平蔵狩り

著者 :
  • 文藝春秋
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本棚登録 : 69
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784163901039

感想・レビュー・書評

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  • これはシリーズなんだろうか…なんて言う?~石川島の寄場の出入り改め方のしづという剣術道場の女房の動きが怪しいが,しづは幼馴染みの小人目付の手助けで,長崎奉行所に勤務していて,マンドロガを江戸に持ち込んで,寄せ場の門番を経由して売りさばこうとしていたのだ。大名や旗本の家から名刀を盗む白鳥郡兵衛一味は刀剣屋に持ち込むが,金にするのは難しい。通報した備前屋の正体が,白鳥だった。玄蕃という医師は貧しい者から治療費をとらず,金持ちからは遠慮せずに貰う名医だという評判だ。4人が担ぐ籠には槍持ちもいて,先触れの女もいる。しかし,往診先が押し込みに会う被害が出ているが,怪しいのは所沢時代に金がなくて助けて貰えなかった女の娘ぐらいだ。所沢での若い娘の評判は,見せ物小屋にいたという話。平蔵は籠の下の隙間に小男が潜んで,忍び込み,中から潜り戸を開けるというものだった。駕籠屋と見せ物の親方は兄弟だったのだ。18の女が,父は深川の平蔵だという母の言葉を信じて下ってきた。本所の平蔵と言ったら長谷川の火盗改めの殿様だ。対面したが,父娘だとは判明しない。娘は右の乳の下に錆色の痣があるという。長谷川の指示で平蔵という名の者が集められたが,それらしい男は数名だ。そのうちの一人は本庄の平蔵という名物商いの男で,確かに痣もあった。娘は何かを望むものでもないが,対面を終えて船宿に帰った娘に長谷川の似顔絵を描くように命じたのは盗賊の頭目だった。唐物問屋に押し込みが掛けられ,異変に気が付いた小女は赤鬼を見たという。オランダ人にはそういう者もいる。抜け荷を扱い,薩摩に出入りしているなら,船で高輪沖にやってくるのも可能だ。抜け荷はマンドロガ。信濃で仕事をしてきた盗賊が,江戸に伸してきたが,非道を働いて抜けたいという男が,平蔵に繋ぎを付けに来た。非道は卍と名乗る盗賊の娘。誰の意図が実現するか~中一哉を紹介していたのは文藝春秋だったか。その後に訃報が。逢坂さんは三男で,中央大学法学部を出て博報堂に勤務していた1943年生まれの直木賞作家

  • いせは平蔵の娘なんでしょうか?
    なんとなくさもありなん、な気がします。
    平蔵ちょっとお顔を拝みたい。

  • 前巻同様、逢坂版長谷川平蔵は悪党の前に素顔を晒さない。素顔を見た盗賊は、生きて娑婆を歩くことはないだろう。
    平蔵は役宅で事件全体の「絵図」を読み解き、配下の者を動かして見事事件を解決する。
    押収した麻薬の行方が明かされない辺り「酸いも甘いも噛み分けた」平蔵の一面が顕れニヤリとさせる。

  • 【火盗改・長谷川平蔵がふたたび闇を斬る!】裏ではびこる悪事も決して見逃さない――ハードボイルドの調べにこだわり抜いた逢坂剛版・平成の長谷川平蔵シリーズ待望の第二弾。

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著者プロフィール

逢坂剛
一九四三年、東京生まれ。八〇年「暗殺者グラナダに死す」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。八六年に刊行した『カディスの赤い星』で直木賞、日本推理作家協会賞、日本冒険小説協会大賞をトリプル受賞。二〇一三年に日本ミステリー文学大賞、一五年には『平蔵狩り』で吉川英治文学賞を受賞。「百舌」シリーズや「長谷川平蔵」シリーズなど著作多数。

「2022年 『最果ての決闘者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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