、ロボットの行動からエラーが何かをつきつめようとする話。実際にロボットが依頼を受けた事件についてはすぐに解決することが多い様子。
    いろいろツッコミどころはあるけど、もう少しロボットらしさがあってもいいんじゃないかと思った。人間味がありすぎる気がする。
    ところで、高校生の主人公の祖父が92歳って、年齢結構離れてるような気がするけど、母親はいったい何歳なのだろう。
    ところで、何でメインのロボットのマキナは日頃からピアスをつけているのだろう。高校生ぐらいの見た目にしているなら、必要ないと思うのだけど(実際、高校に潜り込む際は外した)。多分、特に意味はないと思うのだけど。
    ツッコミどころといえば、ビルから紙飛行機を飛ばしてポストに入れるとかコショウの粉粒を飛ばして人の鼻に飛ばすとか、さすがに軌道計算だけじゃ無理だろとは思った。

  • 序盤はロボットならではのセンサー能力が新鮮だったが後半はミステリというかアクションものというかある意味普通になった感じ。せっかくなのでロボットのすごさで押してほしかったな。全体的に読みやすいテイストでよかったです。やや甘め。

  • 《イエス!オススメ度は99.827%です。マイマスター‼︎(チョキチョキ)》(何がオススメとは言わないんだな)

    アップデートに失敗した名探偵ロボットを、失敗しなかった名探偵ロボットマキナと「俺」こと坂巻正行が捜索する。

    奴らはアップデートに失敗、つまり思考に多少のズレが生じていて、何考えてどういう行動を取っているのかさっぱりわからん。

    ここにこの物語の面白さがある。
    なんせ奴らは名探偵。
    元々すごい奴らにズレが起きて、どこで誰のどんな依頼を受け、どう解決しようとしているのかを考えると・・・。
    しかもロボットなんだぞ・・・ばれたら大変だし、壊したものの損害保証なんかは俺に回ってくるんだぞ・・・。

    マキナ、奴らの思考の過程を追い、解決を頼んだぞ‼︎


    ってことで、マキナがかわいい。
    他のロボット達も魅力的。
    合間のコーヒーブレーク。
    ロボット達の反則的な解決法もなんだかこの作者なら、この人の生み出したキャラならと許しちゃう。

  • 全く思ってた探偵の推理とは違うけどロボット達が仲良く喋っている様子は見たくなります。
    クリクもオーガスタスもイーディももちろんマキナもエラーにならなければ身近にいてほしいです。見た目人間関係しか見えないロボットは憧れです。

  • あんまり面白くなかった印象が強い。率直に言って出版するほどのものでもないような気がした。同人の個人小説というのが近いと思う。娯楽性というか物語の盛り上がりは薄い。

  • 7割方オチが読めた
    でも楽しめた
    面白かったよ

    キャラって大事

  • 内容もさることながら、構成が抜群に上手かった。最初の章で半導体探偵の紹介と設定を生かした斬新な謎解きで一気に興味を引いておいて、次章からは暴走した半導体探偵たちを探す冒険の中に定義の勘違いといった要素がいいアクセントになっている。コーヒーブレイクと最終章で、図らずも暴走してしまった半導体探偵たちへのフォローも忘れないステキさが堪らない。

  • 図書館で借りた本。
    キャットフード、スノーホワイトに引き続き、同じ作者さんの本。
    ある日、おじいちゃんの研究所から、女の子型のロボット「マキナ」がやってきて、依頼の手伝いをして欲しいと言われ、依頼を完了するために、同伴する。
    その後、おじいちゃんが亡くなり、マキナの外に3体あるロボットがエラーを抱えたまま街に出てしまい、マキナと二人、回収に向かう。

  • 人工知能搭載探偵ロボット三体がエラーを起こし暴走。主人公とヒロインロボットで捕獲し、エラーの原因を探ります。

    冒頭の現金盗難事件はロボットらしいデータ重視の解決でなかなか面白かったものの、その他は一つの可能性をピックアップする「当てずっぽう」推理で、残念ながらロボットらしいロジックではありませんでした。適当に感じたストーリーも含めてもっと煮詰めて欲しかったです。
    探偵ロボットの暴走ぶりや、どんなエラーを起こしているかを推理するハウダニットは楽しめました。

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著者プロフィール

1984年、香川県生まれ。京都大学大学院理学研究科修士課程修了。京都大学推理小説研究会出身。2010年『キャットフード 名探偵三途川理と注文の多い館の殺人』(講談社BOX)でデビュー。〈名探偵三途川理〉シリーズは他に『スノーホワイト』『踊る人形』(以上、講談社文庫)、『ワスレロモノ』『トランプソルジャーズ』(講談社タイガ)。近著に『そのナイフでは殺せない』(光文社)。

「2020年 『死者と言葉を交わすなかれ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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